王都へ
8月になり入学準備のため、
いよいよ王都へ向かう日が近づいてきた。
魔の森や海で稼ぎ、
街道整備と川の護岸は手伝わせてもらった
道ができれば開拓も進むだろう。
アメリア母様には少しお金を
わたしておいた
治療院と孤児院にも顔を出して
思えばこの世界に生まれて10年
慣れ親しんだ場所を離れる
まあ、転移できるけど、
そうしょっちゅう帰っては来ないだろう
出発の日がきた。
まずは馬車でレナシスへ
街道整備のおかげで一週間ほど
そして魔導飛行船で5日。
弟たちに泣かれたのはツラかったが
馬車の旅は初めてだ
乗り物酔いはしなかった
隊商の人と護衛の冒険者たちが一緒で
馬車3台
父様は王都に行ってきたばかりだし
セシリア母様も忙しいので
家族会議の結果
懇意にしている隊商の人にお願いして
こういう形になった
レナート辺境伯爵領地までは
最近盗賊の話もなく以前より安全な
旅になったらしい
野宿は初めての事だった
旅の間は護衛の人たちの指示に従う
冒険者5人みんな手馴れた感じで
火をおこしテントをはる
夕食は固めた保存食のようなものを
お湯で溶かしたスープとパン
味はちょっとアレだったけど
栄養は満点らしい。
食事が済むと
焚き火のまわりでお茶を飲みながら
商人さんや冒険者さんたちの話を聞く
テントは護衛の人たちが交代で休む
商人さんと部下のような人
御者の人たちは馬車の中で休む
私も馬車の中で毛布にくるまって
朝と昼は火を使わず
パンと燻製肉を食べる
一台目の馬車は護衛一人商人と部下
二台目は私と護衛二人
三台目は護衛二人
御者の人を合わせて11人
順調に旅を続け
護衛の冒険者さんに冒険の話を聞いたり
楽しい時間が過ぎていくお尻痛いけど
レナート辺境伯爵領地との境界
山脈の谷に入る前の夜
それはやって来た
護衛の人の声で目を覚まし
異変がおきたことに気がついた
盗賊のようだ。耳をすます
「抵抗しなきゃ命は取らねぇ」
信用できるわけないよ
探知で探ると近くの5人は護衛
範囲を広ければ盗賊10人
盗賊団と言えそう
包囲を狭めてきている
護衛と盗賊団の殺気を感じた
弓が射かけられた
はっとして馬車の扉を開け
飛び上がった。翔んだ
「馬車から出るなっ」
護衛の前に物理的な防御、馬車も覆う
ようにイメージする
魔法防御もイメージ
また弓が射かけられる
防御で弾いた。よし
「リーダー生かして捕らえますか?」
雷を範囲指定動物相手より強めに放つ
「お嬢ちゃんあんた
捕らえられれば上出来っ殺っちまっても
かまわん」
一撃でほとんど制圧した
残りは逃げる者も雷の洗礼を
受けてもらう
護衛の動きも素早く
弓で足を狙い
10分もかからなかった
あとは護衛が盗賊たちを
縄で縛り一ヶ所にまとめて転がす
護衛の一人が矢で傷を負っていたので
治癒をかける
盗賊たちも血の匂いで獣が来ないよう
治癒
あたりを洗浄しておく
「お嬢ちゃんあんた魔法使いさんか」
他の人たちも馬車から出てきた
幸い馬は矢がかすったくらいで無事
治癒をかけ、馬車に刺さった矢を抜き
焚き火を囲みお茶を飲む
「お嬢ちゃんアイツら賞金首の
盗賊団だ」
「そうなんですか?」
「お嬢ちゃんを狙ってたかも知れないな」
「魔法使いは貴重だからなぁしかも
まだ子供だ高く売れる」
「売られちゃうところだったんですか私」
「まあお嬢ちゃんが返り討ちにしちまった
けどな、ハハハ」
「私だけじゃ怖くて何もできなかったと
思いますけど」
「ハハハ、どうだかな」
強力な魔法使いは一軍にも匹敵すると、
教えてもらった。
夜が明けるまで休み
翌朝、盗賊たちをどうするか
大人たちが相談していた。
谷を抜ければレナート領の町があるそうで
