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戦乙女 ヴァルキリー  作者: 饅頭
ダブルエピソード
8/21

0-1 愛奈

 2020年、突如として一人の女性が行くへ不明になった。

 その女性は2月25日土曜日に自宅のコンビニ内で消えたという。

 コンビニの防犯カメラには女性が入店した後にコンビニから出ていく姿はとらえていなかった。

 この怪奇的な現象に世間は様々な声をあげた。

 大抵行くへ不明等の事件は早くて数日程度で人の記憶から消えていくもの。

 だがその数日後の2月29日に新たなる行くへ不明者が出た。

 行くへ不明になったのはまたもや女性。

 その女性は防犯カメラの目の前で突如として消えたという。

 その後世界中で一カ月に少なくて2人、多くて5人以上の行くへ不明者が出た。

 そしてやはりその全員が女性であった。

 事件は解決されないままその年の秋を迎えようとしている。

 

 「はあ。ああ、夏も終わってもう9月かあ」

 「りんな、しっかり勉強してるの?10月にはテストだし私たちも高校二年生で来年には三年生だよ。進路とか今から考えていても悪くないと思うよ」

 「進路か。相変わらず愛奈はまじめだね」

 「どうせりんなの事だから自分の突然と姿を消して行くへ不明者にならないかなとか考えてるんでしょ」

 「さすが愛奈、よくわかっていらっしゃる」

 「ほんとりんなは相変わらずだね」

 「そんな風に言っても見捨てない愛奈が好きだよ」

 「はいはい。いくらあげても何も出ませんよ」

 「あ、やばっ!昨日の国語の山田の宿題やってない。急いで学校でやらないと」

 「あんた、山田先生の授業一時間目だよ」

 「愛奈!」

 「何?」

 「宿題見せて!」

 「あんた、別にいいけど宿題回収までにやってね」

 「わーってるって」


 「山田の野郎。別にたたくことないじゃん」

 「ドンマイ。にしても珍しくあいつはやく来たね」

 「しかも二限英語とかマジやってらんないんですけど!はあ、なんかもう消えてしまいたいな」

 「あんたはまたそんなこと言って」

 「もう少し将来考えて過ごしなよ」

 「あんたは私の母親かよ」

 「いや、それは勘弁ね。死んでも嫌だわ」

 「おい、マジレスするなって、私しまいにゃ泣くからね!」

 「・・・見たいかも」

 「お前鬼かなんかなんじゃい」

 「鬼とは失敬なって、もう授業が、りんなは上の第3講義室でしょ。遅刻するよ」

 「授業遅刻はあまりよろしくないってことでまた後で」

 「走って転ばないようにね」

 「大丈夫って、わーっと!いってええええええええ!」

 どうやら階段を上る途中で踏み外して脛に段差があたり悶絶しているご様子。

 「全く何やってんだか」

 その後愛奈が再びりんなをみることはなかったという。

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