ゲームと、トラップ
一週間ぶりです(笑)
なかなかペース良く更新できませんが、是非お付き合いください!
「ルールを説明します。」
有紗という女が一歩前に出た。
「私たち3人が先に青の園へ入ります。そこから5分。5分後に、あなたたちは青の園へ入ってください。」
「ちょっと待って!」
桜原がすぐに否定した。
「なんであなたたちが先なの?」
「…なんでって、当然じゃない。私たちがカギ、握ってるんだから。」
ローザ・フレアが冷たい笑みを浮かべた。
そう言われると桜原も反論しようにも出来ない。
「…理菜。今は向こうに従うしかない。」
「…晴…。…わかったわ。」
「続けますよ。どちらかが全員、戦闘不能になれば終了。敵は殺しても構いません。無論、私たちは殺します。」
「…いーだろう。」
「ちょっと、中結くん!」
今度は新谷が止める。
「殺す殺さないなんて、そんな話…」
「仕方ないです。どちらにしろ、ここで要求を断れば青の園や初青だけでなく、俺たちもどうなるかわかりません。」
「で、でも、それじゃ、相手の思惑通りに…」
「俺がさせるとでも?」
晴の声は冷静で静かだったが、少し怒りも含んでいるようだった。その言い方に新谷は反論出来なくなってしまった。
「…。あ…。ううん、わかった。」
何かを言おうとしたが、無理矢理納得してくれたようだ。
「間違っても、俺は誰1人殺さないし、殺させません。」
「…そう。なら、それを信じて戦うしかないわね。」
新谷は少し笑った。
「全員で協力して必ず勝ちましょう!」
「こちらの要求、飲み込んでいただけますね?」
飲み込むもないも飲み込む以外の選択肢はないだろう。と、言い返したくなったが、控えた。
「それじゃ、開始します。」
同時に窓ガラスがパリィィン!と割れ、そこから3人が出て行った。
石里に起こったことをザックリ説明して、校舎内の人間を避難させるよう言った。
「中結!」
「はい⁇」
「…気をつけろよ。」
「…ええ、わかってますよ。」
青の園へ入る前に作戦を少したてた。
「まず入った瞬間、稲瀬。サーチング頼む。」
「わかりました!」
「サーチングで敵の場所を特定したら、理菜。一気に1番近いヤツのとこまで走って。」
「1番近いヤツね。りょーかい。」
「それを大方先輩は追ってください。」
「ウチ、足あんま速くないんやけど…」
「大丈夫です。ちょっとくらいの時間なら、理菜が充分対応してくれてます。」
「つまり、ウチは援護として行くってこと?」
「それもあります。でもまずは不意打ちを食らわしてください。」
「不意打ち?」
「敵が理菜にとらわれてる間に、先輩のもってる魔法で1番威力のあるものを発動させ、敵にヒットさせることが出来ればそれでOKです。あ、くれぐれもミスって理菜に当てないように。」
「…わかった…やってみる。」
「お願いしますね。で、次、1番遠くにいるヤツの対応は、光太と新谷先輩で。」
「え、それだと中結くんが1人に…」
「俺ですか?俺は大丈夫ですよ。」
ニコッと笑って返した。
「ホントに?」
「ホントです。だから安心してください!」
「…じゃ、任せるね。」
コクリと晴は頷いた。
「さて、もし敵が1箇所に固まってた場合は普通に全員で総攻撃をしかける。2-1で分かれてた場合は俺が向こうで指示します。何か質問ありますか⁇」
全員大してなさそうだった。
「それじゃ、そろそろ5分です。行きましょうか。」
青の園の入り口に岩沢とその仲間がいた。
「晴!」
「あ、ありがと。助かったよ。」
「さっき、何か怪しげなヤツらが入ってったけど…」
「あぁ。それを追い出すのが俺たちの仕事だ。」
「…俺たちまだ手伝えるけど何かすることないか?」
「…気持ちはうれしいけど、これは俺たちだけじゃないとダメだ。ちょっと厄介なことになっててな…」
「…でも!…。いや、わかった。ここは晴の言う通りにするよ。…気をつけろよ。」
「あぁ。」
5人は青の園へ入った。全員避難したため、街は閑散としていた。
