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レイの記憶・・・終わる深淵

綺麗な色とりどりの花が咲く丘で、屈んで花の香りを嗅ぐ1人の女性


白いドレス風のワンピースを着た彼女は丘に座る1人の騎士に目を向ける


「貴方・・・騎士なの?」


見た所ボロボロの鎧に使い古された剣を腰のたくさん抱えている


その男は首を振りニッコリと笑い「騎士なんてガラでもねぇ、ただのボロ布纏った放浪者さ」


女性はクスクス笑い「ウソ、だって腕の傷見れば分かるわ・・・誰か・・・人を守ってできた傷だって見れば分かるもの・・・」


女性はボロ布の男の腕を握り、回復魔法で癒す

「そんな誰かを本当に守れる人を私は騎士って呼んでいるわ・・・」


ボロ布の男は苦笑いして「ハハハ・・・それじゃ騎士さん名乗っちゃおうかな」


女性もクスクス笑って「ねぇ!お名前を聞かせて!私はスフィア・・・スフィア・ベルスターズ!」


ボロ布の男は「俺は・・・レイ・ロナメスだ」



――――――――


スフィアの家はごく普通の家だった


一軒家に住んでいて、釜戸があって、暖炉があって、木製のテーブルがあって、寝床がある


そこでスフィアがシチューを作ってレイに食べさせる


レイはシチューにがっついて「うめぇ!!」


スフィアがニコニコ笑ってその様子をテーブルの椅子に座って見て


「良かった!」


レイは食事を食べ終わった後に立ち上がり「何か礼をしないとな!金は持ってないし・・・できる事って言ったら・・・困っている事を解決するお手伝いだ!」


スフィアがレイの口に人差し指を当てて「もう依頼は完了したわ!私の料理『美味しい!』って言ってくれた!」


レイは頭をポリポリかいて「それじゃ俺のポリシーが収まらねぇよ・・・」


スフィアが恥ずかしそうに「それじゃ・・・ここにしばらく泊まってくれる?その・・・私1人だから寂しくて・・・」


レイが嬉しそうに「それだけでいいのか?・・・ま、まぁ君がそう言うなら・・・」


スフィアが嬉しそうに笑い「ありがとう!レイ!」


レイの頬が少しだけ赤くなった


―――――――


そして2人の生活が始まった・・・レイが獲物を捕まえて肉を取り、スフィアがそれを調理する、2人だけの楽しい時間


ある日は一緒に寝て、川で遊んだり、森で遊んだり


季節は移り行き、幸せな時間だけが流れて行った


そして季節が3つ移り変わる頃・・・


――――――


ドアがノックされる


レイがドアに向かうとスフィアが首を振り「私が出ます・・・」


妙にスフィアの声のトーンが低い、まるで嫌な事なようだ


スフィアはドアを開けると


ドアの向こうに居たのは・・・



帝国の騎士達だった




「大魔導師スフィア・ベルスターズ様・・・また勝手に外出を・・・国宝人である貴方はこんな所でノウノウとしているとは・・・自分の立場を弁えてください」


レイが納得いないように駆けつけて「どうゆう事だ!?スフィア!?大魔導師って・・・どうしてそんな高貴な人が!?」


スフィアはまるで最後の別れだと言うような笑顔で「だって・・・私は普通の生活にあこがれていた・・・魔術を捨て・・・優しくしてれる人と一緒に生活を・・・私は帝国から逃げてここの一軒家に住んだの・・・ごめんね・・・レイ」


そう言うと転移術のような物で姿を消した


レイは膝をついて悔しそうに拳を握り顔を上げ「待ってろスフィア・・・帝国なんて俺がひっくり返してでもお前を救ってやる!!」



―――――――


それからだった・・・レイは始めは帝国に敵意を持ち、帝国へと旅を続け・・・帝国に密入国し・・・帝国軍へと入った・・・


レイは帝国で邪竜を追い払い、エミルス皇女を助けた鉱石で一躍、そして騎士隊に上り上がり


そして・・・


アーベンヘルツからの攻撃された時のミーティングの時に


「スフィア・・・君と会う為にここまでやってきた、ついでに皇女様も救っちゃった訳だが・・・2人そろえばアーベンヘルツなんて目に無いだろ?」


スフィアがうれし涙をして「レイ・・・!レイ!!」


――――――


そして2人が出会ってからは、アーベンヘルツを撃退しフリース王国を退け、そして大陸中を震わせた知性を持った魔獣が発生した事件の原因究明・・・帝国の内乱を阻止し・・・ミランダとリュウビとの出会いで仲間も増え、2人はとうとう、結婚する事になった



レイはスフィアの薬指に指輪をはめて


2人は幸せそうな笑みを浮かべた・・・



だが・・・その幸せは突如崩れる事になる


黒竜の報復・・・帝国へ報復する為にやってきた黒竜・・・その黒竜は帝国を焼き払い


ミランダとリュウビ、レイとスフィアのチームで戦っていた・・・


どうしても勝てない黒竜・・・そしてレイは最後の手段を取った・・・


鬼神族の本領それは『暴走』つまり破壊し尽くす事が最も力が出る


レイはスフィアを守る為にある剣を握った・・・


鬼神族に伝わる宝剣『マガツ』鬼の金棒と剣を合わせたような特徴的な剣は絶対的破壊力を引き出す代わりに理性を失う


レイはスフィアを突き放して、離れ・・・スフィアの見えない所でそれを使った・・・だが・・・


黒竜を撃退したレイはその後も暴れ続け、街は壊滅寸前だった・・・


――――――



スフィアは燃え上がる街を見て「このままじゃ駄目・・・貴方の騎士の精神は朽ちてない・・・!私が証明してみせる!!」



ミランダがスフィアを追いかけ「馬鹿!!死にたいの!?今のレイはレイじゃないわ!!落ち着くまで待ちましょう!?」


スフィアは走り「待っていてもどっちにしろ街は消えます!!私はあの人に後悔という物を味わせたくない!!」


リュウビが走って「こうなったらもう行くしかないで!ミランダはん!」


ミランダが吹っ切れて「あぁ、もう!!」



――――――


レイが暴走する最中、スフィアは魔法でレイの動きを止めて「レイ・・・思い出して!私達のあの楽しかった時間・・・レイ・・・貴方は守る為に剣を握っていた・・・それを思い出して!!自分の中の鬼と向き合って!その鬼から私を守って!!」


