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ソウルチャージアタック!

「エルローラ!!」『ガァァァァ!』


俺はとりあえず殴りかかり、危機一髪でエルローラを助けた


俺のガントレットの一撃が相手へと当たる

バゴッ!!「キャウン!!」


犬が攻撃されたような声を上げると立ち上がり唸る「グルルルルル・・・」


狼・・・?似ているが違和感がある、とにかくデカイ。身長130cmの俺から見たせいで相手が大きく見える


めっちゃ怖えぇ・・・けど・・・戦えるのは俺だけだ

震える体をグッと堪え、狼と睨み合いが続く


そうすると背後からも仲間と思われる奴が現れて二体一と不利な状況へと変わる


マジか、これはキツイ。ただでさえ一体でも怖えぇのにそれが2体だと?


俺は周囲を見回して地形や、使えそうな物などないか見回す


まず地形は若干傾斜がある、上りを上手く使えば勢いが衰えるかもしない

それから周囲は木だらけ、上って上から攻撃、なんて手もあるがエルローラが襲われる可能性がある、幸いにも狼共はまず俺を倒した後にエルローラを襲うつもりらしい。


「さてどうっすかな・・・」『ガウ・・・グギャグル・・・』


最初に動いたのは狼だ、お互いに片方はジャンプ、片方は下からとの挟撃だ

俺は回し蹴りして周囲に範囲攻撃すると素早く離れた


なるほど相手も俺の動きを探っているって事か・・・


長期戦になればなるほど俺にとって悪い状況が続く、狼ってのは群れで狩りをする習性がある。こいつらだけって可能性も低い、だとすれば標的を発見して遠吠えでもされたら俺達は終わる。

俺は怯えて屈むエルローラを見て


ぜっていこの子は見捨てねぇ、女の子捨てるなんて男じゃねぇ


考えてると後ろを取った狼が牙で襲いかかってきた


地面を蹴る音がしたのでカウンターで思いっきり顔面へとアッパーを食らわしてやった


「よし!!してやったぜ!!」


相当俺のパンチは重いのかフラフラして脳震盪のうしんとうを起こしている


それをカバーするように片方の狼が回り込み、遠吠えのポーズを取る


「っつ!!させるかよ!!」

だがそれはフェイクだった、俺が飛びついたのを見計らい中断してバックステップで避けた

そして後ろの狼が爪で俺の顔面を狙ってきた


ドラゴンの本能が働いたのか、ギリギリで体が勝手に回避してセーフだったが頬を爪でかすった


「いってぇ・・・チクショウ・・・まんまとハメられるなんて考える事が武器の人間としての名が泣くぜ・・・」


「アォォォォン!!」

俺は振り返るとさっきバックスッテプで逃げた奴が遠吠えしやがった


ヤバイヤバイ、どうする?・・・どうするも何も急いでこいつら倒さねぇと・・・


狼は勝ったと言わんばかりの不気味な笑みを浮かべ間合いを取る


「もう戦う必要すらねぇってか・・・ふざけんなよ・・・」


狼は草むらに隠れ、俺達を監視している、俺の足ではあいつらには追いつけない、完全にチェックメイトだ


俺は後ろを見れば怯えて泣いているエルローラ

「怖いよ・・・怖いよ・・・助けてお母さん・・・竜神様・・・」


俺はキッと狼を睨み考える

「何か手はないのか・・・手は・・・ブレスを吐いて森へと引火できれば・・・駄目だ、この時代で山火事なんて起こせば逃げ場なんてねぇ・・・下手すれば村まで引火して大惨事だ。他の手は・・・」


くそ・・・せめて立て篭もれる場所があればエルローラを防衛しながら戦える、この場所じゃだめだ・・・


「エルローラ!!」『ガウガァァ!!』


俺が声をかけてもエルローラは「怖い怖い怖い・・・助けてお母さん・・・」


駄目だパニック状態だ


そして最悪の時が来た、後ろに大量の気配


狼の群れが到着してしまった


俺の頭にある言葉が一瞬過る

『死』


死ぬ・・・?ここで死ぬ?やっぱり俺は無力なのか?前世と同じでここでも無力なのか?


