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戦乙女 ヴァルキリー  作者: 饅頭
ダブルエピソード
7/21

2-1 第2ラウンド開始

 「あ~。退屈ねー。もっと殺しあわないと。まだ3人しか死んでいなんて。これじゃあ飽きてしまうわね。さて仕方ないから更なる戦いの火種を送ってあげないとね。そうだ、折角だから貴方にも働いてもらうわよ。ルーク」

 「わかりました」

 

 要塞都市跡地にて。

 「あれ。朝?」

 「どのくらい気を失っていたか思い出せないけど。今は一旦あの人を探さないと」

 まだかすかな生き物の焦げたにおいが残る街を後にしてまだ一度も行ったことのない樹海の先を目指して歩み始める。

 

 それから約2時間後要塞都市跡地に二人組の戦乙女が通りかかる。

 一人は髪がまとめられてなくボサボサなロングといったとこだろう。

 髪色は大人しめの茶色見た目を一言で表すと博士。

 もう一人は整った髪質で単なるショートだ。

 髪色は赤く、見た目はお嬢様という感じだ。

 「なんですかこの匂い。真央さんは平気なんですか?」

 「まったくもって。葵さんはおおげさですね」

 「いや、私の反応が普通だと思うんですけど・・・」

 「そうですか。それにしてもこの悪臭の原因は生き物の焦げたにおいと人の内臓の独特なにおいとかあと・・・」

 「なに分析してるんですか!」

 「分析と研究こそが私の趣味なので」

 「そうですね。ええ。知ってましたよ」

 「にしてもこれは昨日の起きたものですね」

 「匂いが強いからですか?」

 「いえ、そこもありますが死体の状態から・・・」

 「ちょ!何触ってるんですか!バカなんですか罰当たりますよ」

 「あなたは何を言っているんですか?」

 「ああ、もういいですはい。どうぞお好きなように触ったり解剖したりしていてください」

 「え?勝手に死体解剖するとか、どうかと思うのですが?」

 「えーーーーーーーーー」

 そんな気が抜けたような声を無視するようにしてすたすたと奥へ進んでいく。

 「いつまでそこにいるのですか?」

 「ああはいはい。わかりました行きますよ」

 「・・・」

 「どうしたんですか?私の顔に何かついてますか?」

 「返事は一回だと小学校で習わなかったのですか?」

 多分この言葉に悪気はないのだろうと怒りを抑える葵であった。

 

