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Saviour Of Magic   作者: 奏ソウ
14/19

一応の終幕と、事故

さて、青の園編も終わりです!


案外思ってたよりもあっさりでした(笑)

稲瀬のサーチングのおかげで、敵の位置はすぐに特定できた。

3人ともバラバラの位置にいる。

「おそらく、対抗魔法を打ち消したのはすぐにバレるから、早いこと敵のトコいかなきゃなんないんで…」

晴が桜原のほうを見た。

「理菜。一番遠くにいる、ローザ。任せたいんだけどいーか⁇」

「まかせて!」

「えっと…大方先輩。理菜とペアで。」

「おっけー!」

2人が早速図書室を出て、ローザの元へ向かった。

「一番近くにいる森田を、新谷先輩と光太で。」

「…結局中結くんを1人で行かせるパターンになっちゃったね…。」

「さっきも言った通りです。俺は1人でも大丈夫ですよ。」

「…そっか、そうだよね。もしかしたら私たち2人よりも中結くん1人のほうが安全かもしれないくらいだもんね。」

新谷は少し笑った。

「…気をつけてね。」

「先輩もですよ。俺はすぐ片付けてみんなの応援いくんで。」

「…それまでに片付けちゃうから、大丈夫よ(笑)」

「それなら、それで嬉しい限りです。」

新谷はフッと笑った。

「光太くん。行こう。」

「はい!」


まず、桜原がローザの元へたどり着いた。

「あら、かなり早かったわね。これはちょっと予想外…」

「…伊達にメインテインに所属してるわけじゃないんで。」

ローザが一瞬下を向き、また桜原を見た。

「あなたの魔法…おそらく、補助魔法ね。加速、威力の増加、減少…いろいろな補助ができるけど、欠点といえば、その魔法自体には攻撃性がないこと…。」

ローザが桜原の魔法を言い当て、その弱点までつらつらと述べた。

「…もしそれが弱点なら、それを私自身がわかってないと思いますか?」

「そうね…それはあなたくらいならきっとあり得ないわね…。」

「その通りですよ」

桜原の声がローザにはさきほどよりもやけに近く感じられた。

それもそのはず。一瞬で2人の間が5mほど空いていたのが縮まっていた。

そして、桜原が手刀をくらわそうとする…。

ちょうどそのとき、大方が到着した。


ローザたちとの戦いが始まった頃、新谷と稲瀬は、森田の所へ来ていた。

こちらはいきなりの交戦状態となっていた。

「激流!」

稲瀬が近くにある噴水を使って、水系統の魔法を繰り出した。

新谷の魔法はエアーマスター。空気の流れを使う魔法で、現在新谷は浮いている。

空を飛ぶように相手との距離を詰めたり広げたりしながら牽制し、隙ができると稲瀬が攻撃するという戦法。

新谷本人にはSTEP3ということもあり、大した攻撃魔法もないため、ほぼダメージを与えることができない。

しかし、森田とサシでやっても互角に渡り合えるのは、新谷自身の魔法の工夫と頭の良さにあった。

空気の流れを利用して、空き缶のような小さなものでも、相手にぶつけることで大きな威力を発揮させることができる。

そのおかげでかなり戦いは有利に進んでいた。

森田自身は新谷よりもSTEPは高いが、稲瀬とは同等くらいだった。

森田の魔法は炎系魔法。それに特化しているため、バリエーションこそないが、かなりの力で押し切る形の戦い方だった。

稲瀬の魔法が森田を直撃する。

「チ…」

舌打ちした森田が強引に炎系魔法を使って水を振り払う。

そこへ新谷の攻撃がヒット。

勝負はもうほぼほぼついていた。


晴のほうはというと、すでに圧勝していた。

有紗。フルネームは林原有紗はやしばらありさ。林原と出会って間もなく、晴の魔法に圧倒され、なすすべなく終わり、今は立ち上がることさえ困難になっていた。

「…なあ。」

晴が林原に声をかけた。が、返事はなかった。

「…。林原有紗。旧姓和泉有紗いずみありさ。だよな?」

「…なんだ…。わかってるんじゃない。晴くん。」

「…はじめ見たときはわかんなかったけど、戦ってるときに確信したよ。有紗姉ありさねえ。」

「…やっぱ、小さい頃から知ってるだけあるね…。」

「…有紗姉が急にいなくなってから3年。おばさん、毎日心配してるよ。」

「…そう。」

実は晴と林原は知り合い…というか、家が近所だ。

林原は高校2年のとき、親が離婚し、和泉有紗として過ごしていた。しかし、高校3年、卒業と同時に姿を消した。行方は全くつかめなかった。

林原には弟がいるがその弟も今は別の所に住んでいるため、林原の母は1人暮らしとなってしまったわけだ。

「こんな形で有紗姉を見つけるなんて思わなかったけど、そんなことどうでもいい。なんで消えたのか話してもらいたいんだけど?」

「…」

林原は黙ったままだった。

「話せない事情でもあんのか?」

「…ごめんね…。」

「じゃあ、せめて今から俺と一緒に和泉おばさんのトコに…」

「それも無理。」

「…っ、無理無理って、さっきからなんなんだよ!」

晴はいい加減痺れを切らした。

「第一、なんで有紗姉がこんな野蛮な組織に関わってんの?そんなことするような人じゃなかっただろ⁉︎」

「…晴くん。私はどうしても戻れない。でも、お母さんにこれだけは伝えて欲しいの。」

林原が体を起こした。

「私は元気。お父さんの秘密、見つけてくるねって…」

「…お父さんの、秘密?」

「…これ以上はキケン。晴くん。あなたにも今ヒントを与えたわ。後は自力で頑張って。」

「何言って…」

「バイバイ。」

林原がそう言うと同時に林原の体が浮き上がり、空高く昇った。

「勝負は晴くんたちの勝ち。爆弾なら心配しないで。私が解除したから。あとはみんなで撤廃してくれれば終了。」

「…どこ行くんだよ…」

「…また…ね。」

「またねって…」

林原はそのままどこかへ飛び去ってしまった。その後を追うように2人の人らしきものも飛んで行った…。


新谷と稲瀬はすぐに晴の元へ来た。

林原とのことはまだ話さないと決め、桜原と大方の帰りを待った。

が、いくらたっても帰ってこない。

「ねぇ、ちょっと心配だし、見に行かない?」


さきほどから連絡をしているがつながらない。

「ヤバい予感しかしませんね…」

稲瀬がかなり深刻そうに言う。

一応、ローザと桜原が出くわした場所へ到着。

「…ここに戦ったあとがあるな…」

「じゃあ、この近くに…?」

「多分…」

3人は手分けして探した。

外では見つからず、建物の中を探す。

「…何だここ…?」

晴の目の前に現れたのは明らかに他よりも壊れている建物。

夜になればお化けでも出てきそうな、そんな感じだった。

中へ入る。三階建ての一階から順に見て回る。

こんなところで倒れてるなんてあったら相当ヤバいなと思っている矢先だった。

「⁉︎」

瓦礫の下から手が見えていた。

おそるおそる近づく。瓦礫をどける。

「⁉︎理菜!理菜っ!」

桜原がそこにいた。気を失っている。それだけでなく、負傷もひどく声をかけても反応しない。死んではいなかったが…

そのあと、三階で同じようにして大方も発見した。

すぐさま新谷と稲瀬を呼び、救急車を呼んだり、応急処置を施した。

次からは少し間を挟みまして、次なる話へといきたいと思います!


また次回もよろしくお願いします!


でわでわ〜

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