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銀治「いとこのいとこ……?」

前回のあらすじ:銀髪美少女三人組!(一人男の娘)

「でもさ……」


 しゃがんでいたミハイルが頭を押さえながら立ち上がり呟いた。


「彩芽も彩香もギン君と知り合いだったんだねー♪ ちょっと驚いたよー♪」

「そうなんだよー、……なんたって銀治は彩芽の白パンに顔を埋め――グフッ……」


 彩芽の迷い一つない、無駄な動作が一切ない頭突きが彩香の顎にヒットした。

 よろけて彩香がノックダウンッ!


「その話すんなバカ!」

「えー♪ その話聞きたいー♪」


 再び頬ずりしようとするミハイルの顔を彩芽が片手で押し返す。


「ミー君も抱きついてくんなっ! 鬱陶しいっ!」


 あれ、そういえばさっき、


『彩芽も彩香もギン君と知り合いだったんだね』

『ミー君も銀治と知り合いだったんだね』


 って言ってたよな……。


『も』


 ……とはつまり?


「あの、すごい今更なんですけど質問いいですか」

「なにっ!」


 抱きつかれまいとミハイルの顔を押さえたまま、彩芽が怒った口調で返事をした。


「彩芽さんや彩香さんとこいつって知り合いなんですか……?」

「知り合いも何もいとこだけど……」

「……え?」

「私のお母さんの妹の子ども……つまり親戚よ」

「……」


 俺の父の兄がミハイルの親で、父の兄の嫁さんの妹が銀髪姉妹の親……?


「あぁっ! もういつまでベタベタすんな!」

「だってさー、彩芽も全然会えてなかったじゃんか~♪ その分の補填だよ♪」

「何の補填なのよ……」


 つまり、俺と銀髪姉妹はいとこのいとこ……?


「銀……銀治はなんで固まってんのよ……」

「いや、その……」

「うん?」


 なんと言えばいいのか悩んでいると、押されていたミハイルが諦めてこちらに一歩下がった。


「彩芽も恥ずかしがりだよねー」

「うっさいっ」

「ムフフー……」


 ああ、通りでこの笑い方聞いたと思えばそういう事だったのか。


「ならばギン君に抱きつくまでっ!」


 振り向きこちらに飛び込んでくるミハイル。


「え――」


 片足を後ろに退いたものの、咄嗟の出来事に反応しきれずに抱きつかれた。


「なっ!」


 声を上げたのは彩芽。

 腰の辺りに足を巻かれ、首に腕を巻かれて頬ずりされる俺……。


「ギンくーん♪」

「……」

「ミー君、銀治から離れなさいぃい!」


 彩芽がミハイルを引き離そうと服を引っ張る。


「やだー♪」

「やだー、じゃないっ!」

「……」


 ミハイルの頬ずりよりも、今は俺にとって銀髪姉妹が「いとこのいとこ」だという真実に驚いて動けない……。いや、実質他人、赤の他人なんだが、無性にテンションが上がる。


「このっ……離れろぉ……!」


 必死に服を伸ばす彩芽と、頬ずりを一旦止めて目の前に現れたミハイルの顔。


「あれ、ギン君どしたの?」

「……」

「そんなに見つめられたら照れちゃう♪」


 ミハイルが頬を染めて巻き付けていた両手を放した瞬間――


「はわわっ!」


 彩芽に引っ張られていたこともあり、足の力だけでは耐え切れなくなったミハイルがバランスを崩して落ちていく。


「へ……?」


 彩芽も急に迫りくるミハイルの背中に焦っていた。


「ちょ、ミー君っ――うっ……」


 ミハイルの背中が彩芽にぶつかる。彩芽がなんとかキャッチするも、バランスを崩して後ろに倒れ込んでいく。


「もー……彩芽の頭突き痛いんだからさー……、うん?」


 復活した彩香の目前に銀髪美少女二人組が降りかかる。


「え? ま、待っ――」


 銀髪姉妹と銀髪男の娘が一ヵ所に……ああ、なんと美しい光景だろうか……。


「「「うっ……」」」


 三人がぶつけた衝撃に同時に声を漏らした。


 彩香の胸に顔を沈めながらその胸を鷲掴みにする彩芽。彩香の足の間でM字のように足を曲げて開くミハイル。彩香は彩香で玄関の扉に頭を打ち付けてはいるが、なぜか満足げにしている。

