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エルローラの誕生日

俺は相変わらず雨がシトシトと降り続くのを見ているとエルローラの母親が俺に会いに来て

「レイヤールって名前をエルローラから名付けてもらったんだってね!」


たためない傘で来た母親に俺は頭を下げると撫でてきて「よしなよ!それでレイヤールって名前は気に入ってるのかい?」


俺はコクコクと頷くと「そりゃ良かった、それでさ!レイヤールに相談なんだけど、エルローラの誕生日が近いんだよ。だからレイヤールにも来て欲しいなって思ってるのさ、サプライズで驚かしてやろうと思うからさ!日にちは明後日の夜だ!来てくれるなら来てくれ!」


なるほどあの自宅にあったカレンダーの花丸マークはそうゆう事か


俺は頷いて了解すると母親は満足そうに去って行く


えっ!?まさかそれだけのためにこんな雨の中来てくれたのか。

これは期待を裏切れないな・・・明日晴れたら誕生日プレゼントでも探してきてやるか


------


そして翌日・・・


なんと運よく曇りだったため俺は外に出た、もちろん大主様の目を盗んで


女の子が喜ぶもんだから綺麗な物だよな、宝石は・・・さすがに見つかるわけないか・・・


俺は綺麗な石とかがないか川で何か探そうと向かうが・・・増水していて激流になっている


河川敷でよくみる濁流だくりゅうの光景だ、いくらドラゴンといえどこんな中に入ったら溺れて一たまりもない。


うわぁ・・・これは川の石集めは無理そうだな


以前川でよく綺麗な石を子供の頃に集めていたから、もしかしたら見つかるかもと思っていたが・・・浅い所でも土で汚れた川に激流の中を探すのは無理だな。



ため息を吐いて諦めて去ろうとした時、川の向こう側に洞窟あった。

洞窟か・・・水晶とかあったらいいかもな


ただし川に橋は無く川幅は約6mほどジャンプは厳しい


うーん・・・助走つけて滑空で上手く行けるかも


俺は試しに川の反対に助走をつけて翼を動かして飛ぶと

「うおっ!?」『ガウッ!?』


めっちゃ飛び過ぎて、勢い余って木に顔面強打

「ぶふっ!!」『ブガアッ!!』


マズルをスリスリさすり


痛ってぇ・・・まぁいい、かなり飛べる事は分かったな。

これから10mぐらいは余裕で飛べるな


俺は改めて助走をつけて飛び立ち滑空して川から3mほど高さで飛び反対側に降り立てた

「うっし!」『ガウ!!』ガッツポーズで決める


------


洞窟へと入ると真っ暗だがドラゴンの体のためか、かなり明るく見えるようになってきた


そこで奥に光る水晶を見つけた。

キラキラと青色を放ち、青のクリスタルの周囲には紫色の透き通った水晶でコーティングされ幻想的な色合いだ


よっし、これ加工してネックレスでも作るか


その瞬間何かが横切った俺は屈んで回避すると

デカイコウモリだった


「キュルルル!!」


どうやら縄張りに入った事に怒っているようだ


俺は水晶を手に取り睨み合いながら後ずさりして後退して出口まで近づくと

「キュエェェェェ!!」

飛びついて来た


俺はガントレッドで思いっきり顔面に殴ってやる


「ギュエ!?」どうやら殴られると思ってなかったらしくモロに直撃を受けた


俺も殴っておいて『うわ~痛そう』と思うほど思いっきり殴ってしまった


顔面が凹み「キュ・・・エ・・・キュエエ」と混乱している


俺はそのまま出ようとすると懲りずにまた襲ってきた「キュエエエエ!!」激おこみたいだな


「あぁもうしつこい!!」


俺は息を思いっきり吸い

コウモリがギリギリ目の前に入った瞬間


「ガァァァァァァァァアアアアア!!!」


洞窟に響いて山にも響く大声


コウモリは音波で地形を認識する、それなら大きな音をぶつけてやれば方向感覚を失う

左右に蛇行して壁や天井にぶつかりまくっている


そして力尽きたのか落下してきて運悪くコウモリは洞窟の尖ったツララのような部分に串刺しになり

「キュ・・・エェェ・・・」


「ふぅ、全く」『フガ・・・ガウ』


------


俺は村へと戻り水晶をネックレスに加工するのに何か使えそうな物が無いかどうか神社の倉庫であさっていた。


そしてしばらくあさり続け丁度いいのを見つけた。足で漕ぐ事で石を回して削る事ができる剣や包丁を研ぐとき使われる道具を見つけた


俺は足で漕いで宝石を削る


ギギギ!ギュイィィィィ!!

水晶の表面を削っていく


うんいい感じで削れる


そして1時間ほどつづけ、俺はダイヤ型に形を整え

水でキレイにしてタオルでふき取り


何に使われるか知らないが針金があったのでそれを俺のブレスで少しずつ溶かし


ダイヤ型の器を意識して針金を加工してネックレスにできる容器を作る


後はダイヤをはめ込んでヒモを通して完成!!