結局盗賊たちは後ろ手に縛り数珠つなぎ
にして連れて行く。
何かしようとすれば容赦しないと
脅しておく
速度は落ちたが夕方には谷を抜けた
町に着いたら夜だったが
町の護衛さんに事情を説明すると
盗賊たちは連れて行かれた。
初めて宿屋に泊まる。
夕食はもう時間が遅く、
宿の食堂は終わっていた。
大人たちは近くの居酒屋に行った。
私は魔法の袋から干し肉とフルーツを
出して夕食代わりにした
久しぶりのベッドは嬉しかった
翌朝、窓から町を眺めると
レナート辺境伯爵領だけあって
マルノー家の町とは比べ物にならない
整備された町だ
顔を洗い朝食を摂り
馬車に乗る。ベッドで寝たので
元気だ
レナシスまで1日半ほどの予定
盗賊たちは町の牢屋でレナシス
からのお迎え待ち
護衛さんたちはレナシスまでの
契約なのでまだ一緒だ
途中の町でまた1泊して翌日の昼
とうとうレナシスに着いた
城壁に囲まれた街だ
城壁の入り口で衛兵のチェックを
受ける
馬車が街に入り宿屋の前に停まる
私はここで1泊し明日の飛行船に乗る
みんなにお礼と挨拶をして
馬車に手を振った
宿屋に入り父様の手紙を見せる
事前に連絡してあったので
明日の朝、飛行船乗り場まで案内も
してくれるそうだ
夕食まで時間があるので
街を見物する
まずは露店を覗き串焼きを食べてみる
美味しい。焼鳥とは違うけど
タレが甘辛くてイケる
大きな建物がたくさんある
[冒険者予備校]
そんなのあったんだ
[冒険者学校]
わあ、興味あるなあ
[冒険者ギルド]
うわぁ覗きたいけどやめとこう
街の中央には見ればわかる
立派な教会
商店の数も多い
おのぼりさんである
王都に行ったらどうなることやら
宿屋に帰って
夕食は魚料理がでた
レナート伯爵領には海があるんだった
そして、お風呂があった
宿と食事代は父様が支払い済みだったが
追加料金でお風呂に入れる
もちろん払った
屋敷にもお風呂はあったけど
薪を贅沢に使うのでたまにしか
使わない
魔法でお湯を沸かせば問題ないが
私が居なくなったら困るだろうから
少しのシャワーか洗浄魔法で済ませていた
お風呂日本人の記憶が求める
癒しの場所。髪を洗い身体を洗い
湯船へ意外にも木製だった
本当に遠くに来たものだ
まあ、まだこれからだけど
翌朝荷物を確認して
今までよりはマシな服に着替える
朝食はパンとベーコンエッグ
コーヒーのような飲み物も出た
宿屋の主人に挨拶をして
雇い人のような人に飛行船乗り場まで
案内してもらう
魔導飛行船。ゲームの世界で
空を駆けるあの飛行船
案内してくれた人にお礼を言って
あらためて見惚れる
あったんだこんなモノ
長生きはするもんだね違うか
父様が買ってくれていたチケットを
握って乗船場に向かう
ゲートでチケットを渡すとカードを
くれる銀色のカードだ
乗船してカードを見せると席に案内される
カードの種類で席が違うようだ
利用できる食堂もクラスごとに分かれている
個室なんかもあるらしい
きっと高級なんだろう
父様のおかげで少し良い席のようで
シャワー室も使えて食事も良さそう
飛行船は意外と揺れもなく
乗り物酔いの心配もない
空高く飛ぶわけでたまに空の魔物と
遭遇してしまうこともある
なので空中戦でも強い、魔術師が
護衛に何人か乗っている
こんな所にも魔術師の仕事がある
食事を楽しみシャワーも使い
父様に感謝しながら広い座席で
眠る。前世より贅沢な感じだ
翌朝爽やかに
ではなく騒がしさに目が覚めた
どうやら魔物に遭遇してしまった
ようだ
客室係の人たちがみんなに
シートベルトのようなものを着用する
ように慌ただしく説明している
空の魔物ってなんだろう?
