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心の弱さ

残業です・・・遅れてすみません・・・

俺は目が覚めるとあの真っ白の空間に居た


不機嫌そうにあの少年が座っている

「全くなんてアイテムだよアレ」


俺は少年を睨み

「お前が俺を暴走させたのか!?」


少年は呆れた顔で両手を上げて

「勘違いしないで!あれは君の心が弱いが故に起きた事」


「は?」


少年は下を向いて考え

「それにしてもあんなアイテム作ってるとは・・・よほど運命に抗いたかったんだね・・・あの人・・・まぁ別にいいけど・・・」


あの人・・・?

「お前さっきから何を!」


少年は俺に手を振り「まぁ別に独り言みたいなもんだから気にしない気にしない!それじゃ・・・君に何が起こったか説明するよ。まず君はまず死んだ」


やはりか・・・”ここにいる”って事はそうなんだろうな・・・

「・・・・・・・」


少年は両手を出して解説する

「それとあの体が動かなくなったのは人の魂が保てなくなったから自発的に起きた現象。君の魂はたくさんの魔獣の魂を喰らって力に変えてきた、魔獣の魂ってのはあんまり体に良くないんだ、その魂は自分の魂を汚す、つまり魂に汚れが溜まってしまうのさ。その汚れを浄化する作用があるのか人の魂。つまり君は人であり続けるために人の魂を喰らい続けなくちゃいけないって事!」


つまり俺が人食いに・・・?

「ふざけるな!!俺が人食いになれと!!」


少年は俺を睨み

「そうしないと君も前の“彼”と同じ運命を辿る事になると思うよ?」


「彼・・・?何のことだ!?」


少年は足の高い椅子を召喚して座り足をプラプラさせ

「まあ別にあんな奴の事なんてどうでもいいけど・・・それより君の魂の器の小ささにはビックリしたよ!まさかこの程度の魔獣を取り込むぐらいで竜化しちゃうなんて」


「器が小さい!?何の事だ!!」


「君の心の強ささ、それによって魔獣の魂とか取り込める容量が決まるんだよ」


「俺の心の強さ?」


少年は手を組み顎を乗せて俺をあざ笑うように

「そうだよ~君の心は弱いねぇ~・・・まっ、自殺したぐらいだから納得だけど」


俺は耳をピクリと動かし、拳を握り「馬鹿にするなよ・・・自殺したから弱いって、ただのレッテル貼ってるだけじゃねぇか・・・何やっても不可能なレベルまで追い込まれたどうする事もできないだろうがっ!!」が少年に殴りかかると俺のガントレットが透ける


少年は笑い「だったら自分1人で生きれば良いじゃないか!」


俺は睨み、思っている事をぶちまける

「そんな場所なんて法律があるから作れもしなかった!!お前は何にも知らない!!あのクソッタレな日本を!!」


少年はムスッとして、俺を見下すような眼で「知ってるよ全部、全部ね。君がどうゆう生き方をしてきたか、君が何をして何をしてきたか、君が初めて人を殺した時とか、全部」


こ、こいつ!!

「だったら!!弱いとか言うんじゃねぇ!!俺は!!」


少年は俺をゴミを見るような眼で

「でも自殺したのは逃げでしょ?」


「っ!!」


「何もできないからこれから受ける苦しみを逃げた」


「・・・・・・苦しむと分かっていてそれを受け入れろと・・・?」


「苦しまないようにする努力はできたと思うけど?」


俺は怒りをぶつけた

「どうやってだよ!!!考えた!!散々!!俺は!!」


少年は笑って

「君が生きる事ができた未来を表示してあげようか?」


俺は顔を上げると少年はリモコンのような物を出して表示してきた

「君がイジメに屈せずそれを乗り越えた場合の未来・・・今の君が生きていたらどうなってるかの未来だね」


映像には前世の俺が笑顔で大学生活を送っていた

仲間に囲まれ、そこには何人か知っている顔も居た、そして皆で仲良くしていた


そして数年後になると良い企業に就職して働いて。プロジェクトが決まって俺が部長になるまでがダイジェストのように映されていた


「こ、こんなの紛い物だ!!あれを乗り越えるなんて無理だ!!」


「それじゃ乗り越えられなかったとして君が家で勉強していた場合・・・」


俺はイジメで家で落ち込んでいるとフト顔を上げて勉強を始めた


そして数年後には高校へと恐る恐る入学するとそこで学力が認められ仲間ができていた・・・それからはさっきと似たような光景が続いていた


少年は笑って俺に言ってくる

「君は何もしなかった、もう無理だと決めつけて」


聞きたくない!!聞きたくないっ!!

「止めろ・・・止めろ!!」


「これが君の弱さ」


「止めろおぉぉぉ!!」


少年はリモコンを投げ捨てて「分かった?君が弱いって事」


俺は耳を塞いで目を瞑る

だが声は頭の中に響いてくる

「そうすれば楽だろう、何も聞こえないし、何も見えないのだから」


だがアイツの声は耳を塞いでも、目を閉じても聞こえる。


そしてアイツは言う。

「君・・・弱いね」


俺はそこに棒立ちしていた、何も言い返せない、何一つ言い返せない。


俺は拳を握り

「なぁ・・・じゃあどうすれば強くなれる?」


「ん?」


「俺自身がクソッタレだって事はよく分かった・・・それじゃ俺はこれからどうして行けばいい?」


「そんな事僕に聞かれても困るよ、君自身の問題なんだし・・・」


「弱い心は強くなれないってか?」


「どうだろう、君の未来の派生を僕が増やす事は禁止されてるから」


「お前はただ、俺を見てを笑っているのか?」


少年は笑った後、手を組み顎をのせて

「さぁね、でもまぁ・・・君は確かに見ていて飽きない・・・僕が予想できない未来を歩んできたから・・・時間切れのようだね・・・さぁ愛人が待ってるるよ・・・フフフッ」


意識が遠のいていく


――――――


俺は意識が戻るとエルローラが俺に抱き着いていた

「レイヤール・・・良かった・・・死んで復活したのね?」


「・・・・・・・・」


俺の目はもう何もやる気が起きなかった。


ここの世界なら上手く行く、俺は特別だから何か成し遂げられる・・・そんなのはただの甘えだった・・・


俺の唯一の取り柄・・・それは魔獣狩り、でもそれは俺の身がやがて壊れる。取り柄が欲しければ心を強くしろって事・・・でもそれは無理だ・・・今更どうやって強くなれと・・・


そんな時アイツの言葉がよぎる『これが君の弱さだ』

俺にはもうどうする事もできなかった

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