そして俺は倉庫にあった比較的きれいな箱に詰めて翌朝を迎える


------


誕生日を祝福してくれているのか今日は梅雨なのに珍しく晴れていた、村人もようやく外に出られて気持ちよさそうにしている人達が多い


俺は井戸時計を神社の正面玄関のデッキからウズウズしながら見ている


プレゼントってのは早く渡したくてうずうずする


しかしこれはサプライズ企画、エルローラにバレるわけにはいかない

俺は昔から嘘が下手で顔にすごく出てしまう。

だからできれば今日はエルローラと接触したくなかったのだが・・・


「レイヤール!!遊びにきたよ!」


ビグッ!!と動き

「お、おはよう」『ガ、ガガガウ!』


「うーん?おはよう・・・どうかしたの?」


「い、いや別に・・・」『フ、フガガッ!』


エルローラがジーっと見つめてきた

俺の冷汗がドハドバ出る、俺はそっぽ向いて目を合わせないようにしている


「それよりレイヤール!今日は何しようか!」


できれば帰ってほしいなぁ・・・なんて言えるわけねぇよなぁ・・・


俺がゲンナリしていると「どうした?今日は体長悪いの?」


っそ、それだっ!


俺はコクコク頷いて体長が悪いとアピールすると

「そっかぁ、それじゃ、またね!」


走って帰って行った


俺は安堵の息を吐くと大主様が「昨日倉庫で1人で黙々と作業していたそうですが、何を作ったのですか?」


と背後からぬぅと大主様が現れる


俺がビクッと動くと俺が手に持ってた箱を見て、勝手に取り


大主様が開けてみると「こ、これは!ブルークレストの水晶のネックレス!すごい完成度だ・・・これをどこで?」


俺はそっぽ向いてプイッと見ると「どこで手に入れたのですか!?」


俺は大主様の鼻にガブッ!と噛みついて箱を取り戻して逃げる


「痛たたたたたたた!!」


俺は神社の中をテトテトと走り回って逃げる


そして俺はエルローラの家が気になってしかた無かったためコッソリ向かい様子を見に行くと

母親が一生懸命に何かを作っている


卵に小麦粉に砂糖・・・ははーん分かったぞケーキだな


俺は母親に寄り「俺も手伝うぞ!」『グギャガウ!』


「っえ!?レイヤール手伝ってくれるの!?ありがとう・・・それじゃ飾りつけお願いしようかね」


俺は生クリームを手に取り前世で見たイチゴのショートケーキをイメージして作ってみたが意外と上手くデコれて母親が驚愕している


「あっ・・・あんた職人か何かなのかい!?このデコレーション・・・職人ものじゃないか」


そうなの?前世でみたごく普通のショートケーキなんだが・・・まぁ中世だし珍しいのかもな


そして俺は一旦神社へと戻り楽しみな時を待つ


------


今日は穏やかな夜だ、雨も無く涼しく気持ちよいの夜


俺は約束の時間にエルローラの家の後ろで待機していると母親がやってきて

「レイヤール!こっちこっち!」誘われて裏口から入る


俺はキッチンで隠れてその時を待つ

こうゆうのは本当ドキドキする


そして母親がリビングでエルローラに近づいて行って

「ねーねー、エルローラ・・・今日は何だと思う?」


エルローラはあんまし関心が無さそうに返す「んー?何だっけ?」


「貴方の誕生日よ!!」


エルローラが驚いて「っえぇ!?」


そこで母親がケーキを持ってくる

「わぁ!!凄い!!ケーキだ!!」


「このケーキじつはレイヤールも作るの協力してくれたんだよ!それにこの綺麗な飾りつけ全部レイヤールがやってくれたんだよ!」


「う、嘘!?めっちゃ綺麗にできてる!」


そして俺は待ちに待ったプレゼントで箱を渡す

「こ、これ何?」


「開けてみろ」『ガウガガ!』


エルローラが箱を開けると「す、すごい!!これって!ブルークレストの水晶のペンダント!?お店で買ったみたいに綺麗にできてる・・・こ、これ軽く20金貨はくだらない物よ・・・!?」


母親も想定外で「うそぉ!?そんな高い物を!?」


「か、買ったわけじゃないんだけどなぁ・・・」『ガウガガ、フガァ・・・』


エルローラは驚いて「買ったわけじゃないって・・・まさかこれ手作り!?」


俺はコクコクと頷く


母親は衝撃で「こ、これって職人レベルの腕前よ・・・本当レイヤールって何者なのよ」


ともかく喜んでくれたようなのでよかった


エルローラはペンダントをつけて少しぎこちない笑顔を見せて「か、可愛い?」


母親はウンウン頷いて「可愛いよ、エルローラ」


俺もコクコク頷くとエルローラは嬉しそうに笑って俺に抱き着いて「ありがとうレイヤール!こんなにうれしい誕生日は生まれて初めてだよ!!」


そしてその夜は皆で飲んで食べて、話して、楽しいひと時を過ごした・・・

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