花園の主
二話目です
私の足元から白銀がだんだんと地面を変化させていきます。まるで毒に蝕まれたかのように少しづつ、されど確実に変化していきます。
「行きます!」
私の声とともに、白銀と化した地面が鋭い槍のように、将軍蟻に向かって、数本向かっていった。だがもちろん当たらず、配下の兵隊蟻を盾にして防いでいました。
「厄介ですね……」
どうんな攻撃しても、周りにいる兵隊蟻を盾にしてしまいますし、その盾にされている兵隊蟻も、後から続々と現れてしまいますので、時間が経てば経つほど私が不利です。
「でも、だからと言って辞めるわけにはいきません!」
私は両手を突き出し、それに呼応して、白銀が針山のように、下から突き出ました。まずは周りの兵隊蟻たちを減らすのが最優先です。
「「「「「キシャァァァァァァアア!!」」」」」
数匹の兵隊蟻を貫くことに成功しました。
「キシャァァァァァァアア!!」
「「「「「キシャァァァァア!!」」」」」
味方の屍を、気にせず、それどころかその屍を踏み台にして、兵隊蟻たちが、私に四方八方から迫ってきました。
「っつ……!」
両手に持っている【対の双剣 連】と【対の双剣 撃】、さらに白銀を刃のようにして私の周囲を斬りつけることで何とか対処できました。
「やはり……早急に倒し切らないと、押し切られてしまいそうですね……」
より突破力のある魔法や攻撃があればいいのですが、今の私が使えるの白銀魔法は、白銀の園だけです。
「せめて、白銀甲冑が使えれば……」
白銀甲冑が使えれば何か別の方法もあるのかもしれませんが、あいにくそれはない物ねだりという物です。そもそも、白銀甲冑は身に纏うものです。それに対して白銀の園は、変化させて、操作するもの。似通う部分はありますが、根本的には違う…………あれ、そういえば……
「白銀の園で変化した白銀って、私に纏う事ってできないんですか?」
そんなこと、今まで一度も考えた事は無かったです。でも、もしできれば……
「よし、物は試しです!」
私は手始めに、私自身の靴に、白銀を纏わせてみました。今までの単調な操作とは違うので、すこし手間取りましたが、難なくできました。足を離しても形は維持されたままです。
「これなら!」
私はすぐに行動に移しました。白銀を蔦のように変化させ、私自身に絡みつかせていきます。ですが、もちろん相手も待ってくれるわけでもないので、こちらに向かってきます。
「キシャァァァァァア!!」
鋭い顎が、私ののどを食いちぎろうとしたその瞬間、白銀の小さな槍が、その体を貫きました。
「間一髪で間に合いました……」
そこには先ほどの、学園の制服だった私ではなく、白銀で出来たオバードレスを纏い、手にはガントレットのようなものを、ブーツは白銀を纏い、より強固になり、私の髪は白銀によって一つ結びにされています。一言で言えば、ドレスと鎧の合わさったようなものです。
「この魔法の名は……そうですね……ではこうしましょう」
そして私は一度姿勢を整えると、自信に満ちた声色で、一言言い放ちました。
「【白銀の園・大華主】」