表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

114/274

攻守逆転

「お帰りなさいませ殿下!」

「どうだ、何かあったか?」

「いえ、特に何も起こりませんでした!」

「ならよかった。 では、人を集めてくれ」

「と、言いますと?」

「今度は、こちらから攻める番という事だ」

「は! 承知しました!」


 騎士たちに帰ってきてすぐにそう指示し、数十分後にはけが人や、けが人の治療をしている人を除いて全員集まっていた。


「みな、私の名前はシンファルラ=フォン=ネイシスだ! 知っているものも多いと思うが、この国の第一王子である! まずは皆、この異常に勇猛果敢に立ち向かっていただき感謝している!」


 そこで、シンラは一度当たりを見渡した。そして俺の方を向いてから軽く頷き、演説を再開させた。


「先ほどの防衛の後すぐで、疲労があるのは重々承知ではあるが、この国の民を守るためにどうか、私に力を貸してほしい。 次は我々が攻める番だ!」

「「「「「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!」」」」」」」」」」

「殿下、ありがとうございます。ではこれより、此度の異常解決に向けての作戦をお伝えします! まず、鏡魔術師ミラト様をリーダーとした小規模の精鋭部隊を編成し、巣に向かいます。 そして、地上に残った人らは万が一のために待機となります! それでは、名前を呼ばれた方は、ミラト様のところに集まってください!」


 数十分後、俺をリーダーとした小規模部隊の編成が終わった。主なメンバーは俺に、リリー、シンラ、メネリアス。 それに騎士がリュエンやソルを含めた五人、階級Aの冒険者が四人、階級Bの冒険者が七人、階級Cの冒険者が二十人といった計四十人。

 そして、地上待機組がガナス、ユファさん、残りの騎士団の方々を中心とした、主に階級D以下の冒険者が待機することとなった。


「では、行ってきます!」

「お気をつけて」

「地上は任せとけ!」


 心強い返事をもらった俺たちは、穴を飛び降りた。


「ところで、ミラトさん」

「ん?」

「着地はどうするのですか?」


 下を見る限り、まだ底が見えないからそれなりの高さがあるのだろう。


「まぁ任せといて」


 俺は近づいてきた地面に向かって一つの魔法を使った。


「重力魔法【反・重力領域アンチグラビティリーヂャン】」


 俺が魔法を唱えると、俺の手から、渦巻いた魔力の塊が飛び出し、地に着くと、底を覆うように広がった。


「ミラトさん、これ大丈夫なんですか?!」

「大丈夫大丈夫」


 俺達のすぐ真下に地面が近づいて、ぶつかると思われた瞬間……


「う、浮いた?!」

「な、何だ?!」

「ね? 大丈夫だったでしょ?」


 周りの人たちも自分たちが浮いていることに驚いているようだ。俺が魔法を解除すると皆の足が地に着いた。


「じゃあ、行こうか」


 俺は、皆に声をそうかけて、穴から続く、洞窟と変わり果てたダンジョンの通路を見据えた。

反・重力領域アンチグラビティリーヂャン


魔法が展開された場所の重力を反転させ、物体などを浮かす魔法。エンチャントした場合、物体を浮かせて移動できる

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