大群殲滅作戦
更新遅れてすみません!
そして、期末が近づいてきているので、テスト前最後の更新になります!テスト終えたら一気に三章を終わらすので期待しててください!
「リリー、まずは中心に向かうよ」
「はい!」
「行くまでは俺自身も攻撃に参加できる。けど、罠を仕掛けている間は完全にリリーに任せることになるけど、大丈夫?」
「お任せください!」
「そっか、じゃあ、任せたよ」
俺達は兵隊蟻らを無造作に切り払いながら中心をめがけて移動していた。
約五分ほどして、中心までたどり着いた俺とリリーは背中合わせになりながら周囲を見渡していた。
「じゃあリリー、今から準備をするから、後は任せたよ?」
「私に任せて、ミラト様は罠を仕掛けることだけにご専念ください!」
そういいながらリリーは、俺に近づいてくる兵隊蟻を斬りはらった。
「よし、じゃあ……まずは……」
俺は片膝を地につけると、両手の間に魔力をためだした。ちらほらと姿を現しだした上位種、特に盗賊蟻は集まった魔力に危機感を覚えたのか、俺たちの方に兵隊蟻を差し向けてきた。しかしリリーが迫りくる蟻たちを薙ぎ払っている。
「まだ、足りない……」
俺は一心不乱に魔力をためている。周りの様子は分からないが、近くで敵を斬る音と、少し遠くの方で、戦闘音が聞こえるため、リリーやシンラたちが頑張ってくれているのだろう。
「あと、ちょっと……」
もう少しで必要魔力が集まる。もう少しだけ皆、耐えてほしい。
「よし! これで発動可能だ!」
ついに必要な魔力が集まった。後は設置するだけだ。その時
「キシャァァァア!」
「しまった!」
リリーの焦った声と同時に、俺の正面に一匹の兵隊蟻が向かってきた。俺は両手が使えない。さらに今攻撃受けてしまうと魔力が霧散してしまう。しかしここで攻撃に転じると、罠が張れず、いまだにワラワラと現れてくる蟻たちに後れを取ってしまう。……くっ、どうするのが正解だ? するとその瞬間、
「キュイ~!」
といった鳴き声と共に、俺の目の前の兵隊蟻に龍の息が当たり、吹き飛ばされた。
「ミロ?!」
「キュイ!」
「ありがとう。 おかげで助かったよ」
「キュ~? キュ~イ!」
ローブのフードの中に隠れていたミロのおかげで最悪の状態を回避できた。これは本当に大きい。俺は地面に魔法を設置した。
「原初魔法【大地の目覚め】」
俺の両手の魔力に塊が何の抵抗もなく地面に吸い込まれた。そしてその魔力は俺たちがいたところを中心に、少しづつ同心円状にゆっくりと広がりだした。
「リリー、ミロ。 みんなのところに戻るよ」
「はい!」
「キュイ!」
「ほらミロ、早くフードの中に戻って」
ミロをフードに戻して、俺たちは来た時と同じように敵を斬りはらいながら移動した。
「どうだ、ミラト?! 罠は成功したのか?!」
「今は話している余裕がない。 早く非難しないと巻き込まれるぞ!」
「わ、分かった!」
「皆、早く来た通路に戻るんだ! じゃないと巻き込まれるぞ!」
俺の叫び声を聞いて皆一目散に来た通路に向かって走ってきた。そして最後の一人が通路に逃げ込んだのを確認すると、土魔法で蓋をした。
「はぁ……はぁ……」
「と、ところで、どんな魔法を使ったんだ?」
「もうすぐ……わかるよ」
俺がそう言った十秒ほど後に、
ドゥゥゥゥゥゥゥゥウン!!
と、立っているのもやっとなほどの激しい揺れと共に、蟻たちの断末魔が聞こえないほどの大爆音が響き渡った。