 「やはり地下室はあったか」

 「誰もいませんよね」

 「何を当たり前のことを言っているのだ」

 地下室と言ってもそこは地下に広がるだだっ広い空間といくつかの通路。

 最重要情報などの入手は期待できないといっていいだろう。

 「小さなことでも見落とさないこと」

 「わかってますって」

 「私はあちらを見てくる、葵さんは向こうをお願いしたい」

 「わかりましたよ。でもなにかあったらすぐ来てくださいね。私の天聖は援護型なので」

 「勿論です」

 葵は電気のスイッチをいじるが無論電気機器は完全に機能を停止しているためうんともすんともいわない。

 「にしてもこの地下空間寒すぎじゃない」

 「真央さんはよくこんなとこ平気ですね」

 「キャッ!何?」

 突然地下全体が地震でも起きたかのごとく揺れだすが、揺れはすぐに収まる。

 「この揺れ方・・・。地震じゃないとすると地上に何かいる」

 「おや、今の揺れは。多分葵さんは大丈夫でしょう。地上からですね」

 「あ、真央さん」

 「お、葵さんも、揺れの元凶のもとへ?」

 「そんなとこです」

 「そんなとこってどんなとこですか?」

 「・・・。日本語って難しいのね」

 「よくわかりませんが早いとこ元凶のもとへ行くのですよ」

 「多分敵はこちらに気づいている。神装を展開しますよ」

 「わかりました」

 「神装『アテナ』」

 「神装『セドナ』」

 真央の神装『アテナ』は聖騎士のような武装をし、葵の『セドナ』はウィッチのような武装をする。

 「私が先に突撃するので葵さんは援護を頼みます。天聖『メタトロン』」

 両手にグローブ状の天聖が展開される。

 「わかりました。天聖『ザドキエル』」

 葵の右手に一冊の古さを感じさせる本が展開される。

 真央は両手を指揮者のように降り始める。

 「カマイタチ」

 大きな爆発音とともに頭上を覆っていた壁が一瞬にして粉砕され大穴が開き外の光が流れ込む。

 「索敵」

 「真央さん、周囲に生命体あり、一人です。それと生命以外の何かがいます」

 「成程。敵がだいたい予想出来ました。いざ突撃するのです」

 二人は同時に地上に飛び出す。

 地上に出ると同時に大量の弾丸が接近してくる。

 「アウトゾーン」

 真央たちに弾丸は当たらず連鎖的に爆発していった。

 「今のはすこし驚きましたね。でも真正面からじゃ無意味ですよ。『固定砲台』さん。いえ、戦乙女『エリス』さん」

 「なぜ・・・わかった。確かお前たちは警戒度A」

 「あの、ずいぶん変わった覚え方ですね」

 「何を言っているのですか?とても覚えやすそうな覚え方だと私は定義します」

 「ああ、あなたもそっち側ですよね。ははは」

 「葵さん、気分でも悪いのですか?いきなり笑いだしたりしてとても心配です」

 「あ、いえ気にしないでください。全然大丈夫なので」

 「敵二体。迎撃開始。全戦車砲撃開始」

 「蜃気楼」

 すべての弾丸は二人を貫通していった。

 「すり抜けた?」

 「違いますね。貴方の前に最初から私たちはいなかっただけの事」

 上空からの声に反応した『エリス』は右腕を上にあげる。

 「天聖『ザバーニャ』」

 すぐさま狙いを定めて数発放つ。

 だがまともや弾は当たらない

 「あれも・・・偽物」

 気が付けば周囲全方位に真央の姿がある。

 「すでに・・・敵の術中。なら」

 戦車が『エリス』を中心にして全方位に発射体制で構える。

 「散弾型を装填。発射」

 何百発という弾丸が周囲に放たれる。

 だがすべての真央にヒットするがすべての真央を通り抜けていく。

 「本物はいない?」

 「とっととけりをつけてやるので有難く死んだほうが身のためです」

 「カマイタチ」

 あっという間に戦車の半分が粉々に吹き飛ぶ。

 「みえない・・・攻撃。対処方法を試行中」

 「答えが出ていた時にはあなたの敗北が決した時だと宣言しておきましょう」

 「真央さん飛ばしますね。でも本体がばれたら蜃気楼が解けてしまいますからね」

 「無論心配無用と言っておきましょう」

 「すでに『エリス』は完全に無力化されているといっても過言ではないですよ」

 そう言いながらキリキリという音を立てながら右手をゆっくりと閉じていく。

 閉じ切ったと同時に『エリス』を取り囲む戦車が一気に粉砕されたいく。

 「何処から攻撃を・・・今何か見えたような?・・・ワイヤー」

 「もう見破ったんですか。やりますね」

 「え、攻撃手段ばれてしまったんですか?」

 「そのようです」

 「それって勝てるんですか?」

 「勝算は落ちましたね」

 「でも相手の戦力もかなり削れたので負けることはまずないといっていいです」

 いまだ蜃気楼から抜け出せない『エリス』はただただ動かずじっとしていた。

 

 場所は変わってここは樹海の中の山を削って作られた洞穴の中。

 「今日は本当にありがとうございます」

 「気にしないで。困ったときはお互い様」

 「にしてもさっきは死ぬかと思ったよ」

 「この辺であいつにみつかったら夜は樹海の外にまた出るしかなくなるから、私が通りかかれて良かった」

 薄暗い洞穴にいるのは一人は樹海の先にある大地へ向かっているりんなとその途中で出くわした一人の戦乙女、名を佐々木ゆうき。

 髪型は左右非対称なショートカットに、髪色は黒く瞳は赤い。

 りんなは先ほど樹海にて魔獣と出くわしたところをゆうきに助けられてこのまま夜を明かすのはまずいとのことで地形にうまく隠れた洞穴にかくまってもらっているという状況だ。

