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戦乙女 ヴァルキリー  作者: 饅頭
神堕ち
13/21

3-1 ヴァルキリーVS喰らう者

 戦艦のでの戦いは次の日の日の出に決着がついた。

 戦艦側は部下全員死亡、第2幹部、第3幹部死亡他逃走。

 対して死守側は千賀原葵が死亡。

 

 雪山を歩く人影が一つ。

 この地帯は延々と雪が降り続けやむことはない。

 歩いてきた足跡さえ振り返ればすでに消えている。

 「この辺でいいかな。とりあえず50切るまでは隠居しとかないとね」

 桐谷花梨、神装『ルナサリィ』天聖『ルシファー』。

 現在10の指に入る最強の戦乙女の一人。

 現在片桐明日香とは別行動中。

 持ってきたスコップで斜面の雪を掘り簡易的な鎌倉を作り上げる。

 「これで寒さはしのげる。普通の事じゃ死なないからだだけど流石に寒いっちゃ寒いし。他の戦乙女には悪いけど皆にはもっと殺しあってもらうように動かさないとね」

 「殲滅する者。そして謎の男、いや組織。この世界に送り込んだのは後者、そして送り込まれた私たち元人間を殺しにかかってきたのは前者。まずは人数を減らす全員は助けられない」

 「戦艦戦ではしっかりと横やりは入れてきた。奴もそろそろ動き出すころだろうし適当に何人かを反転させるか」


 場所は変わり樹海の洞穴前にて。

 「おはよう」

 「いつまで寝てるんだい?とっくに日は登ってるよ」

 「今何時?」

 「朝の7時」

 「ゆうき起きるの早すぎ」

 「りんなが起きるの遅すぎだとおもんだけどな」

 洞穴からあくびしながら出てきたのは稲上りんな。

 神装『ヴァルキリー』天聖『ジブリール』『ミーカール』。

 樹海にみのる果実を砲ばっているのは佐々木ゆうき。

 神装『ヴェルザンディ』天聖『サンダルフォン』。

 佐々木ゆうきは10の指に入る強者の一人だがそれを認知しているのは桐谷花梨と稲上りんな、NO.1と言われている戦乙女のみ。

 「今日はどうすんの?週一の休憩日だけど」

 「暇だし歩いて町まで行こうかな」

 「歩いていくの?結構距離あるよ」

 「これも修行のうちだと思えば?」

 「わかったよ歩くよ歩きますよ」

 「じゃ、さっそく出発ね」

 「りょうかーい」


 湖を囲うように作られた町『マクス』。

 「疲れた。まさか本当に歩いてくるとは思ってなかった。もう11時だよ」

 「まだまだあまいね。そんなんじゃ到底暴走状態の自由化は望めないわね」

 「反転だけ使えればいいんですぅ。そういえばさ聞きたいことが」

 「後にして、とりあえず個室でご飯の食べれる居酒屋を探すよ」

 「え、私飲めないよ」

 「別に飲まないけど個室の方が安全なんだよ」

 マクスの町で裏路地にある居酒屋の一つに足を踏み入れ予定通り個室に案内してもらう。

 「それでさっき言ってた聞きたいことは?」

 「10の指に入る強者についてかな」

 「とりあえず私の解る範囲なら教えられるよ。それで構わない?」

 「うん。大丈夫」

 「10の指に入る強者。それに今は言っているのは私と桐谷花梨、NO.1、椎名弦、有栖川輪禍、残り五人はいないわ」

 「花梨って強いの?」

 「あれは猫かぶり。なんせ彼女の性質は時間。最強の神装の一つ。確か私の見解が正しければすでに覚醒まで達しててもおかしくないわね」

 「覚醒?」

 「あれ、言わなかったけ?暴走のうえ。完全なる力の行使覚醒状態」

 「初耳なんだけど」

 「覚醒は天聖の完全状態と神装のフルパワー状態。覚醒が通常状態の戦乙女に技を繰り出そうものなら一撃死するほど最恐」

 「無敵じゃん」

 「今のところ覚醒状態が最恐ね。ハイリスクハイリターンの能力だけどね。一定時間以上使用すると使用者本人の四肢がもげて爆散死するね」

 「ところで10の強者にはどうやったら入れるの?」

 「簡単だよ。方法は三つあってねまず一つはいまいる強者たち全員に己の強さを知らしめる。次に強者を倒してその座を手にする。最後に強者の弟子としてもう一人の強者より実力を認められた時」

