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7/12

なんだかなぁ

久々の投稿です。受験シミュレーションを済ませ、取敢えずホッとした主人公が真知子から文化祭に呼ばれた・・・。

受験前の最後の追い込み時期に、真知子から一枚のチケットを僕は渡された。彼女の学校の文化祭だそうだ。基本的にお嬢様学校で有名なこの高校は、僕は祖父がここの教員をしていた経験もあるので、その雰囲気は良く知っていた。表向きは男子禁制だが、彼氏を連れて来る女子生徒は後を絶たないと真知子はこぼしていた。


 そうして僕は初めて女子高の文化祭に顔を出す事になった。嬉しくない事もなかったが、これで彼女の狙いははっきりした。つまりはまだ1年生だから、彼女自身が自分の顕示欲みたいなモノを示したかったのだろう。その為に僕は担がれたのだ。僕はそう邪推した。今思うと本当に素直じゃないね。しかしまぁ、その邪推はどうやら当たってしまった。僕はその日、寝坊した。というよりも前の日もまた徹夜で金曜の夜なのに、遊びにすら行けない、朝4時迄勉強をしていたのと、色々な邪推が頭を掠めて眠れなかった。


 朝11時に目が覚めて僕は急いで身支度を整えて文化祭に顔を出した。真面目な学校だからどうせつまらないだろう、と思っていたが全く退屈ソノモノで、出店もロクに無い。何だか文化部の作品発表的な出し物ばかりが続く。しかも肝心の真知子はどこにいるのかすら、さっぱり分からない。彼女から事前に学級番号は聞いていたのでそこに行けばまぁ、何らかの手掛かり位はあるでしょう、そう思って顔をだして

も彼女はいない、一通り取り合えずは見てみたが本当に退屈極まりないモノばかりだった。


 そもそも僕は自分の学校の文化祭も体育祭も、サボる口だった。体育祭などはひどい。僕の学校はグラウンドをちゃんとは持っていないので、区のスポーツセンターを借りるのだが、殆どロッカールームで一人眠っていたし、文化祭も、いつも顔だけ出していた放送部の部室、アナウン室か、使われない教室のどこかを見付けてやはり眠ってたり本をずっと読んでいたりと、とにかく常に一人でいた。体育祭は中学の

時もアナウン室で、一応、音響の調整と管理、という役割を自分で作って殆ど本を読んでいるか、眠っているか、どっちかだった位だからその辺は筋金入りだった。


これは余談だけど………とうとう、大学を卒業する迄、○○祭、と名の付く事に参加して、楽しんだ、という学生らしい思い出など一つも無く、ただ面倒で、ただ眠たかった。祭りやイベント事が僕は大嫌いだったのだ。まぁ、女子高の文化祭に顔を出す事が出来た、というこの思い出位が思い出らしい思い出だがこれも、何かアトラクションを見たりしたのは最初の10分だけで、あとは欠伸の連続だった。


 ただ、美術作品の展示コーナーがあり、そこで真知子の名前がある鉛筆の絵はとても上手で、へぇ〜、たいしたもんだなぁ、こんなに鉛筆で綺麗に描けるんだ、と素直に感動した。本当にそれ位しか憶えていないので自分でも何だか今思うと悲しくなる。グルグル退屈なアトラクションを2周位廻ってようやく真知子を見付けたがもう午後の3時を過ぎていて4時には閉門をするからとっとと学校を出なければならなかった。外は今にも泣き出しそうなお天気で鉛色の空が僕の気分を一層、滅入りさせた。真知子の友達が僕に気を遣ってくれて、二人だけにさせてくれた。この友達は結構気の利く事をこの文化祭の時だけでなく、通学の時とかの他の場面でもしてくれていて、むしろ友達として僕はその友達の方を気に入ってい

た。但し女としてでは無く、人間として。普段からの気遣いが僕には有り難かった。そして二人で並んで校舎を出る時、僕はその景色に驚愕した。真知子はどうやら学校では人気者らしく、4階だか5階だかの校舎ベランダから、沢山の生徒さんが僕等を見ている、そしてキャーキャーと歓声を上げて僕等二人を送り出してくれたのだ。この時はちょっと嬉しかった。二人でお手つないで仲良く歩いている。何だかいい

気分だったがすぐに僕の中の邪推が確信に変わった。



「あぁ、真知子はこれがしたかったんだ。」



僕はどうやら道化かも知れないな。もうどうでもいいや、そんなヤブレカブレな気持ちになった。自然ともうこの子とは何も無いな、どうする事も出来やしないだろうな、そんな気持ちばかりが心の中の声として僕には響いた。道化ならそれらしく、と思い、僕はその校舎から乗り出す女の子に向って手を振り、ニコニコ笑顔を作った。心の中は、もうやぶれかぶれだった。


 帰り道も殆ど会話も無く、僕は終始不機嫌なままだった。いつもは家の近く迄送るのだが、その日はもうそんな事も面倒臭くなり、乗り換えの駅で普通に、



「じゃあね。」



と言って別れた。帰りに喫茶店に寄ったりもしなかった。何も話をしたくないから、もうこの子と一緒にいる事自体が面倒臭く僕もなっていたのだった。それよりも受験に専念しなければ落ちてしまう、それはかりが頭を擡げていた。



 そして僕は勉強にまた、集中した。そこにはもう真知子の事など一切頭には無い。



 そしてシミュレーション通りに僕は大学受験を敢行した。そしてまず、最初のT大学受験を迎えた………。

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