山脈の上を飛んでいる飛竜は
厄介だけど魔物ではなかったはず
考えても今の私にはわからない
などと少し緊張していると
『魔術師の方がいらっしゃれば応援を
お願い致します』
アナウンスだよ
お客様のなかに、お医者様は〜的な
とかボケてる場合じゃない
でも私はまだ学校にも入っていない
魔術師とか魔導師認定されたこともない
少し迷ったが
席を立つ
子供だから相手にされなければ
それは仕方のないこと
係員の人に話しかける
「浮遊と飛翔が使えます他も一通りは」
係員は一瞬驚きを見せ、それから案内される
甲板というような所に出た
数人の魔術師が障壁を保ち船を守っている
ひときわ強そうな魔導師が対峙している
それは
「ドラゴン!?」
ゲームでしか見たことのない生物…
自分に魔法で障壁を作り、
浮遊して、対峙する
「レッドドラゴンだ氷は使えるか?」
「はい」
「首の鱗を風で切るそこに氷の刃でも
槍でも思いっきり撃ち込め」
魔導師は話しながら強力な風刃で
ドラゴンの首を攻め続ける
動きの速いドラゴンに狙い違わず
全力で障壁を張り続ける魔術師たち
揃いのローブ、乗組員だろうか
その魔導師の、掩護をする魔術師たち
鋭い槍をイメージしながら魔力を溜める
失敗は許されない
ドラゴンも巨大な尾を振りブレスを放つ
かろうじて障壁がそれを防ぐ
ギャアアア
首の鱗に亀裂がはいる
全力で氷の槍を作りあげ、ありったけの魔力を込めて狙い全身の力を振り絞り放つ
歓声のような声を聞きながら、気絶した
気がついたらベッドの上だった
どこか痛むわけでもなく
ただひどい脱力感がする
「目が覚めたかな?」
声のする方を見ようと身体を起こす
医務室のような所かと思っていたが
ベッドもふかふかだし装飾も豪華そうだ
「えっと、すみません、私?」
「ああ、無理に起きなくてもいいよ」
優しげな声の持ち主は
この上等そうな個室のソファーに
腰掛けていた父様より年上そうな
一番強力そうだと思った魔導師さん
「おっとまずは自己紹介だな
私はデリック•フォン•ベルナール
王宮魔導師で一応侯爵だよ」
「ライラ•フォン•マルノーです
マルノー子爵家の四女です」
「ほう、マルノー家によい魔術師が
生まれたと聞いたがなるほど」
「ドラゴンは大丈夫だったみたい
ですね。私気絶して、あの後?」
「魔力切れだな。でもお嬢ちゃん
ライラちゃんがトドメをさしたんだよ」
「ベルナール侯爵、私がですか?」
「デリック導師でいい私は氷があまり
得意じゃない。あの氷の槍は見事だった」
「はい」
「ドラゴンは時たま出るがあの大きさは
なかなか見たことがない。ライラちゃんが
いなければもっと苦戦していたよ」
それからはデリック導師が飲み物や食事
を部屋に運ばせてくれ、
少しフラフラしながらも、お腹は空いていた
のでありがたく頂いた
一息ついてお礼を言って席に戻ろうと
したら、止められた
さっきの空中戦は乗客中の話題に
なっているのでやめた方が良いと
空いている個室を用意してもらい
ふかふかのベッドで夜になるまで
眠ってしまった
目覚めてさすがにお腹が空いたことに
気がつくが、食事はどこへ行けばいい
のか?部屋は高級な個室だけど
服装を整えて顔を洗ってみる
ちなみに部屋にはお風呂があった
これ相当良い部屋なんじゃない?
