表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/56

海へ

改築された町は石造りになり、隊商も今までの露店ではなく、商店の建物ができた。

厩も、馬車を停める場所もある。


昔の商店は、その建物の常設店として、建物の管理をしながら三階建ての一画に住んでいる。


宿屋も数軒できた。鍛冶屋は、領内の農機具を作ったり修理したり、馬車の修理なども増えこれもまた三階建ての工房になった。


料理屋も何軒かできたし、居酒屋のような店もできた。服飾店や細工物を売る店、家具屋に生活雑貨屋、少ない娯楽が、できたようなものかな?


教会は立派な建物になり、孤児院と救護院が併設された。


領主屋敷も大きくしてはという話もあったが今のところは困らないのでそのままだ。


父様の仕事が増え、執政と家臣も増えた。

私も張り切って開拓を手伝う。


アメリア母様は弟たちの世話に忙しく、

私もたまにルシウスとチャンバラごっこ

をしたり、読書も魔法だけではなく、この国

デルフリート王国について書かれた本や、獣や魔物の解説の本、植物についても調べる。

若い脳は素晴らしい。

覚えることはいくらでもある。


剣の扱いは、まあそれなりには上達してはいる。冒険者あがりのガルムさんが師匠だ。

師匠いわく、父様は剣の使い手としても

かなりな人らしい。


父様は弟たちには自分で教えるのかな?

娘に剣って、教えないよね。

姉さんたちも剣や弓は触ってなかったなあ


弓も師匠はガルムさん。力がまだ弱いので、小さな弓しか引けないし、やっぱり才能が無いと思う。剣や弓は私にはイメージし辛い。ちょっと残念だ。けど、矢を風で飛ばせる。ガルムさんには内緒だけど。


南への遠征も続けている。

海にたどり着ければ魚が獲れる。

最初の遠征の場所もよく行く。

あの魔の森は浅い所で果実が採れる。

バナナやマンゴーやパパイアのような、

それもみんな大きくて美味しい。


それにしても私の魔力量はどのくらい

あるんだろう?

魔力制御の練習は続けているけど、増えたか?と言われたら増えたような気がする。

慎重に遊んでいるので、魔力切れを起こしたことは、まだ無い。


まあ、今焦らないでも学校で魔術の授業も

あるらしいし、開拓のお手伝いでも修行できているはずだし。



ライラ式開拓は、父様の計画通りに、道を作るところから始まる。草を刈り木を切り、切株を掘り起こし、岩を砕き、石を動かし、土を少し掘る。

そこへ石材を敷き詰めて街道ができる。


街道沿いには、村や町の予定地を、同じように開墾して、少し盛り土をし溝を掘り、井戸も掘る。


農地になる場所は、川から水路を引く。

川の護岸工事もする。


地味な魔法だ…土木魔法と呼ぶべきか。

でも、結構楽しんでいる。



今日は空を飛んでいる。

これはいつやっても楽しい。


潮のかおりがするので期待が高まる。

大きな森を越えて低い岩山に降り立つ。

「やったぁぁ〜」

岩山の下には砂浜、そして海。


砂浜に降りてみる。

波打ち際に近づいて、

綺麗な海だ。前世の新婚旅行で行った、常夏の国みたいに


ここは王国の南なので暖かい。

ブーツを脱ぎズボンを捲って足をつける。

チャプン

予想ほど冷たくない。


うわー泳ぎたい〜

水着ないけど、

どうする?

いっちゃう?


誰もいないだろうけど


よしっ思い切って


「ヒャッホゥ〜」


泳いだの何年ぶりだろうか?

あ!この身体は初めてだよね?


初めてでクロールとか笑っちゃう。

平泳ぎに背泳ぎなんかもできちゃうよ。

バタフライは苦手だけどね。

ばしゃばしゃと一人で泳ぐ

ふぅ〜

遊んだ遊んだ


洗浄魔法で潮を落として、


誰もいないけど裸は恥ずかしい。

ちゃんと服を着て、


今日のために作っておいた、

釣竿を、と言っても、

木の枝に凧糸みたいなのを結んで、

針は古い縫い針を火魔法で曲げて、

エサは考えてなかった。


魔法の袋から兎の肉を少し出す。


肉で釣れるかな?