 「質問。えっとりんなはどうして樹海を横断しているの?」

 「樹海の先にいる私が今唯一頼れる人かな?」

 親友を失い自分のこの世界での故郷を失ったりんなに唯一すがることのできる場所は樹海を超えた先にいる『情報屋』花梨だけとなった。

 「樹海を超えるのは簡単そうでかなりきつい。多分普段から樹海で暮らしていないりんなには難しいと思う」

 「そうは言っても私は今よりもっと力をつけなきゃいけない理由がある」

 「なら、樹海を簡単に横断できるようになるまでの間私がりんなを鍛えるって言うのはどうかな?」

 「え、でも迷惑とか」

 「迷惑ではない!私はその今までここで一人でいて寂しかった。でもりんながここを通りかかってだからそのわからない」

 「わからないか・・・。えっといいよ。鍛えてくれるっていうなら願ったり叶ったりだし」

 その返答にゆうきは顔を少し赤らめながらとても嬉しそうに笑う。

 「これからよろしく」

 そう言いながら右手を突き出してくる。

 それに返すようにりんなは自分の拳をゆうきの拳に軽くあてる。

 

 場所は戻り要塞跡地。

 「真央さん、この状況結構やばくないですか」

 「打開策は用意してあります。策は4つ」

 「やっぱなにも・・・4つも!?」

 「なぜ驚くのです?二桁以上の打開策がないなんてほぼ積んでいる状況です」

 「ああ、はい。じゃあ一番有効なやつでお願いします」

 「別に良いですが、最も最善の手という事だけなので有効というものではないといえますかね」

 「それで構いませんので。で、どのような作戦なのですか?」

 「そうですね作戦名としては、お腹がすいたら家に帰ろう作戦で」

 「センスのかけらもない作戦名すぎて気が抜けそうですよ」

 「作戦名は重要ではないでよ」

 「そうですか、ならなんで作戦名考えたのですか」

 「葵さん、そんな当たり前のことを聞くだけの人生で楽しいですか?」

 「(# ゜Д゜)」

 「眉間にしわ何て寄せていないで作戦を聞いて下さい」

 「腑に落ちないけどわかった」

 「まず葵さんの蜃気楼で・・・」

 一方で『エリス』は二人の位置を探すかのように四方八方に弾丸を飛ばし続けている。

 「なかなか、当たらない。戦車も壊された・・・」

 背後に気配を感じ振り向くと同時に発砲する。

 「また、偽物」

 「カマイタチ」

 スパンという音とともに『エリス』の顔に大量の血が降りかかる。

 「これは・・・腕を持ってかれた」

 「葵さんとっととずらかりますよ」

 真央の声と同時に蜃気楼によって用意しておいた残像とともに街の外へと逃げだす。

 「逃がさない」

 乱射するが片腕がなくったために市制が安定しないため弾丸はすべてむこうの空へと飛んでいく。

 「・・・。逃げられた。腕取れたって教えに行かないと」

 出血の量が多すぎたためにその場に倒れこむ。

 「動けない・・・」

 『エリス』瀕死状態。

 「この辺りまで逃げれば腕もちぎったので問題ないでしょう」

 「何も腕までちぎらなくても、おかげでsun値がピンチです」

 「混沌トークは誰にも見られていない場所でしてください」

 「いや、そういう事を言うほうが問題ありかと」

 「?理解に苦しみます」

 「あ、そうですか」

 「それで真央さん。収穫はあったんですか?」

 「当然ですが、もしや葵さんはあれだけの時間がありながら何も収穫なしとは言いませんよね?」

 「すいません。何もないです」

 「葵さんは何をしにあそこに行ったのかわかりませんね」

 「うっ、そこまで言うならば真央さんはなにかそこまでの収穫だったというのですか」

 「勿論。なんせ私が見つけたのは『カーリー』一行の次なる目的地が記載された作戦用紙です」

 そう言って一枚の紙を見せる。

 「多分この紙は本物の写しです」

 「あの短時間で何処から」

 「そんなもの床に落ちていたからですよ」

 「あ、そうですか。だいたい予想出来てましたけど」

 「それで真央さんはなんでそんなものを」

 「あの戦艦を落としたいと思ったですよ」

 「ははは、いつもになく今回もとてつもない理由ですね」

 「探究者たるもの調査し破壊し奪い、そんなとこですが」

 日も落ちてきて赤い満月の光が大地を覆う。


 ガコン!

