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Saviour Of Magic   作者: 奏ソウ
4/19

後輩と、先輩

4話目です!


メインテイン唯一の男子だった稲瀬くんとのお話です。

「じゃ、新体制1発目の会議始めます。」

新谷がホワイトボードの前に立った。

ホワイトボードがあって、その前には大きな机。サイドには片側には大きなソファ、もう片側には椅子が一つづつ五つ並べられている。

ホワイトボードの向かい側は小さなソファで、そこがさっき、晴と理菜の座らされた場所。

「新年度なので、確認の意味もこめて私たちメインテインがしなければならないことを振り返ります。」

ここで同じく前に立つ原一がホワイトボードに書き始める。

「安全な仕事のほうは、地域の掃除や各学校のお手伝いなどが主な仕事です。掃除は定期的に行います。各学校の仕事は、学校側から依頼があったとき、駆けつけて手伝います。ここまでで、何か質問ありますか?」

全員何の反応も示さなかった。

「まあ、こーゆーのは習うより慣れろだから、それから学ぶほうがいいかもね。じゃ、次。1番多いのは地域の見回り。もちろん、困ってる人助けたり、迷子の子をお母さんの元へ届けるってゆうのもあるけど、特に大変なのが喧嘩などの厄介ごとの対処。もっと言うと、魔法を使った事件とかも、私たちメインテインが対処しなければなりせん。そこで!」