 「なら私は最後ので行こうかな」

 「強者にはならない方がいいよ。いろいろ厄介だと思うから」

 「でも私は強くいたいから」

 「ま、とめないけどね」

 「だろうね。私はね最も強くなって誰かを守れるようになりたいからさ」

 「それはいい心がけだけど暴走状態に飲み込まれているようじゃまだまだ道は長いね」

 

 爆発音とともに膨大な雪が空に舞う。

 雪山には二つの影がある。

 片方はこの世界に三番目に異世界入りした戦乙女。

 もう一方は謎の男。

 「まったくやれやれ。そんな攻撃はアシスト状態の私には無害だ」

 「どうなってる。生身の人間なら体の一部は吹き飛ぶように作ってるぞ」

 「その自作の武器はほめてやろう。だが戦乙女の力を使わず私と渡り合おうなど片腹痛い」

 「なら望み通りに吹き飛ばしてあげるよ」

 「神装『アスタルテ』天聖『ジョーカー』」

 忍者のような装備を展開させる。

 「『アスタルテ』か、貴様は三番目に飛ばした人間、加佐見代美だな」

 「名前ばれしてるってことは異世界入りさせた人間もしくは関係者か」

 「ほう。後者が正解だ。私は02と呼ばれている。最も慢心な男ともよばれるなあ。貴様も慢心であるのは分かっている。慢心なもの同士より自分の勝利の確実さを信じ戦いたいという物だ」

 「そして、相手が私を敵とみなして挑むというなら私も敵とみなし戦おう。アシスト解除!神装『ラー』」

 02を光り輝く炎が包む。

 「さて、闘争をはじめよう」

 「瞬殺して終わらせてあげるよ」

 代美は右腕をまっすぐ伸ばして中指をまげてデコピンの構えをとる。

 左手で右の手首を抑え左の親指で狙いを02に定める。

 「右手へのエネルギー伝達率を標準の5%に、電磁砲」

 右手に電流が走りそれは中指に収縮、指をはじき電撃を放つ。

 「そんなものじゃ、倒せない」

 02が左手で拳をつくり手の甲で電撃を相殺させる。

 「今度はこちらの番」

 今度は右で拳を作りその拳でそこに壁でもあるかのように大気を殴る。

 大気中に亀裂が走る音がし、爆音とともに02の前方が吹き飛ばされる。

 「8%電磁砲」

 衝撃を電撃で相殺。

 「さっきの言葉そのまま返すけど」

 「面白い。さあ次は何をする」

 「貴様を殺す」

 ニッと笑い腰を落とす、全身に電流が走り出す。

 「全身へのエネルギー伝達率を7%に」

 目に留まらぬ速さで地面をかけて02の背中をとる。

 「吹き飛べ」

 「遅いぞ」

 02の体が光りだして高熱とともに黄金の炎を放ちだす。

 「エクスプロージョン」

 02を中心とした大爆発を引き起こす。

 地面はえぐれて巨大なクレーターが出来る。

 「そんな速さしか出せないとは期待外れだな」

 「どんな速さが期待通り?」

 「生きていたか。驚かないが、この世界で未だ反転できていない戦乙女はすぐに死んでゆく、いまの爆発はプラスのエネルギー、そして反転はマイナスの塊。反転になる瞬間の膨大なマイナスエネルギーで相殺させたか」

