おまけ:メアとファナの旅3
「何も手掛かり、得れなかった……」
「そんなに落ち込む事は無いと思うよぉ~」
「うん……そうだね……」
ギルドに行けば何か分かると思っていたけど、流石に楽観視しすぎだったのかな……。
「そうだぁ~」
「どうしたの……?」
「そろそろ携帯食料とかなくなりそうだから買いに行かないとぉ~」
「ん、じゃあ行こう……」
私たちは王都内を歩きだした。
「ここならありそう……」
私たちが足を止めた店の看板には【ディエナ商会】と書いてある。私は世間に疎かったからよくわからなかったけど、ファナの反応を見る限り、凄いところだと思う。
「よく来ましたね、さぁさぁ是非、手に取ってご覧ください」
そういわれて、いろいろと手に取って回るファナの後ろを、私はついて回った。
「さすがディエナ商会はいい品揃えしてるわぁ~」
「そうなの……?」
「だって、今商会で一位二位を争う大商会よぉ~?」
「よくわかんない……全部ミラトに任せていたから」
「そ、そう……」
「失礼、お嬢さん方々」
私たちがそんな会話をしていると、店の奥から一人の青年が出てきて声をかけてきた。なんというか、心の内が読めない、そんな感じの人だ。
「私はこの商会を経営させていただいております、ディエナと申します」
「どうも……」
「それでなんの用かしらぁ~」
「先ほど話されていたミラトというお方についてですね……」
「知っているの?!」
「え、えぇ……先日助けていただいたばかりですので」
驚いた。まさかここでミラトとあった人と会えるなんて思ってなかった。
「それで……ミラトはどこにいるの……?!」
「さ、さぁ……それは分かりかねますが……恐らく方角的に王都だと思いますよ」
そう教えてくれた。
「ほかには……?」
「すみません、この程度しか知りえないですね……」
「そう……でも、ありがとう」
「お二人はミラト殿とどのような間柄で?」
「幼馴染……」
「私は元パーティーメンバーですぅ~」
「お二人はなぜ、ミラト殿をお探しで?」
「いろいろあって……」
「あんまり詮索しないでもらえると助かりますぅ~」
「なるほど、では詮索は辞めにした方がいいですね」
「ん……」
「ではこうしませんか?」
「ん……?」
「私も微力を尽くしますので、あなた方のお手伝いさせていただけませんか?」
「いいの……?」
「あなた方も相当レベルの高い冒険者のようですから、つながりを持つためにはこのぐらいお安い御用ですよ」
「ものすごい助かる……ありがとう……」
「もちろんタダとはいきませんからね?」
「ん、分かってる……」
思いがけない形で私たちは強力な助っ人を得ることができた。