新たな上位種
更新遅くなりました!すみません!
兵隊蟻の半数が息絶えたとき、後方にいる上位種が見えてきた。
「あれは……」
そこには、戦闘蟻五体に、将軍蟻が十体、さらにもう八体ほど新たな上位種、そして一体だけ装甲の色が明らかに違う魔物がいた。
「【映し鏡】」
名前:無し
レベル:44
性別:オス
種族盗賊蟻
スキル
魔力感知
罠発見
蟻酸
擬態
と映った。恐らくだが、情報収集に特化した個体だろう。その証拠に攻撃的なスキルが少ない傾向にある。そして問題の白い個体はというと
名前:無し
レベル:53
性別:オス
種族:守護蟻・特異個体
スキル
注目収集
硬質化
蟻酸
超高速再生
鋭利化
統率
威圧
砂魔法
だった。レベルも一際高いし、何より目を引くのはそのスキルだ。将軍蟻の持つ統率に、戦闘蟻の持つ硬質化に高速再生の強化版である超高速再生を持っている。さらに新たなスキルとして、注目収集、鋭利化、威圧、砂魔法の四つだ。
「お、おいなんだあの白いの?!」
「あれは……」
階級Bや騎士の人たちは見たことないようだが、階級A以上の人たちはみんな一度は見たことがあるようだ。
「あれは……」
「おいおい、まずくね?」
「み、皆さんあれは何ですか?!」
俺たちが自分で納得していたため、訳の分かっていない騎士の一人が聞いてきた。
「あれは特異個体……通称アルビノと呼ばれる個体だよ」
「アルビノ……?」
「通常個体より体色が違う状態で生まれた個体で、現在過去に確認されたアルビノは通常種よりランクが低くて一段階、高くて三段階も上に設定されたこともあるんだ」
「そんな……」
「まぁ、とやかく言っても仕方ない、あれは俺とリリーで対応するから、他を皆で頼むね、指揮はメネリアスに任すよ」
「あぁ!」
「じゃあ、皆任せたよ!」
「任されたぜミラト。 なぁ皆?!」
「「「「「「「「「「おぉ!」」」」」」」」」」
「じゃあリリー行くよ!」
「はい!」
俺とリリーは、壁を蹴ったり、兵隊蟻を踏み越えて、群れの最後尾にまで移動した。
「キシャア?」
アルビノの個体は悠然とした態度で俺たちの方を向いた。遠目ではわからなかったが、他の上位種に比べて二倍ほど体格が大きい。
「リリー、合わせてね?」
「はい!」
俺とリリーは互いに見合ってから、改めて武器を構えて動き出した。