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夏休み終わり!

夏休みが終わり、けれども受験生の「僕」には関係なく悶々とした生活が続く・・・。その中で・・・。

 9月のある土曜日、学校は早めに終わるのでとっとと家に帰って勉強をしよう、そう考えて学校から寄り道もせずにとっとと家に帰った。その電車の中でその女の子を見掛けた。最初は顔すら覚えていなかったのだが、よーく面影を思い出してみて、分かった。友達と楽しそうに談笑をしている。僕はいつも一人だったので何だかそういう集団を見るといつも嫌な気持ちになる。その時もそうだった。たまには中学の同級生と一緒に通学するのだがその中学の同級生は、実は中学の時など全く話などした事は無く、彼に僕の印象を聞くと、


「お前は野球部だったからやっぱり色々と華があったよな。うん、だって体育祭とかでも目立っていたし、それにうちの野球部、やっぱり強かったしな。」


「お前だって卓球部だし、同じ運動部だろうが。」


「野球に比べると大した事ないよ。」


そんな感じだった。決して僕は目立つつもりも無かったし、華なんてある訳もないと自分では思っていた。しかしながら影響力はそれなりにあったなんてこの時初めて知ったので向こうは僕と今こうして話をしたり友達付き合いをしているのに驚いているらしいが、僕の方が驚きだった。決していい中学・高校生活でもなかったし、嬉しい事など殆ど無かった。むしろ悲しい事や嫌な事ばかりが周囲には付き纏い、その上僕の両親や親戚の不和も発覚し、いつも家に帰るのが嫌で嫌でしょうがなかった。それに姉との関係はもっと悪く、僕が今もって女性恐怖症のような感覚を持ち続けているのもヒトエにこの姉との関係が悪過ぎたのが原因だった。特に思春期で色々と感じやすい年頃だったから尚更で、姉は逆に僕との関係が悪すぎるのが原因で未だに男性と結婚する事が出来ない。

 

 


 もうお互い31と28だ。いい年コイテ思春期の嫌な、余りにも強烈過ぎる程に嫌な体験を胸に抱いているので、二人とも恐らく、虚しくて、切ない気持ちばかりがあるだけだろう。今もって僕も姉も結婚出来ないでいる。多分お互いの理由は、自分一人でも充分に生きていけるから、という理由とこの思春期にお互いが味わった、嫌な記憶が身に染みているからじゃないかな?、そう思っている。

 

 

 

 そんな一番感じやすい頃の僕だったので、まさか、こんな形で女の子とのお付き合いが始るなんて、夢にも思わなかった。

 手紙を僕に渡した張本人に僕は偶然見掛け、仕方が無いから声を掛けた。

「あのぅ、太田真知子さんですか?。」

友達と談笑をしていた車内で僕の姿を見止め、彼女達は一瞬で静まり返った。

「はい、そうですけど………。」

「あっ、これぇ………。」


そこから二人は何も言えなかった。お互い顔が真っ赤になって、特に色白の僕はその真っ赤な顔が余程目立つらしい。雰囲気を察した友達のみんなが、


「じゃぁ、アタシ達、ちょっとここから離れるね。」


みたいな事を言って、その場をはなれた。しかし二人はそのまま何も話せずにジリジリと最寄の駅に到着しそうになっていた。………結局殆ど会話らしい会話など、出来なくてそのまま別れてしまった。しかし明確に分かった事もある。それはこの手紙はけっして冷やかしではない、と言う事で、彼女はなんで夏休みに一切連絡くれなかったのですか?、と言って来た。



 実はその時初めて気が付いたのだが、封筒の裏側に連絡先が書いてあったのだ。それから毎日、僕は朝早い時間の電車に乗らないと学校に間に合わないからと、彼女は僕の乗る電車の時間に合わせて学校に通学するようになった。学校の行き、帰りだけだけど、ここで一応、初めて僕に彼女が出来た。

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