 「あんまり反転したくないのよね。赤い蒸気は神話度の消費。使った後はかなり疲れるし」

 「天聖が変わらないという事は成程。強化されていく感じだな」

 「少し本気出すよ。全身の常時エネルギー伝達率を15%に」

 「太陽はすべてを飲み込むもの。サンシャインモード」

 02の全身から黄金の炎に包まれる。

 「1時間。1時間で私は無敵状態へとなる」

 「見てみたいね。だけどこっちはやりたいことがあるからとっとと終わらせてやる」

 電流をまとい再び背後をとる。

 「30%連射電磁砲」

 無数の残像さえ見える速さで拳とともに電撃が02の背中へと放たれてゆく。

 だがそれらは02の体を貫通していく。

 「くそ」

 すぐさま02との距離を置く。

 「そういう攻撃はすべて吸収、貫通されるんだよ」

 「いかなる攻撃も通さないってのはない。あれを使えばいけるか。無実体の天聖や神装に通用する状態なら」

 お互いに仕掛けていこうとしたとき大地が揺れた。

 「新手?」

 「近くには戦乙女の反応はないな。とすると」

 地面が避けて地中より赤い服に白く長い毛と大きな袋を抱えた巨人が現れた。

 「でっかいサンタクロース!?」

 「あれは聖獣。サンタか。ここの地下には聖域、遺跡があるな」

 サンタは巨大な眼光で代美と02をにらみつける。

 「!!!!!!!!!!!!!!!」

 言葉にならない雄たけびを上げる。

 「ち、出し惜しみしてると死ぬわねこれもう一段あげるか」

 全身から放出される蒸気を抑え魔力を無理やり爆発的に放出させて黒いオーラを放つ。

 「暴走状態のコントロール、結構厳しいなぁ。普通コントロール不可能なのを無理やり意識保って使ってるんだ。どれくらい耐えればいいかはまだはっきりしてないけどこの状態の維持を数分か数十分することにより限界状態への到達、覚醒」

 「あやつ何をつぶやいて、なぜ自ら暴走状態へ?もしや覚醒に到達している。危険因子は見つけ次第排除。こっちもすべてを把握しきれていないからな」

 「あの02を倒さないといけないことよりも今はあの聖獣」

 「暴走状態を抑えたいが聖獣は面倒だな。ふむ報告もかねて一旦引くしかあるまい。余り戦闘を激しくすると奴らを呼びかねない」

 サンタは上空に向かって咆哮を放つ。

 すぐさま上空を黒い雲が多いやがて雪が降り始めそれは吹雪へと変化する。

 「視界が、聖獣の力か、天候すら変えるなんてね」

 「これは、成程好機とみた。アシスト発動。直ちに箱舟への転送を」

 光とともにその場から02は消え去る。

 「逃げたか。今サンタのターゲットは私だな。覚醒になれば勝てないこともないはずだけど。ここで目立つとめんどうだ」

 電流を走らせ腰を落とす。

 「現状態最大限で逃げさせてもらう。全身のエネルギー伝達率を70%に設定」

 一秒足らずで吹雪の降り注ぐ範囲を抜けてそのまま海を走って横断、砂漠地帯で足を止めると同時に神装をとく。


 「おや、02早い戻りですね」

 「ほっとけ。朗報を届けに来た。そしたらノルマ分の仕事をしに行く」

 「早くしてもらえないか。あとがつかえる。私も暴れたいんだよ」

 「知った事か03」

 03と呼ばれた太った男を通り過ぎていく02は奥の部屋へと歩いていく。

 「02か、早かったな。ノルマ分の仕事はまだであろう。何しに来たんだ」

 「プリンセス。お伝えします。ユグドラシルの戦乙女たちの成長が想定よりはるかに速いです。すでに覚醒の段階まで至っているものさえ」

 「さすが我が右腕といったとこか。しかしこの速さは想定より早いな。まあいいだろ、向こうの事は彼女に任せておけば」

 「それと、奴等はどうされますか。聖獣をすでにユグドラシルへ送り込みだしたという事は此処がばれるのは時間の問題と考えますが」

 「奴らか、ばれたら叩き潰すまで、まずは例の最強の10人という確定された人数まで数を落としてもらわねばね。必要なコマはそれ以下としても。そうだ『神堕ち』はどのくらい出撃できる」

 「それは私の専門外だ後で04をよこす。ノルマが残っているから行かせてもらう」

 プリンセスと呼ばれた女性は02が退出していくのを眺めながら笑いをこらえる顔をする。

 「キヒヒヒヒヒヒ。今のとこすべてが順調。今に見ておけ、エデンの連中め、私を落としたことを公開させてやる!ふんぞり返っている貴様らをその椅子から叩き落して踏みにじってやる!私がこの数万年の歴史の中で何もしてきてないと思うなよ。再び世に人間に世界にエデン、ヘブン、ヘル、全ての世界に私を思い出させてやる!」