新谷が緑明をチラッと見た。

「ん⁇…あぁ。データがそろそろ来る頃か。」

「多分。見てもらえます⁇」

「わかった。」

緑明がパソコンを開いた。

晴と理菜は何をしてるのかワケがわかっていない。

新谷がそんな2人にむけて説明した。

「今日、STEPテストあったよね?」

STEPテストとは、その人の能力を測るテスト。学力、体力、魔法の力をテストし、強さによって、0〜10までの11段階に分けられる。

ここで、以前にも言ったが、8以上は今回までは朝月にたった5人しかおらず、希少魔法使いとして登録されている。

そのSTEPテストがこの日の午前中に行われていた。

「詳しいデータは普通明日になるんだけど、特別にメインテインのメンバーはすぐに結果がわかるの。ウチのコンピューターに極秘情報として届けられるからね。」

ちょうど緑明がその極秘情報のファイルを開いた。

「ふんふん…。…やっぱそうか。」

「⁇先生、結果速くこっちにデータ回してください。」

「あ、おっけ、おっけ」

結果がホワイトボードの前には現れた。

それについて緑明が説明していく。

「基本的には全員数値は伸びてるな。」

全員が上から順に見ていく。下に下に下に…

『⁉︎』

最後から二つ目のところで全員の目が止まった。

ー中結晴 STEP8、希少魔法使い認定ー

本人と桜原は昨日のメインテイン試験で緑明がそんな風なことを言っていたので、驚いてはいなかったが、他のメンバーは目が点になっていた。

「晴。明日、メインテイン来る前に新朝月タワーに行って、認定書とって来いよ。」

「りょーかいです。」

新朝月タワーとは、以前、アイスラーの事件により倒れてしまった、朝月中枢機関のビルに代わって新たに建てられたもの。

役割は以前と一緒だ。場所も大して変わっていない。

認定書の話にさらりと答える晴。

まわりは状況について行けていない。

「…おーい。みんな大丈夫か⁇」

緑明がそんなみんなを見て声をかける。

全員が我に返るのに数分かかった。


「それじゃ、今日の仕事に入ります。」

新谷が説明を終え、いよいよ本格的な仕事が始まる。

「今日は初めての2人もいるし、組を作ってもらいます。」

原一がホワイトボードに組とその役割を書き始めた。


新谷、桜原ー朝月高校の手伝い

原ー、緑明先生ー資料作成

佐渡、大方ー中枢都市工事の援助

稲瀬、中結ー見回り+新洛高校


「一応、今回のSTEPテストも反映して組んでみました。桜原さんと中結くんは、わからなければペアの人に聞いてね。」

こうして、初めてのメインテインの仕事が始まった。


晴は唯一の中学生の稲瀬光太と組み、見回りをしていた。

「よろしく!」

メインテイン本部からでて少し歩き始め、晴が稲瀬に話しかけた。

「あ、こちらこそ…。あの!」

「⁇何?」

「中結先輩って、西萩にしはぎ中学出身ですよね⁇」

「え、そーだけど?…もしかして、稲瀬くんも⁇」

「はい!先輩吹奏楽されてましたよね?それで知ったんです。」

「あー…なるほどね。」

晴は中学時代、吹奏楽でバストロンボーンを担当していた。

かなり上手くて、朝月の吹奏楽界では結構有名人。

「それで、先輩が3年生のときの3学期になって、先輩見たら今までと全く違う容姿でビックリしました(笑)」

「それは友達にも言われた(笑)」

「それから先輩のファンが一気に増えました!」

「ふーん…。え?ファン?」

「はい!目の保養だーって言って、女の子たちはケッコー先輩眺めてましたよ?」

「あー…」

晴はそれになんとなく心当たりがあった。

「顔良くて、勉強できて、音楽できて、希少魔法使いで…。そんなマンガの主人公みたいな人、いるんですね…」

「いや、実際そんなでもないよ?勉強も音楽も魔法も天才的な才能があったわけじゃなく、どちらかと言えば努力してようやく掴んだもんだし、魔法なんか俺、去年までSTEP2だったから。」

「え、STEP2だったんですか⁉︎」

「うん。そっからまぁ、努力してここまで来たんだー。」

「…一体どれほど努力したんですか…?」

「…まぁ、それは血の滲むようなというか、死にそうなほどというか…」

「どんな努力ですかそれ⁉︎」

「あはは…(笑)」

実は、晴たちが朝月事件を解決したというのは知られていない。

表向きは宇佐美とその部隊が取り戻したということになっている。

そのおかげで、宇佐美は今、朝月のトップにいる。

子どもたちの情報を出さなかった理由として、世間に騒がれるのを防ぐという意味合いが大きい。

今、桜原以外のみんなが何をしているのかはわからないが、きっと平和にフツーに過ごしているだろう。

「そーいえば、稲瀬くんさ」

「光太でいーですよ?」

「え?」

「なんかそのほうが近い感じしますし、気軽に光太って呼んでください。」

「…じゃあ、俺のことも晴って呼んでよ。」

「え、呼び捨てですか⁉︎(笑)」

「うん。」

「それは悪いですよ!それなら晴先輩にします!」

「…なんかちょっと堅いけど、まぁいっか…」

「で、何ですか?」

「光太はどんな魔法を使うんだ?さっきのSTEP成績も良かったし。」

稲瀬はSTEP6を記録していた。中学生でSTEP6はそう簡単に残せる結果ではない。

「僕の魔法は地形魔法です。風水師と呼ぶ方が近いかもしれませんね。例えば」

ちょうど目の前に噴水があった。

「ほっ!」

稲瀬が軽く魔力を発すると、手のひらくらいの水の塊が2人のほうへ近づく。

「こんな感じですかね?その地形の中にあるもので魔法を発動する。例えば、まわりに何もない無の空間だと、僕の魔法は役立たずってワケです。」

魔法を解除すると、水の塊が地面に落ちて弾けた。

「へー。けっこー面白そうな魔法だな…」

「そーゆー晴先輩はどんな魔法ですか?」

「俺はねー」

フッと魔力を少し解放した。

すると、妖精が現れた。

「召喚魔法。魔人を呼び出すのが一番の特徴だけど、俺自身も魔人の使う魔法をちょっとぐらいなら使える。」

晴の横にいる小さな妖精は空を飛んで晴の周りをグルグル周り、晴と遊んでほしそうにしている。

「この子の名前はFairy。まんま妖精だな。電気系統の魔法を使える。なー!」

晴は自分の横に止まっているFairyに話しかける。

コクコクと頷くFairy。

「魔人にも意思がきっちりあるんですね…」

「あぁ。魔人は人間と意思疎通できる。今は制御してるから話せないけど、制御しなければ普通に話したりできるよ?制御はずすと、膨大な魔力消費するけどな」

と、Fairyの頭を撫でて、魔法を解除。Fairyが消えた。

「へー…魔人ってどれくらいいるんです?」

「一応STEP10になると7人呼び出せるんだけど、俺は8だから6人だな。」

「案外少ないですね。僕もっと多いんだと思ってました…」

「そもそもさっきのFairyが魔人の中で一番呼び出しやすいんだけど、それでもSTEP4はいるからなー。」

「え、かなり高難度の魔法じゃないですか!」

「おそらくな。召喚魔法使えるのって、この前出た資料によると、世界に俺だけかもらしい。」

「えー⁉︎晴先輩すごく貴重な存在じゃないですか!」

「そーなるかもな(笑)」

「そんなすごい人だなんて…」

「ま、そーは言っても所詮タダの高校生だし、そんな深く考えることでもないよ。それより、そろそろちゃんと仕事しねーと。」

「あ、そうですね!(笑)」

夏は恋の季節ですねー…


街ゆく人はカップルばかり…


この小説もそーゆーネタをあげてみようかな…


あ、えっと、次回は8月16日にあげれればと思います!

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