プロローグと自己紹介
ーーー「ずっと前から悠真くんのことが好きでした! 私と付き合ってください!」
小学校と中学校のあの頃は、女の子に対して好きという感情が生まれても一週間で離れ離れになっていて、どうせ恋をしてもまた転校するんだろうなと思い、真剣に恋愛という恋愛をしてこなかった。
そして、中学三年になった辺りからあまり転校もすることなく過ごして卒業式を前日に控えた時、数ヶ月同じクラスでずっと前の席だった女の子に放課後、校舎裏に呼び出されて告白をされた。
転校を繰り返して正直自暴自棄になっていた僕は、告白された時にパッと頭の中に真っ白な絵の具が広がるかのようのに瞬間的になにも考えられなくなった。
なにも考えられなくなっていたが、あの時はただ単純に嬉しかった。
ーーー「正直言って葵に告白されるとは思ってなかった。なんて返せば良いかわかんないけど、俺も葵のことが好きだ。大好きだ。今すぐにでも付き合って欲しいくらい大好きだ。でも好きだからこそーーー」
嬉しかったしいつの間にか好きになっていた。だから今度こそ真剣に恋をして好きになりたい。そう返事をすると葵は微笑みながら答えてくれた。
ーーー「うん………悠真くんが私のこと好きだってことがよくわかった。だからずっと迎えに来てくれるまで待ってることにする」
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瀧本悠真
本編の主人公。昔は明るかったと言われているが小学校と中学校を転々としてきたこともあってか正反対の自由奔放な性格になってしまう。座右の銘は『好きなように生きる』で自暴自棄な性格にはあっていないが成宮葵に告白されたことにより今の座右の銘に変わったとされている。ドンと構えるが根は甘えたがりの寂しがり屋。
成宮葵
本編のヒロイン。小学校と中学校の時に親が他界して親戚の家をたらい回しにされて現在に至る。真剣に恋をしたことがないとされているが、悠真が近所に引っ越してきて見かけた時に一目惚れする。友達や悠真以外の男子には相談していたこともあって勧めによって同じ高校に行くことを決めて卒業式の前日、校舎裏に呼び出して告白をしたことでお互いに関係が進展していく。