「じゃ、光太。頼む。」
「はい!」
稲瀬がサーチングを使った。
「…どうだ?」
「…先輩…。対抗魔法使われてます…」
「…やっぱそうか…」
「?2人とも、どういうこと⁇」
新谷が少し早口に言った。
「サーチングは魔力をそのまま指定の範囲にエネルギーとして投入することで、敵の魔力と反応してわかります。でも」
晴が新谷のほうを向いていたが、青の園のほうへ目線を戻す。
「ここにはそれを妨害する魔法が仕組まれてます。俺も入り口に来て、なんとなくイヤな感じがして、もしかしたらと思いました…。おそらく敵の1人に協力な術式を使えるヤツがいます。」
「え、じゃあ敵がどこにいるのかわからないの…?」
「それだけじゃないです。おそらくあちらこちらにトラップが仕組んであります。」
「トラップ⁉︎」
「はい。これは正直相当厄介ですね…。高度な術式に対抗魔法。たくさんのトラップ…」
晴はぶつぶつと言いながら考えた。
「…。作戦変更です。5人全員で行動しましょう。周りには細心の注意を払って。俺が先頭でなるべく被害少なくしますから。」
「…被害を少なく…?って?」
新谷が眉をひそめた。
「ま、言うより、見たほうが早いですよ。」
晴を先頭に5人は歩き出した。
先ほどからやはり敵はたくさんのトラップを仕掛けており、爆発やら、水が飛び出たり、火が向かってきたり、雷が落ちたりと忙しい。
しかし、晴の魔法により、そんなものは一切通用しなかった。
晴の使っているのは、召喚魔法の中でも特に高度な魔法、そしてその魔人が使う、最強防御魔法。神の光。
晴は超強力魔人のHolyという魔人を呼び出した。
HolyはSTEP8以上でないとまず呼び出すことさえできない。
それに加えてそれを操るには膨大な魔力がいる。
並大抵の魔力なら操るに至らないが、晴は違う。魔力はおそらく朝月イチ。
操ることになんの不自由はなかった。
そんな晴が魔人を通して今使っているのが神の光。
現在発表されている魔法の中ではもっとも強力な防御魔法。それを自分だけでなく、自分の周囲の人間ごと覆わせているので、相当な魔力がないと死んでしまうほどだ。
被害を少なくどころか、全く被害はない。
「ねえ、中結くん。」
新谷が後ろから聞いた。
「何ですか?」
「こんな奥の手みたいな魔法、使っちゃっていいの?」
晴がフッと笑う。
「使える魔法はしっかり使わないともったいないでしょ?それに、これはこちらの力を誇示する意味も含めてます。」
「…誇示?」
「ええ。俺はこんな魔法を使えるという一種の挑発ですよ。」
「敵はそんな挑発にのるかしら。」
「別にのらなくていーんです。こちらには強力な魔法がある。ということを向こうに意識させるだけで、動きは格段に悪くなります。」
「策略家…といえば聞こえはいいけど、率直に言っちゃうと…性格悪いわね。(笑)」
「悪くてなんぼ って感じのことを言ったのは先輩です。」
「…よくわかってるじゃない。」
「まぁ、俺もダテに試練乗り越えて来たわけじゃないんで。」
「うーん…。戦いの味方って考えると心強いけど、せっかくカッコいいのに恋愛にするとモテないよ?」
「別にモテたいとも思わないんで結構です。」
「え、ホントに?」
「ええ。」
「年頃の男の子の言葉とは思えないわね。」
「モテなくても、俺のことをよく理解してくれる人がいればそれが1番です。」
「…なるほどね。それもそーか。」
「さ、一応そんな無駄話してるウチに端まで来ましたよ。」
少し時間をかけて青の園の端にある図書館まで来た。
青の園の図書館は世界で一番資料の数が多いことで有名。
そのため、建物自体もすごく大きい。
「ここからは全員、魔法の準備してください。」
いよいよ、ゲーム、開幕。
相変わらず、戦いのシーン書くのが苦手なので、若干逃げてる感じがあります(笑)
もっとカッコよく戦闘シーンが書けるようになったら、
もっと増やしていきたいなー…
では、また!