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Saviour Of Magic   作者: 奏ソウ
13/19

大方と、爆弾

今回はメインテインのある人が活躍しちゃいます!

5人は大図書館の中へと入って行った。

「周りを十分警戒してください。とりあえず街の全貌を見たいので、最上階まで上がります。」

大図書館は7階建て。青の園の建物の中では1番大きい。

ゆっくりと、慎重に階段を上る。2階に到達。誰もいない。3階、4階、5階…。まったく誰もいなかった。

「…なんか順調すぎて怖いですね…」

稲瀬が口にしたその一言がなんとなくメンバー全員の不安をさらに煽った。

そのまま6階へ。

「…!ストップ!」

晴が7階へあがる階段の手前のところで壁に隠れるように、全員に指示した。

息をひそめる。

ピッ、ピッ、ピッ…

何か音がした。

規則正しく刻まれるそれは全員の顔を硬直させるには充分だった。

「…爆弾…だよね…?」

晴の後ろに隠れている桜原が尋ねるように聞く。

「多分な…」

「…もしかして、私たちがここへ来ることを予測して…?」

「そうだろうな。…新谷先輩!」

「はい?」

「…爆弾の解体処理の仕方ってわかりますか…?」

「…私は知らない…けど、ちょっと待ってね…」

新谷はポケットから1枚のマイクロチップを取り出した。そこに魔力を少し流す。

たちまちウィーンという音がして、新谷の目の前に液晶モニターが現れた。手元にはキーボードもある。

技術の発達で、パソコンは形を持たなくなり、今のようにチップに魔力を流し込んで電子的なパソコンが主流となった。

「メインテインや警察専用のサイトがあるの。そこに多分…」

しばらく新谷が手を動かしてパソコンを操作する。

「…あ、あった。爆弾の解体処理方法。」

晴が新谷のパソコンを覗き込んだ。

「この中のどれか…だと思うよ。」

いくつか解体処理の項目があり、一つづつ上から見ていく。

「…あ、コレ…」

晴がその中の一つの項目を指差した。

「魔法による、万能解体?」

晴はコクリと頷いた。

「そのほうが下手に配線切るよりも安全です。」

「でも、誰が…?」

「俺がやります。」

「いや、でも万が一のことがあったとき、中結くんの魔法がないと私たちが全員やられちゃうよ…?」

「あー…。でも…」

晴がメンバーを見回す。爆弾の解体処理をしてくれそうなメンバー。リスクが大きすぎてそんなもの頼みにくすぎた。

珍しく晴が困っている。そんな中手を上げたのは、ここまで静かに行動していた大方だった。

「ウチ、やる。」

「え、先輩がですか…?…でも、もしものことがあったら…」

「大丈夫!」

大方は自信満々といった感じだった。

「実はウチのお父さん、警察で爆弾処理の仕事に深く携わってるから、ウチもちょっとくらいやったらわかるし。」

これには晴も驚いた。

「…じゃあお願いできますか?もちろん、なんかあったときは俺の魔法があるんで安心してください。」

「まかせて!」


かなり爆弾は危険なところまで来ていたようで、あと5分で爆発という状況だった。

大方は魔力がそれほど多くないためここで魔法を使用すると後に響いてしまうと考えた。そのため、魔法による解体ではなく配線を切っていくオーソドックスな手法で解体作業を行った。

新谷がパソコンを見ながら指示を出し、それに従って大方が作業していく。なんとなく大方の手つきが慣れているような気がした。

「…ふー…。美憂。次は?」

「えっとね…。あ、あと残ってる2本の黄色いほう切ると終わりだと思うよ。」

「了解…」

パチン!と黄色い配線を切った。

「…。終了。」

どうやら無事に時計もとまり、解体できたようだ。

わずかに やった! という声をみんなが漏らした。

「先輩、お疲れ様でした!」

「やっぱ、久々にやったら疲れるわー。」

晴はこの言葉に疑問と納得両方の感覚を持った。

「…なんとなく手慣れた感じだったので、経験したことあるみたいですけど、…一体どこで…?」

「え、あぁ。実は中学の頃、メインテインになるって話をお父さんにしたら、お前も一つの役に立つ特技もったほうがいいかもしれへんな って言って、解体処理の模擬演習何回もさせてもらっててん。実際に切ったんはこれが初めてやけどな(笑)」

この話には流石の晴も驚きを隠せなかった。

「…自信があったから、迷いなく手で切る解体方法をとったんですね…?」

「うん。まー、慣れてるほうがいーしなー。」

ツッコミたいことは多々あったが、納得できる部分も多く、なにより大方のおかげで助かったので、ここはこれ以上詮索しないことにした。

気を取り直す。

「さて、じゃ、上あがりましょう。」


1面ガラス張りの7階に到着。

全員で目を凝らしながら敵の位置を確認する。

晴と桜原は少し探して敵が見つからないとわかるとすぐ、青の園にかかっている対抗魔法をさらに消すべく、魔法陣を書き始めた。晴の手にはケータイ電話が握られていて、誰かと話しながら魔法陣を書いていく。

「理菜。そこで一本引くと最後だ。」

「了解」

桜原が魔法陣を構築し終えた。

「ねえ」

新谷が2人に話しかける。

「どうして、その魔法、ここ入った時に使わなかったの?」

晴が あぁ と言って新谷の疑問に答える。

「ここは高度が高いですよね?」

「え、うん。まあ…」

「対抗魔法は上空に張られています。魔法陣を使う魔法を得意とする人なら、入り口でもいけるんですけど、俺たちみたいにちょっと齧った程度の魔法陣は明らかに力が弱いです。だからできる限り、大元の魔法に近い場所から発動させなきゃならないんですよ。」

「へー…」

新谷は感心した…という感じだった。

晴がメインテインに入ってからというもの、驚くことばかりだ。

「じゃ、発動します。ちょっと全員下がって。」

晴が魔法陣の前に立ち、他のメンバーを魔法陣から遠ざける。

魔法陣に手をついた晴は一気に魔力を注ぎ込んだ。

「光太!頼む!」

「りょーかいです!」

稲瀬がサーチングを開始した。

「…あ!敵の場所、掴めました!」

「ふー…。よし。」

晴がニッと笑った。

「攻撃、開始!」

ようやく戦えますね…


しかし、私自身戦いはあまり得意ではありません…(笑)


それでは、また次回!

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