表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/15

ある病人の臨終

 まだ春の朝も明けきらぬ頃。

 一人の少年がこの世を去った。

「ご臨終です」

 医師の無情な声が、遺された家族の悲しみを呼び覚ます。

 母親は少年に取りすがって泣き、父親はがっくりとうなだれる。

「どうして……どうして……!」

「もういい。もうこれで楽になったんだ」

 母親を、父親が慰める。

 少年は、全身の激しい痛みと戦った。筋肉は硬化し、動くこともままならなくなった。

 そして――彼の全身は、黒く染まっていた。内出血の類ではない。まるで漆を塗ったかのような、純黒。忌まわしい色に、皮膚が冒されていた。


 原因不明の病であった。

初出:2016年丙申04月01日

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