頃合いを見計らったように
ノックの音
「はい」
デリック導師だった
「お腹空いてるだろう」
「はい」
「食堂はもう終わったけどお酒を飲む
ようなところは開いているよ。軽い食事
ならできるから行くかい?」
はい喜んで〜
これまた高級そうなホテルのバーの
ようなところで
私はサンドイッチのようなものと
フルーツをつまむ
デリック導師はお酒を飲んでいる
色々聞きたいことがあったが
私の方が色々聞かれてしまった
魔法に憧れて書庫の本を読み
宝玉のようなものを触って光った
呪文は発音が難しくて
強くイメージする方法を知ったこと
イメージして浮遊や飛翔を覚え
転移もできるようになったこと
教会で治癒の手伝いをしながら治癒や
解毒などを教えてもらったこと
土木建築の手伝いをしたこと
魔の森で狩りをしたこと
王宮魔導師と言えば魔法使いのトップ
みたいな人なので嘘はつかない
「ライラちゃん」
「ライラでいいです」
「ライラ君はなかなかの魔術師だよ」
「そうなんですか?」
デリック導師は魔力探知で他の魔術師の
魔力がわかるらしい
これは例えば盗賊に襲われた時、相手に
魔術師がいるかどうかわかる
私が盗賊たちにかけた探知は単に
人が何人いるか探っただけだ
幸い魔術師がいなかったが強力な
魔術師がいたら厄介だった
デリック導師からは強力な力を感じる
魔力を探るイメージで…
バーに居る人たちに探知をかけてみる
「うわっ!」
「ライラ?」
「デリック導師の魔力凄いです」
「探知できたのか」
デリック導師いわく魔術師が全員
魔力探知ができるわけではないらしい
まだまだ聞きたいことはあったけど
夜も遅いので部屋に帰る
部屋のグレードはやはり金の上の
プラチナランクらしい白金のカードを
もらった船長からのプレゼントだとか
お風呂に入って手足を伸ばす
まだ少し疲れが残っている
初めてのドラゴンに初めての魔力切れ
ベッドに入るとすぐに眠れた
翌朝からも食事の時は
デリック導師が一緒だった
王宮魔導師なのに護衛やお付きの人は
いないのが不思議だったけど
導師に危害を加えることのできる人は
ほぼいないだろうし
元々あまり堅苦しいのは好きでは
なさそうな人柄のようだ
飛行船の旅も最後の夜
デリック導師から驚くことを伝えられた
今回のファイアードラゴン討伐に
力を貸した乗組員以外の者たちは
王宮に臨時招待されるそうだ
デリック導師は魔導通信機とかいう
携帯電話と無線機の間くらいのモノ
王国の主要な人だけが持つそれを使い
国王陛下に報告していたそうで…
まずドラゴンに遭遇すること自体
大変なことでしかも今回は大型の
個体で
ドラゴンは骨やツメまで余すことなく
利用でき、魔石もとても大きく
つまりたいへん高価な獲物になる
王国が買い取る形になるが
まあ、大変な功績になるらしい
飛行船乗り場まで王宮のお迎えが
来るそうで、断れるわけもない
マルノー子爵家から迎えが来るはず
だったが、そちらも連絡済みだとか
貴族的な教育も受けず普通科学校に
入学するというのに、困った
デリック導師はニヤニヤしていた
「まあ、陛下はそんなに堅苦しい方じゃないし、園遊会や正式の謁見でもない」
「でも国王陛下ですよね」
自分も一緒だから気にしなくてもいいと
導師は笑う
部屋のお風呂で念入りに身体を洗い
とにかく寝る。寝るしかないでしょ
翌朝朝食を摂り
一番マシそうな服に着替える
鏡を見て背中まで伸びた髪を梳かす
いつもなら後ろで束ねるが今日は
そのままで
父様譲りの銀色の髪に藍色の瞳
顔立ちは母様に似てきたので
悪くない。印象は悪くないはずだ
そう思っておく
昼食が済んだらついに王都に到着だ
荷物を確認して導師が呼んでくれる
のを待つ
窓から見える王都の街は壮大だ
がそれよりも緊張がぁ〜
デリック導師と私にあと二人の魔術師
ゲートでカードを返して最後に降りる
護衛付きの豪華な馬車が待っていた
御者も立派な姿でうやうやしくお辞儀
なんかして扉を開けてくれる
乗った。逃げるわけにもいかないし
緩やかに走る馬車。景色を楽しむ
余裕はない。二人の魔術師さんたちは
嬉しそうだ
精神年齢的にはアレな私でも
国王陛下とか無理なのに
ひときわ高い城壁の大きな門をくぐり
美しい庭園を抜け、お城に着いた
デリック導師はさすがに慣れた様子で
出迎えの人と挨拶を交わす
なんとなくデリック導師を先頭に
二人の魔術師さんたち私の順番で
