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新武器

「おう、お帰り。 どうだ、話せたか?」


 メネリアスのところに戻ると、開口一番にそう聞いてきたので、俺は二人と話した内容を伝えた。


「あ、そうだ。 あと二人に魔法道具(マジックアイテム)を上げたな」

「どんなアイテムだ?」

「ガナスには【土竜の大盾】と、ユファさんには【魔壁のネックレス】っていうやつで」

「……効果は?」


 無言の催促をくらった俺は、諦めて効果を話した。その間メネリアスは静かだったが、俺が話し終わると、まるでせき止めていたものがあふれ出たかのように話し出した。


「はぁ?! なんだその高性能すぎる魔法道具(マジックアイテム)は?! 羨ましすぎるだろ?! そんな高性能な魔法道具(マジックアイテム)なんてダンジョンランクA以上のダンジョンの深層の魔物からのドロップアイテムレベルの物じゃないか?! そんな高価なもの、まるで新人にベテランがお古の装備を上げる感覚で渡す方も方だけど、受け取るなよ?! てかそんないい装備俺も欲しいよ!」

「お、落ち着いて……」

「はぁ……はぁ……すまん……取り乱した」

「なんか……欲しい?」

「いいのか?!」

「う、うん……欲しい物によるけど……」

「できれば剣がいいな……こいつもそろそろガタが来そうだし」


 そう言いながら、おもむろに腰からブロードソードを引き抜いた。そのブロードソードをよく見れば、数多の刃こぼれの後に、何度も研いだ後が見受けられる。これは確かにそろそろ変え時かもしれない。


「剣なら……」


 俺は、鏡の世界(ミラーワールド)から一振りの剣を取り出した。見た目は本当に何の変哲もない剣だ。鞘とかも特に装飾があるわけではなく、本当にただの黒い鞘だ。


「これは?」

「これは、【魔剣 マジックカノン】と呼ばれる武器で」

「ほうほう」

「いや、これは説明するより見た方が早いか」


 俺はおもむろに鞘から抜いた。それはまさに奇形と称すのがふさわしい、普通の刃とはかけ離れている。


「なんだこれ?」

「面白いでしょ?」

「いや、まぁ……」


 その剣は、刃の中心部分が根元から刃先までないのだ。簡単に言えば刃が二又になっているのだ。


「この剣の特徴としてはね、こんな感じで魔力を込めると……」


 俺が魔力を込めると、根元に魔力が集まり、左右の刃を紫色に染めていった。そして、空いた隙間から魔力が龍のブレスのように空に向かって放出された。


「な……」

「これは見てもらった通り、魔力を高圧に圧縮して放出する魔剣なんだ。 もちろん切れ味も一級品だよ」

「ねだっといてあれなんだが……こんないいものをもらっていいのか?」

「もちろん見返りはもらうさ、今回の異常解決でね?」

「というと?」

「馬車馬のように働いてもらうからな?」

「あぁ……あぁ! それぐらい任せろ!」


 メネリアスはたくましく胸をたたいた。

【魔剣マジックカノン】

鞘に納められているときは一見普通のロングソードだが、刃が二つになっている。葉の中心が根元から先までなく、魔力を込めることができる。いうなれば、導体レールが刃になった電磁砲レールガンである。込めた魔力の属性によって、刃の色が変化する。

【魔力圧縮】

自らに込められた魔力を圧縮する。

【魔力小増幅】

魔力が込められている状態かつ、放出されていないときにのみ発動可能。最大で一・三倍ほどまで増幅可能。

【魔力放出】

圧縮した魔力をレーザー状に放出する。放出時間、威力は魔力量に、属性は込めた魔力にそれぞれ依存する。

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