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攻撃魔法の使えなかった鏡魔法使いは伝説のジョブ【鏡魔術師】となったので、のんびりと自由気ままに生きていきます!  作者: 鏡花
王立魔導学園

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消耗戦

大変お待たせしました!三章本編のラストを投稿します!

「な、何だこの音……」

「何したんだミラト……」

「【原初魔法】」

「またそんなポンポンと葬り去られた魔法(ロストマジック)を……」

「まぁいいじゃん、倒せれば」

「た、確かにそうだが……」

「ほら行くよ」


 土魔法で出来ていた壁を取り除くと……そこにはまさに阿鼻叫喚(あびきょうかん)といった惨状だった。地面のいたるところが隆起し、ところどころ地割れが起きている。あんなに大量にいた蟻たちのほとんどが爆発四散し、辛うじて息のある蟻たちもすでに蟲の息だ。もちろんまだまだわいてくるが、こちらが有利になっていることに変わりない。


「皆、今のうちに数を減らすんだ!」

「「「「「「「「「「おぉ!」」」」」」」」」」


 弱っている蟻たちを優先的にみんなで攻撃しだした。










 あれから約二時間が経過した。未だに蟻たちはワラワラと湧き出してくる。このままでは本格的にこっちがじり貧になってくる。これは本当にまずい。すると、それを見越してきたのか、シンラが話しかけてきた。


「はぁ……はぁ……少しいいですか、ミラトさん」

「どうしたの?」

「提案があります。 このままではじり貧です」

「そうだね」

「なので、ミラトさんとリリーシャさんのお二人であの奥の通路まで向かってください」

「でもそれじゃあ……」

「ここは私たちに任せてください」


 シンラの瞳には強い決意の意思が宿っていた。ならここはシンラに任せてもよさそうだ。


「分かった。 シンラ、あとは任せたよ?」

「任せてください!」

「リリー!」

「なんでしょうか?」

「あの奥の通路まで走り抜けるよ」

「分りました」

「皆! ミラトとリリーシャさんをあの奥の通路に向かわせるために手を貸してくれ!」

「承知しました!」

「おう!」

「では、頼みます」


 俺達は武器をしまうと、奥に見える通路に向かって走り出した。もちろん蟻たちも本能で理解しているのか、妨害しようとしてくる。だが近くにいる冒険者たちが必至で足止めをしてくれている。


「よしもう少しだ」


 あと約百メートルといったところで、目の前に五匹の守護蟻(ガーディアンアント)が現れた。しかもそのうちの二体は特異個体(アルビノ)である。


 流石にこれはまずいか……そう思った瞬間、シンラとメネリアスが自分の持っている武器で特異個体(アルビノ)に斬りかかった。


「ここは俺たちが食い止めるから、早くお前たちは行け!」

「メネリアス……助かる!」


 俺達はシンラとメネリアスを始めとした足止めをしてくれている人たちに感謝しながら奥の通路に向かい、その奥に足を進めた。

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