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洞窟の果て

長らくお待たせしました。更新です

 休憩を終えてから皆元気になったようで、足取りが軽くなっている。


「どうやらみんな元気になったようだね」

「そうですね」


 これからいつ休憩できるか分からないため、このタイミングで休憩を挟めたのは僥倖だ。俺たちはまた洞窟内を歩き始めた。










「はぁ……はぁ……まだ続くのか……」

「い、一体どのくらい歩いたんだ俺たち……」

「し、知らねぇよ……」


 後方からそんな声が聞こえてきた。ほかの人たちも口にはしていないが、疲労が見て取れる。俺は近くにいるシンラに声をかけた。


「シンラ、疲れてきた?」

「正直言うと少し……」

「そっか。 どれぐらい歩いたか分からないしね」

「そうですね……」


 突入してからどのぐらい時間が経ったかよくわからない。一時間なのか、半日なのか、はたまた一日なのか。ただ一つ言えることは皆一日休まずに歩いたレベルの疲労がたまっているという事だ。


「よし、皆止まってくれ」


 俺は皆を呼び止めた。


「少しリスキーだがここで一度数時間の休憩を取ろう。 皆は体を休めてくれ」

「休憩をとるとして、監視はいるだろ? 誰がするんだ?」


 と聞き返された。


「それはもちろん俺がする。 だから皆は気にせずゆっくりしてくれ」

「しかし、それではミラト殿のお体を休めることができないのでは?」

「そこは心配しないでくれ。ちゃんと休ませてもらうから」

「そうですか……ではお言葉に甘えさせていただきます」


 騎士の一人からそう問いかけられ、俺が回答すると、その回答を待っていたかのように、皆眠りだした。俺は皆が眠ったことを確認すると、最前線に位置する地点に向かい、手ごろな岩を見つけると、その上に座った。


「ふぅ……あと、どれぐらい続くんだろうか……」


 俺は一人で静かに呟いた。単なる独り言だったのだが、驚くことに返答が帰ってきた。


「それはわかりませんが……これだけは私にもわかります。 きっとミラト様なら大丈夫です」

「おや、休んでなくていいのかい?」

「ミラト様がお休みになられていないのに、奴隷の身である私が休めるわけないじゃないですか」


 起きていたのはリリーだった。てっきり休んでいるものだと思っていたが、言われてみれば確かにそうかもしれない。俺はリリーを奴隷として扱った事は無いが、リリーの中では何かあるのだろう。


「少し話をしようかリリー」

「はい。 お隣失礼しますね」


 それから俺たちは数時間の間、たわいもない話をしていた。










 数時間後、起きてきた皆の顔からは疲労の色が消えていた。逆に瞳には闘志が宿っているように見える。


「よし、じゃあ行こうか」

「「「「「「「「「「おう!」」」」」」」」」」


 俺達が歩き出してから一時間ほどした後、俺たちの目の前に現れたのは風空に枝分かれした道……つまり、巣にたどりついた。


「皆、ここからが正念場だ。 気を引き締めていくぞ!」


 シンラの鼓舞の言葉と共に進みだした。

もうそろそろ三章終わります

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