試験と才能
お久しぶりです!
2話をお届けします!
とりあえず、今回で1話目は一区切りということで…
そのあと採点を手伝った晴。
周りからは1人を除いて若干不思議そうな目で見られていた。
採点は10分ほどで終わり、得点が発表されていく。
「じゃあ早速。まず1番。初青学園、中結晴。197点。」
教室がざわつく。それほどまでに驚くべき点数だということだ。
その後も発表されていくが、2番とは40点近い差があった。
「11番。放清高校、桜原理菜。105点。」
桜原は12人しか通れないうちの11番というギリギリのラインで合格。
後で聞いた話によると、普通の学力試験はそれなりに解けたが、IQのほうがさっぱりだったらしい。
12番まで呼び終わり、残りの3人はこの時点で落ちるということになる。
監督していた男のよく頑張った。来年また頼むよ。というお言葉の後、教室を去って行った。
少しして校内放送が流れる。
「さて、次は体力テストです。着替えを済ませて10分後にグラウンドへ集合してください。」
着替えを済ませた学生たちが校庭に集まる。
「それじゃあ体力テストを始めます。ここからはちょっと特殊な点数の付け方をして、合否を決めます。」
監督の男の説明によると、体力テストは100点満点で付ける。さらに先ほどの学力テストと総合して合否を決めるらしいが、まず、合計点でカットラインを決めるらしい。6割。つまり学力200点、体力100点の合計300点の6割なので、180点。これがないとその時点でアウト。
これで3人以上が落ちるとそれで終わりだが、2人以下なら、この体力テストで成績の悪かった人が残り人数のアウトとなる。
つまり、晴はすでに6割を超えているので、通過はほぼ確実。桜原はちょっとヤバいということだ。晴が落ちるとすれば、カットラインが2人以下で、体力テストで10点とか20点を取ってしまった場合。
まずは短距離走からだ。
二人同時に走って、タイムを測る。学力テストの低かった順に走るのでまずは桜原ともう一人からだ。
合図とともに、50mを走り抜ける。
桜原はさすが、スポーツ科というべきか、タイムは7秒3。女子にしてはかなり速い。得点はもちろん、男女で違う。桜原はこの50m走、20点満点の20点だった。
もちろん、その記録を抜くものは現れず、とうとう、晴の番。
隣は女子なので、あまりいいタイムは期待できない。
とは言ってもやはり男子。6秒7。かなり速い。こちらは18点。
この50m走の結果がわりとそのまま体力テストの結果へとつながった。
5種目全てを終え、少し休憩を挟むと、また得点が発表される。
「合計第1位。中結晴。287点。」
やはり、晴は1番通過。体力テストでは全体の2位だった。
「第6位、桜原理菜。199点。」
桜原は体力テストが1位。ブービーだったのがここまで上げて来た。
その後9位まで発表された。
ちょうど3人がカットラインに到達できなかったので脱落。
残すは最終試験だけとなった。
最終試験はお昼をとってからということで、晴と桜原は一緒にお昼を食べる。
「晴ってやっぱり人気あるよね!」
「人気?なんでいきなりそんなこと⁇」
「え、だってさっきスポーツテストの時、他の女の子たちが話してたよ?晴カッコいいし、勉強も運動も出来るし、憧れるなーって。」
「うーん…。憧れられるほどのものでもないと思うんだけどなー…笑」
「こーゆーとこが余計にファンを産むんだろうなー…」
桜原がニヤニヤと晴を見る。
「…なんだよ」
「え?いやー!凪沙も勿体無いことしたなーって!」
「…はい?」
午後は再びグラウンドに集められた。
試験官の男が前に立つ。
「それでは最終試験を始める。この試験では魔法について見させてもらう。」
と、何やら見た目は血圧を計る機械のような物が出てきた。
「今から成績順に受けてもらう。去年はここで1人しか受からなかった試験だ。」
少しざわめいた。9人もいるのに、1人しか受からないとはどんな試験なのか。
「じゃあいくぞ。中結晴。前に。」
晴が機械の前に立つ。
「この機械に腕を通して、この先端の黒い部分を触って。」
言われた通りに腕を通し、赤外線みたいな黒い部分に手を添える。
「そのまま魔力解放。」
「ん!」
晴は言われた通り力をいれ、魔力を解放した。
横についているメーターの数値がグングン上がってゆく。
「…お、オッケー。合格。て言うか、これは事務局に提出しなきゃだな…」
それを聞いた晴やその他の生徒全員が驚いた。
魔力のテストで事務局提出というのは答えは一つしかない。
この街朝月にはSTEPという、魔法使用において区分する制度がある。
特にSTEP8より上は希少魔法使いとして、事務局に提出され、特別依頼がやってくることや、世界各地にある立ち入り禁止区域にも入ることができるなど、1つ大きな地位を獲得することになる。
現在、STEP8より上は5人しかいないが、晴がその中に入ることになるので、6人となった。
ちなみに、その中の上4人は四天王と呼ばれ、超有名人だ。
とりあえず説明はここまでとして、試験官によると、晴はSTEP8の実力を持っているらしい。
もちろん、文句なしの合格だった。
その後も続くが、なかなか合格者が出ない。一応全員魔法は使えるようだが、数値の基準を満たしていないようだ。
「次、桜原理菜。」
同じように腕を通して手を添える。
魔力を注いで…
「…ギリギリセーフ!」
なんとか基準値を満たしたようだ。
桜原も合格。が残り3人も不合格となり、結局合格したのは晴と桜原の2人だけだった。
最後に合格者はグラウンドに残り、試験官を待った。
「お待たせ。」
一通りの仕事を終え、晴たちの前に現れた試験官。名前は緑明京介。
メインテインの責任者であり、去年、朝月を取り戻すべく、晴たちとともに戦った人。
「ま、お前ら2人が合格するのはわかってたけどな。」
2人に声をかける緑明は先ほどまでとは違い、かなり砕けた話し方だ。
「にしても晴すげーな。さっき事務局に申請しといたから、近いうちに連絡くると思う。」
「了解です。」
「なんか、あんま嬉しそうじゃねーな(笑)」
「実感がわかないだけですよ。」
「なるほどな。ま、そっちは置いといて、明日から2人ともメインテインとして活動してもらう。詳しいことは明日話すから、とりあえずここに来てくれ。」
緑明が地図を渡した。
「明日からまたよろしくな!」
『はい!』
次回は8月12日にお届けできればと思います!
次回もよろしくお願いします!