 満月が昇る夜、それは突如として二人の前に姿を現した。

 「あれが、殲滅する者。驚異の塊」

 「りんな。どうやら私たちはついてなかったらしい。まさか奴がピンポイントでここに出てくるなんてね」

 「でも今の私の実力を知るのにいい機会だよ」

 樹海の一部が吹き飛ばされて綺麗に丸裸になった大地に二人の影、稲上りんな、並びに佐々木ゆうき。

 二人の前に立つのは殲滅する者2番『喰らう者』。

 「生命反応を感知。任意コード実行。識別名殲滅する者2番『喰らう者』。魔装『ファング』」

 ショートラインのドレスが『喰らう者』に展開されていく。

 「神装『ヴァルキリー』」

 「神装『ヴェルザンディ』」

 りんなは紫と白のグラデーションのドレスに二対の翼が展開され、ゆうきは魔法少女の見た目の神装が展開されていく。

 「二名の戦乙女を感知。これらを排除対象として危険度Fに認定する。武装『第4魔獣』」

 『喰らう者』の右手に黒い実態の不安定な犬のような塊が出現する。

 その塊にはぎょろぎょろと動き続ける無数の目がうごめいている。

 「天聖『ジブリール』」

 「天聖『サンダルフォン』」

 りんなの右手には白く光り輝く剣が展開されゆうきには30センチほどの杖が展開される。

 「りんな。二刀流じゃなくていいのかい?」

 「こんな相手に剣一本で勝てなきゃ話にならないし」

 「ま、死ぬことはないよ。私がいる限り」

 「先手必勝!」

 翼を大きく広げ爆風とともに上空に舞い上がる。

 「よしきた!バフで援護するよ。腕力強化。速度強化。会心の一撃。エンチャントライト」

 ゆうきの使用する天聖『サンダルフォン』は他の天聖と違い攻撃のバリエーションが少ない。

 力の半分以上をバフにたけている希少な天聖。

 今りんなに付与されたバフは腕力の強化による攻撃の重さをあげて直線での速さを速度強化で引き上げさらに会心の一撃で一回だけ攻撃の火力を10倍にする、そして最後のバフの効果は属性の付与、今回は光の属性を付与させた。

 これらのバフは一定時間経過とともに失われる

 会心の一撃は一発のみで効果が切れる。

 「一発でとどめ刺してあげるよ」

 地上の『喰らう者』向かってまっすぐに降下、地面にそこの見えない大穴を開ける威力の爆撃の如く斬撃が『喰らう者』にクリティカルヒットする。

 「りんな!」

 「ゆうき!回避して!」

 「捕食」

 砂煙の中より最初にりんなが上空に飛び出していく。

 それを追うように黒い獣が車一台丸のみにできるほどの口を開けてりんなに迫るがすぐさま地上のゆうきにターゲットを変えて喰らいに来る。

 「後衛は殺させない。氷花」

 りんなが剣を振るい氷の斬撃を飛ばす。

 斬撃はゆうきの目の前に落とされる。

 地面に落ちた瞬間に氷の壁を作りあげそれに獣は激突する。

 そのすきにゆうきは空に飛びあげる。

 獣は煙の中に戻っていき代わりに煙の中から『喰らう者』が姿を現す。

 「ゆうき。あいつ攻撃の威力を食い殺した」

 「『喰らう者』。思ったより厄介かもよ。ここはあまり出し惜しみはせずに行くしかないようだね」

 「なら、天聖『ミーカール』」

 りんなの天聖の二つ目。

 なんの間違いかりんなだけ戦乙女で二つ天聖を持つ、二つの天聖を行使できるのは通常の状態のみ。

 りんなの左手に黒く輝く剣が展開される。

 「バフお願い」

 「了解。今りんなには腕力強化と速度強化、エンチャントライトがついてるから今つけるのは、よし。重量軽減、エンチャントボルト、エンチャントフレア」

 りんなの重量を半分軽減し速度強化と合わせて通常の10倍の速さを出せる。

 エンチャントの効果により基本の性質による氷に光の上に炎と雷が付与される。

 「りんな!来るよ」

 「わかってる」

 『喰らう者』が右手を突き出しながらりんな目がけて上空へと突っ込んでくる。

 先にゆうきが横へ回避しりんなは『喰らう者』に向かって突っ込んでいく。

 ぶつかるかぶつからないかギリギリで回避する。

 「氷花」

 氷の斬撃を振り向き際に放つ、それをいともたやすくくるりとよける。

 「対象一体、識別名『ヴァルキリー』の危険度をFからBに移行。能力部分開放Ⅱ」

 『喰らう者』の右腕にまとわりつく『第4魔獣』は一気に形を変えてその右手に収まるサイズまで収縮し、その形を一丁の銃へと変える。

 ズガン!という発砲音とともに初弾が放たれる。

 「遅いよ」

 放たれた弾丸を左手の黒い剣『ミーカール』で受け流すようにはじく。

 すぐさま銃口より5発の弾が発砲される。

 右、左、右、左そして右、全身を使い両手に握る剣を振るいすべての弾丸をはじき剣の届く距離まで詰める。

 右手に持つ白い剣『ジブリール』で切りつけにかかると銃の形状を剣へと変化させながら『喰らう者』も切りかかりに来る。

 幾度かの金属がぶつかる音。

 功を制したのは『喰らう者』二本の剣の間を滑る様にかいくぐり左手でりんなの腰に土渕を喰らわせる、そのまま回転しながら右手に持つ剣で切りつけにかかるもりんなはそれを両方の剣を交差させ威力を殺しながらも後ろへと吹き飛ばされる。