 重工音とともに黄金色に光る薬莢が宙に舞う。

 「はぁ、はぁ」

 近代的な高層ビルが立ち並ぶここはいくつか存在する無人の都市のひとつ。

 その都市の名を『ゼロ都市』と言われている。

 「残り弾数5発」

 そのビル群の中で最も背の高いビルの屋上に一人SRスナイパーライフルを構えた戦乙女が一人。

 彼女の名を堀井奈央、髪型は片目が隠れるショート、髪色は白銀、瞳は水色。

 見た目の印象は一言で言うと冷酷。

 使用する神装は『ヘカテー』、天聖は『カイメラ』。

 神装の見た目は迷彩服、天聖はSR。

 「このままだとらちが明かない」

 「スキャン」

 右手を地面に触れると同時に一瞬にして半径2キロの生命反応を探る。

 「敵は、移動中。まだこちらには気づいていない。その他に生命反応なしと」

 「敵との距離は約1.251キロメートル。障害物がかなりじゃまだけど届く距離」

 「このくらいかな」

 そう言ってスコープを覗く。

 「見つけた」

 奈央の持っているSRのスコープは普通のものと違い天聖なので自分の好きな距離の場所が見える。

 簡単に言って透視状態にある。

 スコープに映るのは白衣姿に白衣の下に着ているパーカーのフードを深くかぶる正体不明の人間。

 「今度こそあてる!」

 引き金にそっと指を添える。

 一瞬にしてすべての音が奈央の耳から消える。

 「貫通弾」

 貫通弾はもともと誰でも使える基本魔法であらゆるものを簡単に貫通する魔法弾を放つ技だ、奈央はその効果を自分の弾に込めることができる。

 サイレント付きのSRから静かに放たれし銀色の弾は障害物のビルを突き破り軌道を変えることなく敵を打ち抜いた・・・と思われた。

 「また消えた。場所がばれる前に移動」

 「ジャンプ」

 左手を握るとともに瞬時に約330メートルほど先のビルの屋上に移動する。

 すぐさまSRを構えなおす。

 「今度は何処に」

 「後ろさ」

 「‼」

 「ジャンプ」

 目の前のビル内へ逃走する。

 「この中なら入ってこれない」

 「一瞬にしてビルの中に」

 「その能力」

 「なっ!」

 その人間は奈央と同じように瞬間的にビル内へ移動する。

 「その君の能力。視界に入る場所に瞬時に移動するものだね」

 「お前、何者。戦乙女じゃないのは分かっている。そしてあんたが女ではなく男だという事も!」

 そう言われると男はフードをとる、顔の見た目は目元までかかるほどの長さの黒い髪の毛に赤い瞳。

 「つまり君はこう聞きたいんだね。なぜ戦乙女でない者が力を使っているか。なぜこの世界の人間ではない男がいるのか?と」

 「その通りよ。そして私の推測だと、あなたがこの世界に私たちを呼んだ張本人」

 「んー。10点・・・ってとこかな。確かにこの世界に元の世界、君たちが暮らしていた世界より連れてきた者の関係者だが、張本人ではない」

 「つまり、あんた意外にも張本人含めてこの世界に送ってきた人間がいるって事?」

 「全くもってビンゴだ。最近の子はアニメや漫画などの影響でこういう事に限っては察しがいいな。だが知られたことはたいした問題ではない。どうせいつかは知られていとこと。そもそもの話何者かの意図なくこのような異世界に突然人が転移させられるわけがなかろう」

 「それで、突然現れて何の用?」

 「簡単なことだ。現在この世界に来た元人間、戦乙女は115人。そして死亡したのは3人。残り戦乙女112人。余りに多すぎる早いとこ二桁まで晴らすという算段だ」

 「おいちょっと待った。今元人間って」

 「当り前だろ。すでに人間なわけがない驚くことのほどでもない」

 「それで、私をまずは消しに?」

 「特に順番はないがユグドラシルにリンクしたときに偶然このビル群に召喚されただけの話」

 「ジャンプ」

 屋内で戦闘したら確実に負けるという判断をして窓から見える車のような何かの後ろへと移動する。

 「無駄の時間を過ごしたな。瞬殺するか、アシストを解除。神装『ロキ』。コードネーム01戦闘宣言」

 [コードネーム01、戦闘を許可します]