-----


とある記憶がフラッシュバックする


幼い頃幼稚園で女の子を虐めるガキ大将が女の子を殴ろうとした時だ

「女の子に手を上げるなんてそれでもお前男なのか!?」


「誰だてめぇ?」


俺はガキ大将に飛び蹴りしたが、相手はカウンターで俺の腹部を殴られ、俺は女の子の代わりにボコボコにされた。


「何もできなかった・・・僕は無力だ・・・」


------


チクショウ・・・なんでこんな時にこんな記憶が・・・どいつもこいつもふざけやがって・・・

俺は顔を上げ「かかって来いよ!!こうなりゃもうヤケクソだ!!皆殺しにしてやる!!掛かってきやがれ!!」


狼は一斉の襲い掛かってきた

俺は体全身をガブガブされているが怒りとアドレナリンで痛くない


「俺を散々馬鹿にしやがってどいつもコイツも!!俺は!!俺は!!!」


だが体が動かない「こんな所で死んでたまるか・・・俺は!!」


そんな時だった、あのバックを盗んだ猿がやってきた

「キィー!!キキィ!!」


狼達の意識が一瞬そっちに向いた


「ここだぁぁぁぁぁぁ!!!」


俺のフルストレートパンチが狼の一匹にヒットする

頭の骨が砕けた感触があった


狼は力尽きて倒れる


狼達は一斉にうなりをあげ俺を睨む「グルルルルル・・・」


俺に一斉に襲いかかってきた


だが俺は満足だった一矢報いてやった。

「へへっ・・・してやったぜ・・・一匹だけでも道連れにな・・・」

俺が諦めた瞬間、狼から何かが現れた


魂のような物が現れて俺の体へと飛び込んでくる、狼達は一旦俺から離れて間合いを取る


俺の体へと魂のような物が入ってくる


「なんだこれ・・・力が・・・湧き上がる!!」

傷が瞬時に癒えて行き、俺のガントレットの鱗から紅蓮のような真っ赤な焔が俺の手にまとっている


スゲェ・・・これなら行ける!!


そしてなぜだか分からないが技名が勝手に口に出てきた

「ソウルチャージアタック!!」


焔の拳をぶん回して狼を殴る、狼は毛皮なため焔は弱点そのもの


引火した狼は地面をのたうち回り焼死する


狼達の見る目が変わってエルローラへと視線が向く


エルローラへと向かった狼を俺が拳で捻り潰す

狼は俺の拳の下敷きとなり、引火したままま絶命する

「どうした?さっきまでの威勢はどうした!?」


猿もヤレヤレ!!みたいな感じで腕を掲げている


「俺を散々馬鹿にしやがって!!皆殺しだぁぁぁぁぁ!!」

『グガァァァァァ!!』


狼達の中には逃げ出す者も居た


そしてボスのようなでかい狼が俺に噛みついてきた


俺のガントレットにひときわ大きい牙が食い込む


鱗を貫通して牙が肉へと刺さる「っぐ!!!痛く・・・ねぇ!!」


「っ!!」狼が反応した時には俺がガントレットで狼の顔面を鷲掴みにして「燃えろ!!ソウルバーニング!!」


今度は火力が違う、引火しても死体は辛うじて残っているものの今度は瞬時に灰になった


灰になった狼が俺の手からこぼれ落ちて行く


そして俺は気が付いた。相手を殺した時、相手の魂のような物を吸い取って力に変えている事に。そして今のボスは強いからか、魂を吸い取った瞬間、俺の背中翼からまるで焔のズースターのようになっている


「うぉぉぉぉぉぉ!!エルローラを怖がらせる奴は・・・皆!!皆俺が倒してやる!!」


ブースターで加速した俺の速度は体感的も40km前後、スピードも瞬時に出るため、狼は反応しきれず次々と狩られていく


------


そして最後の一体


「クゥゥンクゥゥン・・・」どうやらコイツは俺のアッパーを最初に食らった奴のようだ、顎が腫れている


俺に命乞いしているようだ。俺は拳を掲げて「死ね!!」


狼が目を瞑った瞬間


あの猿がやってきて狼の前に立つ「キキィ!!」


「!?」


猿は狼に何かを話していて、それを聞くや狼はコクコクと頷いて一目散に逃げていく

「っあ!!おい!」


猿が俺を見て首を振り、辺りに指を指すと俺は気が付いた


森がメチャクチャに破壊されている事に、俺の焔でどうやら木々を焼き払っていたようだ


だが幸いな事に俺の炎は戦闘が終われば嘘みたいに消火されている

まるで燃える燃料が無くなったかのように


きっと猿はこれ以上森林を破壊するのはマズイとストップをかけてくれたのだろう


「お前は本当利口だな・・・悪かったよ」俺の高ぶるテンションが落ち着くとそれと同時に背中のブースターウィングも焔のガントレットも元にに戻っていく


俺が理解したのか分かるとウンウンと頷いて果物を差し出してくる。

バナナのようだ


俺が受け取ると猿は怯えるエルローラに指さして『渡してやりな』とジェスチャーしてくる


俺は笑って「お前本当はいいやつなんだな?仲間の事も申し訳なかったな!」


猿は満足そうにニシシと笑うと去っていった



俺はエルローラに「終わったぞ、ほれこれ食え」『ガウガ!ガウググガ!』


エルローラはバナナの匂いに気づいて顔を上げ「私・・・生きてる?」

俺が皮をむいてエルローラの口にバナナを突っ込むと


モグモグと食べて安堵からか、エルローラは涙を流して「ありがとう・・・竜神様・・・ありがとう・・・」


全く世話の焼ける奴だ・・・


俺はエルローラを優しく翼で包んでやる

次回更新日は8月10日! 夏風邪引いたので延期の可能性あり・・・

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