 「どんだけ強いんだよ。攻撃が重いし」

 「手伝うよ。バインド」

 見えない鎖が『喰らう者』を押さえつける。

 「サンキューゆうき。冷気開放」

 りんなの体の一部に霜が出現して全身から冷気があふれ出す。

 「アイスアクセル」

 高速で移動して『喰らう者』とすれ違いざまに10回以上切りつけ体の一部を凍らせる。

 だがすぐに『喰らう者』はバインドをとき体中の氷を砕く。

 「そう簡単にはいかないよね。これならどう?氷柱」

 右手の剣で『喰らう者』をしたから切り上げる、切り上げると同時に地面より雲の中にまで到達する氷の柱を生成させそこに閉じ込める。

 「砕けろ」

 左手の剣で『喰らう者』を抑えた部分の氷を真っ二つに切る。

 切ると同時に柱は跡形もなく砕けていくが、『喰らう者』は全くの無傷。

 「ここまでやってこれなら、天聖『ガブリエル』」

 右手の白い剣がしっかりとした形状を帯びていく。

 「これが『ジブリール』の真の姿『ガブリエル』」

 「これやると二本保ってられないんだよね」

 左手の黒い剣は『ガブリエル』が展開されていくと同時に収束されその場から消える。

 「りんな。もしやあれをやる気じゃないよね」

 「あれをやるつもりだし。ゆうきは基本は戦えないんだから下がって。巻き込んじゃうから」

 「まあまかせるよ」

 ゆうきはすぐに戦線を離脱してりんなの姿がギリギリで目視できる距離まで下がっていく。

 「対象の力の向上を探知危険度をAに指定、能力部分開放Ⅰ」

 黒い塊は『喰らう者』の両腕にまとわり巨大な手の見た目を催す。

 目は赤く光り円のをカル捕食者の目をする。

 「一瞬で終わらせてやる」

 ともに武器を構え空を切り数回ほど空中で切りつけあう。

 最初に決定打を打ったのはりんなだ。

 りんなが最低限の範囲で空中を動くことにより周囲の温度を徐々にマイナスに下げていく、同じように動いている『喰らう者』はその範囲内にいるため動きが鈍くなっていく。

 対してりんなは氷という性質のため速度は上がる一方。

 「おちろ。氷花」

 氷の斬撃ごと『喰らう者』は地面向かって真っ逆さまに落ちていく。

 追い打ちをかけにりんなは地面に突撃しに行く。

 ザシュッ。

 剣が生肉を貫く音がする。

 ザシュッ、ザシュッ。

 何回も何回も何回もりんなは『喰らう者』の心臓に剣を突き刺す。

 やがて『喰らう者』は完全に動かなくなる。

 だがまだ剣を指しては抜いてを繰り返す。

 「りんな。なにして」

 ゆうきがりんなの異常さに気づきりんな向かって突っ込んでいく。

 「ガッ」

 「痛ッ。何するの」

 「何してんのだよりんな。もうそれは死んだよ」

 「本当だ。ごめん」

 「まったくサイコパスタだよ。まあいいさ」

 無残な姿な『喰らう者』を眺めながらりんなに聞こえない程度の声でいった。

 「ゆうき。なんか聞こえない?」

 「何がさ」

 「いやね、風を切る音っていうか何かが落ちてくる音」

 「確かに。聞こえる、風を切る音」

 「聞こえるよね。これ殺したから何か来るって事」

 「りんな。上見て」

 二人が見上げた先には一人の少女が黄金に輝く剣を持って君臨していた。

 「あれ、戦乙女。りんなどうする。りんな?」

 「あれ、なんでいるの。そうだ私は忘れちゃいけない人。どうしているの」

 そこにいるのは最初の死亡者。

 そしてりんなの親友、愛奈。


・現在の戦乙女の数 96体

・死亡戦乙女の数  19体

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