 コードネームを01と名乗った男の耳につけてある小型のインカムより機械的な女性の声が発声する。

 白衣とパーカーが一瞬のうちに消えフードつきの白いローブに身をまとう。

 「さっきまでんお瞬間移動とかはアシストによるものだから使えないけど朝日が昇る前に殺すことは簡単だし、少し遊んであげようかな。これからの準備運動もかねて」

 「あれは、神装!戦乙女じゃないのに」

 「さて、まずは軽く驚いてもらったことだし彼女がどれだけできるか」

 ローブの内ポケットから指輪を一つとりだして左手にはめる。

 指輪には『体』と彫られている。

 「身体能力強化」

 指輪を中心にオレンジ色の魔方陣が展開されるとともに01の体が青白く光る。

 デコピンで強化窓ガラスを粉砕する。

 「さて、どこに行ったかな」

 「魔力開放」

 右目に魔方陣が描かれる。

 「これで常時魔力も回復できる。そして魔力を持つ者をオーラとしてみる事が出来る」

 ガコン!

 薬莢が地面に落ちるが早いか引き金を引くが早いか銀の弾は1ミリの狂いもなくまっすぐ01の額目掛けて発砲される。

 「遅いな」

 首をかしげて弾をよける。

 「魔法の効力が切れるまで4分34秒」

 「SRの弾をこの距離で交わした!?」

 「残り弾数は3発」

 「あそこか。感度はこちらから仕掛けてやる」

 『体』と彫られた指輪を外して別の指輪を二つ取り出す。

 片方は右手にもう片方は左手に、右手にはめた方には『雷』左手にはめた方には『射』と彫られている。

 「二重魔法ダブルマジック、エレクトリックショット」

 ズキュンという音とともに雷の弾が放たれる。

 「ジャンプ」

 間一髪で上空に移動する。

 「ジャンプ」

 そして01より約2キロ離れた場所に移動する。

 「奴も移動しているはず、もう一回場所を調べないと」

 「スキャン」

 「なっ!わたしとの距離、既に1キロを切った!なんて速さ」

 すぐさまSRを構えてスコープを覗く。

 「ばかな!走って向かってくる。これ以上後ろに逃げるとこの都市の外に出る。しかもこっち側は砂漠」

 ガコン!

 「残り弾数はこの一発を含めて3発」

 「貫通弾」

 「高速弾」

 高速弾も、貫通弾同じくデフォルトの魔法。

 目に留まらぬ速さの弾丸が放たれると同時にすでに弾は01との距離1メートルを切る。

 「エレクトリック」

 『雷』と彫られた指輪から01を覆うように雷の膜が張られる。

 銀の弾は雷の膜に当たって塵へと化す。

 「『雷』のリングの特徴は硬化。最大級の硬さを誇る」

 すでに01は奈央の目の前にいた。

 「ジャンプ」

 「今度は何処に逃げた」

 都市中を見回す、しかし奈央の魔力のオーラは見えない。

 「どこ行きやがった」

 「‼」

 上からの殺気に気づき横に大きく飛び攻撃を回避する。

 「あと一瞬遅かったら危なかった」

 「ちっ!あと・・・1発」

 ガコン!

 「ジャンプ」

 薬莢のみのこしてバスのような物の中に移動する。

 「にしても、この都市。少し建物が鬱陶しいな」

 両手の指輪をとってまた別の指輪を取り出す。

 「身体能力強化の効力切れまであと3分ってとこか」

 『火』の彫られた指輪を右手に『射』『範』と彫られた指輪を左手にはめる。

 「三重魔法トリプルマジック、フレアショットインパクト」

 遠くに放たれた火の弾は着弾点で巨大な爆発を起こし都市の4分の1を消滅させる。

 「これで大分すっきりした」

 「なにあれ。めちゃくちゃじゃない」

 「最後の弾を正面からぶちかます」

 「さて、そろそろとどめでも刺そうかな。彼女はこれ以上ネタがないようだしね」

 「ジャンプ」

 01の背後に移動し引き金を引く。


・現在の戦乙女の数 112体

・死亡戦乙女の数   3体

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