王宮に足を踏み入れる
長い廊下を歩き階段をのぼり
止まった所は大きな両開きの扉の前
ザ•謁見ルーム的な映画とかで見たような
そうだ映画だもう気分は役者だ
厳かに扉が開けられる…
やっぱりレッドカーペットだ
導師が一定の場所まで進み跪く
魔術師さんたちも私も真似をして
跪く…王様なんて見れないよ
「陛下には、ご機嫌うるわしく」
デリック導師が形式的な挨拶を
「デリック、そういうのはもうよい」
「ハハハ、陛下、そうですな」
「大型のファイアードラゴンだったそうだな」
「はい報告した通りです」
「ふむ、そもそもデリックがいなければ
障壁で船を守り逃げるほどのことしか
できなかったであろうな」
「ハハハ、陛下飛行船の魔術師を増やす
べきですな。私以外の者は巻き込まれたと
いうわけです」
「そうだな皆、名を聞かせてくれぬか」
デリック導師が振り返って促す
「ギヨームと申します冒険者をやっております」
「カルロと申します同じく冒険者をやっております」
「ライラ•フォン•マルノーと申しますマルノー子爵家の四女でございます」
「ふむ、マルノー子爵には近頃開発も進み
我が国の経済によく貢献していると聞く」
「ありがとうございます」
「ギヨームにカルロと申したか冒険者の身で今回の働き感謝する」
「「ありがとうございます」」
「色々と聞きたいが旅の疲れもあろう…
褒美を取らせる。そこな大臣にあとを任せる。デリックも今日はもうよいぞ」
国王陛下退出された。緊張したぁ〜
「ギヨーム様にカルロ様お受け取りください」
王家の紋章らしき縫い取りのある袋と
小さな勲章みたいなものを貰い、二人は
先に退出して行く
「ライラ様お受け取りください」
袋はずっしり重いそして勲章?
立派な箱にはいった大きな
「あの?」
「デリック様から聞いておりますよ
とどめをさされたこと」
「は、はい、ありがとうございます」
デリック導師またニヤニヤしてる
導師と一緒に馬車に戻り、待っていた
二人と乗り込む
また緩やかに馬車は走り
今度は街並みを眺める
レナシスよりはるかに広く荘厳な街
冒険者ギルドで二人は挨拶をして
降りた…このあたりは下町風で
紋章付きの豪華な馬車から降りた二人は
ギルド前で人に囲まれ得意そう
王宮に近い方が貴族街で階級が高いほど
王宮寄りに屋敷がある
本来デリック導師の屋敷がマルノー屋敷
より王宮に近いので降りる順番的には
あれっ?って感じ
何か気をつかってくれてる?
マルノー子爵屋敷らしい場所に着いた
王都が初めてだし屋敷がどこにあって
どんな屋敷かも私は知らない
デリック導師も降りて来た
門番さんは報せは受けていたようだ
でも、王家の紋章付き馬車を二度見
してた
屋敷からまず飛び出して来たのは
大人っぽくなったイリス姉さん
「ライラ〜って、わぁ凄い馬車!」
「ライラ〜何か面白いことしたんだって?」
大人っぽくなり過ぎてよくわからないけど
多分アリティア姉さん
「ライラ、私のこと覚えてるかしら?」
メリエル姉さん
「久しぶりねずいぶん大きくなって」
セシリア母様だ
「そちらの方に送っていただいたの?
どなたかしら?紹介してちょうだい」
「セシリア母様メリエル姉さんアリティア
姉さんイリス姉さん。こちらの方は」
「初めましてデリック•フォン•ベルナール侯爵です王宮魔導師をしております」
導師自分で言った
「まあ、ベルナール侯爵様。娘がお世話になりました。ありがとうございます。あの、お急ぎでなければ少しお寄り頂いてお茶でも」
普通そうくるよね
王宮馬車どうするのかな?
導師御者さんに話しかけて
馬車帰しちゃったよ
「デリック導師、馬車いいんですか?」
「ああ、ちょっと耳をかせ」
(何ですか?)
(マルノー家のお菓子は美味しいと評判なんだよ)
ちょっとジト目になる
初めましてのただいま〜
みたいな感じで屋敷に入る
領地屋敷よりずいぶんと広い
導師は応接室に案内されて
私はイリス姉さんに私の部屋を
教えてもらった
応接室では導師がマルノー家自慢の
お菓子でもてなされていた
ドラゴン退治の話で盛り上がり
執事さんや使用人さんたちまで
聞きにくる始末
何かあとが怖いような気が
結局夕方近くになってお菓子をお土産に
持って導師は帰っていった
そのうちまた訪ねて来そうな予感がする
けどね
そんな感じで、色々と初めてのことが
あり過ぎたけど
ライラは、王都に辿り着いた。