砂浜の端の磯で投げ釣り

釣りもやったことあるなぁ〜

フグばっかり釣れたけど


アタリがきたぞリールないから

慎重に引き上げる。


何か釣れたぁ〜

毒探知で確認、魔法の袋へ仕舞う。


次いってみよう〜

また、違う魚が釣れた。

結構釣れるモノだね

兎の肉で


かなり夢中で釣りを続けた。

今日の釣り果は


30〜40㌢の魚6匹、最初に釣れた種類。

50㌢くらいの魚2匹次に釣れたもの。

その他の魚8匹


魔法の袋で鮮度抜群だ。


明日からはいつでも来れるのが、最高の収穫


帰りは寄り道して、

岩塩と、魔の森のフルーツを少しとって


夕食が楽しみだなぁ〜


教会の広くなった裏庭に転移。

救護院に顔を出して


そうそう教会が大きくなって

壮年の神官さん夫妻が派遣されて

最近はお手伝いも少なくなったけど

サリアさんには教えてもらうことが

まだまだあるから

孤児院にはフルーツを差し入れと



屋敷に帰るとまず、

父様に報告。

最近多少のことでは驚かなくなった父様。


「南の海に行って来ました」


あ、何か石化した。


「…………」

「魚も釣れましたよ」

「あの、な」

「はい?」

「ライラ、おまえのおかげで色々と

助かっている。開拓も開墾も町の整備も、

この勢いなら街を造ることも」

「父様私頑張りますよ学校に行くまで

あと2年以上ありますから」

「それなんだ!まだ学校にも行けない

小さな娘を開墾から土木建築まで」

「えっと、父様私が好きでやって」

「川の護岸工事とかじゃなくもっと

こうピクニックに行って花を摘む

だとか森の熊を仕留めるとかじゃなく

井戸掘りとかじゃなく」


なんだか父様可愛いです


「父様、ありがとう」

「えっ?」

「えっと、多分私が魔法使えるから

父様は私に無理させてるとか心配して

くれて」

「ライラ、おまえはまだ7才なんだ」

「うん」

「父さんには魔法が使える人のことは

よくわからない。でもおまえは私の

まだ7才の娘なんだ」


父様いい人だぁ〜

30代前半なのにしっかりしてるよ〜

前世じゃ居酒屋で飲んだくれて上司の

悪口言って家に帰ったらエラそうにして

子供が泣いたら機嫌悪くなるとかな人

多そうなのに〜


「父様、心配させてごめんなさい」

「いや、まあ、無理や無茶はしないで

くれればいい」

「はい」

「たまには手伝ってもらうかもしれない

けどな。たまに、にしよう」

「はい、父様」


確かに自分でも気がついている

転生した時のあのざっくりテキトーな

守護者?がくれた祝福的なモノ

この世界でも多分、かなりな魔力

領地開発に存分に使ってしまえば

私が居ないと、不便になり不満がでる

だろう

あとは父様に任せて、必要な時に必要な

だけ使ってもらうことにしよう。


さて台所、結構広い、に向かう。

料理人さんに魚が手に入ったことを伝える。

ビックリされたけど魚料理もできるらしい。


適当な量の魚たちを、

料理場に出してフルーツと、桶3杯分の氷

を、オマケで付けてみた。


魚は食べられないものはなかったようだ。


お疲れ気味のアメリア母様に治癒をかけ、

弟たちに絵本でもと思ったら、

チャンバラごっこになった。

うんうん、可愛いな

前世は弟いなかったし


夕食はとても美味しかった。刺身はなかったけれど、久しぶりの焼き魚に、煮魚。

醤油と味噌作れないかなぁ

手作り味噌なんて、ちゃんとセットになった

説明書付きの材料でしか、作ったことない

からなぁ

詳しい工程なんて覚えてないし



翌日は少し試したいことがあり、

朝食後出かける。

もちろん父様に、無理無茶禁止の念をおされた。

屋敷の裏庭は弟たちの遊び場になってきたので、町外れまで歩き人の見えない所で転移。


比較的安全な草原に着地。

ここはたまに兎くらいしかでない。


試したかったことは、

水泳で気がついた、身体が覚えていないこと

ができたこと。

脳が覚えているなら身体に命令できて、

身体を動かせてしまえるかもしれない。


魔法で浮遊や飛翔を操れるので今さらかも

だけど


魔法なしの地上での動きを確かめたい。

前世で学生時代体操選手だったから、

好奇心と趣味のようなモノです。


7才の身体で密かに筋トレもしていた。


危ないと思ったら魔法で補助する

独り英才教育


マットの上ではないが草原なら


助走して踏み切り

まずは前方転回いきなり2連続

うんできた

バク転前宙バク宙


身体が若いので、

脳が覚えていることの命令に

素直に反応するみたい


何の役に立つか?

いえ、別にやってみたかっただけです。

はい、ただの遊びです。


他に、私にできることは

家事全般、電化製品を使わないものは

思いつくのは、包丁さばきと手縫いくらいか?


ピアノにクラシックバレエ

華道に茶道

そこそこの大学出の知識

アルバイトや仕事の知識


役に立たないことばっかりだな


家事も料理人さんやメイドさんたち

が居るからなぁ〜


なんか使えないヤツだったな私。


まっいっか

魔法使えるし



その夏は、貴族学校を卒業して一年経つ

メリエル姉さんの、結婚相手を探し始めた

そうで、セシリア母様と姉さんたちは、

領地に帰って来なかった。



ちょっと寂しいけど、弟たちもいるし、

姉さんたちには、手紙を書く。

郵便配達とかは、勿論ない。

手紙も時には届かないこの世界の、まだ

ほんの一部しか、知らないけど


私はこの世界で、生きている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