 眼前に広がるこれはもう天国としか言いようがない。いや、もはや絵画だな……。


「いてて……。って、ギン君どこ見てるのさー♪ 目つきがえっちぃ♪」

「い、いや……なにも、なにも見てないぞ……」


 股の間に両腕を挟み込んで見上げるミハイルの仕草に思わず目が泳いでしまう。


「ちょっと、ミー君さっさとどきなさいよっ……彩香の胸に溺れる……」


 彩芽がジタバタと彩香の胸の上で泳いでいる。


「私は大歓迎だよー♪ むぎゅー♪」

「うっ……し、死ぬっ……死んじゃうっ……」

「くっ……なんて素晴らしい光景なんだ……」


 カッと目を見開き、銀髪姉妹の素敵な姿を脳内メモリーに保存していた時、彩香が何かを思い出したようにハッとした。


「あ、そうだ!」

「ん?」


 この状況で何を言うつもりなんだろうか。


「銀治がお昼に彩芽を助けてくれたって聞いてさ、ご飯を作ってあげようって彩芽がっ――」

「わぁああああ! 喋んな! それ以上喋んな!」

「もごむごむももむもう……」


 ムキになって彩香の口を両手で押さえ込む彩芽。

 手前に居たミハイルがスッと立ち上がり、自然な動作で腕にくっついてきた。


「ムフフー、楽しそうだね♪」

「そうだな――」


 見上げてくるミハイルが可愛……。あ、危ない……意識が……。


「それ以上言ったら殺す! 絶対殺す!」

「もんまももみっまっめままま……」


 口元を塞がれてもしっかりと鼻呼吸している彩香が何かを喋っているが、全く分からない……。


「ムフフー♪ スリスリ~♪」


 こいつは一旦放置しよう……。


「それでご飯って……」


 彩芽に問いかけてみる。


「えっ⁉ いや、そんなご飯とかそういうんじゃなくて単純にあれよ、一人でどうせまともにご飯食べてないかもしれないからお礼も兼ねてご飯でも食べに行こうかってただそれだけっ! ただそれだけよっ!」


 銀髪姉妹とご飯……だとっ⁉


「喜んで行かせて頂きます」


 目を開いて少し驚いた彩芽の表情。


「え、ええ! 来てもらわなきゃ困るもん! 当たり前じゃない!」


 時々可愛く「もん」とか言う幼さがなんとも愛くるしい……。


「なによ……!」

「やっぱり可愛いなと……」


 あ、また本音が漏れ――


「なっ……!」


 顔を真っ赤にしてあわあわとしだす彩芽。


「えー、ギン君ズルいー! ボクはボクはー? 可愛いかなー♪」

「お前は男だろがっ……離れろ……離れるんだ……」


 銀髪姉妹に並ぶとミハイルまで銀髪美少女の仲間入りをしてしまうから危ないんだ……。



 ――銀治を含めた四人はこうしてファミレスへと向かった。

第五話これにて終了!


次回は「ファミレスにて」的なタイトルか、その後から始めます。

8万字と超えたので、毎日更新は少し休憩させて頂きますm(_ _)m

週1~3程度で投稿していけたらなと思います。


作者のやる気であるガソリンが切れそうなのでしばしお時間をください……。

ここまで読んでくださった方々ありがとうございます!

引き続き、銀髪美少女待ってくれる方が居ればいいな。。。(;´Д`)

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