レイの動きが止まり

「スフィア・・・!」


スフィアはレイに抱き着いて「レイ・・・」


レイの左腕はスフィアを抱きかかえたが、剣を持っていた右手は許してはくれなかった


鬼神状態から解放されつつある中、スフィアはレイの右手の剣で貫かれ


スフィアは横たわり涙を流すレイの顔を摩り「やっと・・・貴方の顔が見れた・・・」


レイが泣き崩れ「俺は・・・俺は!!!」


スフィアがレイの頬を撫でて「馬鹿・・・レイ・・・あの時結婚式の時・・・お互いに支え合おう・・・って約束したじゃん・・・だからさ・・・レイが苦しんだ時は私が支えるって・・・」


レイが首を振り「スフィア・・・お前の支えが無ければ俺は!!」



スフィアが首を振り「大丈夫・・・私は・・・貴方の中で生き続ける・・・だから・・・辛い時・・・もし自分が鬼に負けそうになった時は・・・私を思い出して・・・レイ・・・」


そしてスフィアは幸せそうな顔で息を引き取った・・・



―――――――


レイは鬼神化しつつも理性を保ち、マガツを抑えて戦っている


ダーネヴィルは意識を取り戻して顔を上げ「レイ・・・暴走寸前で留保し・・・戦っているのか・・・ふっ・・・俺のダメージは無駄じゃなさそうだな・・・」



セルレリエスタはレイのパワーの前に何もできず「私はっ!!」


翼をレイに引きちぎられ


「私の思いはっ!」


利き腕をレイに千切れられ


「この程度の思いだったという事なのかっ!?」


尻尾を引きちぎられ


攻撃できない状態にされてレイがマガツを構え


「散れ!!忌まわしき記憶と共に!!」


マガツがセルレリエスタの胸元に刺され


マガツが折れる



そしてセルレリエスタは手を天井に伸ばして「すみません・・・貴方の思いに答える事ができませんでした・・・レギルス様・・・」


セルレリエスタは体が光りの粉になって行き、レイの体は元に戻る


レイは壁に寄りかかり「アブネェ・・・危うく暴走しかけた」


ダーネヴィルが刀を鞘に戻して「お前の思いの力・・・しかと見届けた」


レイがフッと笑い、しばらくすると立ち上がり「さてと!深淵さんの始末をするとしますか!!」


ミランダが安堵の息を吐いて「全くレイ・・・何度私達をヒヤヒヤさせれば気が済むのよ・・・」


レイが苦笑いで返すとリュウビがサトミを見て「そ、そのワイは・・・」


ミランダが転移門を開こうとするとサトミが首を振り「行ってリュウビ・・・世界を救うためにアンタの力が必要なんやろ?」


リュウビが驚いてサトミを見るとサトミは笑顔で答える「私はローリンスで待ってるかいな・・・」


リュウビがサトミとキスをして闇の力が抜けた事でサトミと言葉が通じなくなってしまった為、意を決した顔でサトミの思いに答えて、サトミは笑顔で転移門をくぐりローリンスへと戻って行く


そして全員が深淵の空間を見て入る



――――――


深淵の中は何もない無の空間だった・・・


「うわぁぁぁぁぁ来るなぁぁぁぁ来るなぁぁぁ!!」


子供が走って逃げている


レイが拍子抜けして「これが深淵・・・?」


ダーネヴィルが刀を抜いて「どっちにしろコイツを片づければ終わる」


ミランダが呆れて「ひょっとしてこの空間転移は全部この子供が・・・?」


子供は首を振り足をガクガク震わせて、尻もちをついて、失禁し「違う!!僕じゃない僕じゃない!!僕じゃないぃぃぃぃ!!」


レイが近づいて「お前の事を闇の使者共があれだけ守るんだ・・・お前しか居ないだろ」


子供は短剣を抜いてレイを刺そうとするがレイは2本の指で剣を挟んで、掴み、剣を投げ捨てる


「皆!!皆嫌いだ!!僕の1人の空間に入ってきて・・・ただ僕は逃げたいだけだ!!世界から空間から!!何もかもから!!」


ダーネヴィルが刀を抜いて「話しにならんな・・・消えろ」


ダーネヴィルが一太刀入れると子供は悲鳴を上げて「いやだぁぁぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」そして倒れると元の空間に戻り、子どもの死体が転がっている



ダーネヴィルが刀を戻して「名前も聞く前に切っちまったな」


レイが溜息を吐いて「こんなガキにてこずらせられたと思うと・・・なんだかな・・・」


ダーネヴィルが一息ついて「さて・・・契約の事だが・・・」


レイが頷いて「あぁ、ミランダ、バージストに転移門を」


ミランダが驚いて「どうしてバージストに?」


「レイヤール達に報告ついでにダーネヴィルがレイヤールに会いたいんだと」


ミランダが頷いて「分かったわ」


転移門を開いて一行は転移門へと消えて行った

【11月28日追記】データ管理ミスで、作成していたデータが会社に置き忘れてしまいました・・・


明日は今日分の話数を投稿しますので、明日は2本更新いたします!!



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