第一話 息子が癖強従魔を連れてきて帰ってきた
「やっと、魔王を倒したのか……」
暗黒色の粒子となって消えていく魔王……。それを僕らはただ呆然と見ていた。
疲れていたからかもしれない。だけど、同時にこれで帰れるかもという安心感と本当に帰れるのかという不安を感じていた。
クラスメイト39名、全員死ぬことなく魔王を倒すことができた…。そして、成長した気がした。この一人暮らしと言えるこの生活と、みんなとの集団行動……。
「雷霧…。私達…倒したんだね! 本当に! ここまで…8年…(`;ω;´)」
彼女は坂原囀、召喚される前からの大切な彼女だ。
「そうだね…。だけど、本当に帰れるのだろうか…(´・ω・`)」
「きっと帰れるよ! 信じよう…!(๑•̀ㅁ•́๑)✧」
召喚されてから8年間の間ずっと使って底が破けそうな大きなリュックからスライムが飛び出してきた。
「雷霧ー! 終わった? ・ω・」
「ああ…シュム、やっと魔王を倒したぞ! なんかごめんな…(´・ω・`)」
「なんで謝るの!? 僕とリトは魔王よりも雷霧を選ぶって決めてるし、こっちのほうが僕達に合ってるし!」
「……そう」
こいつはスライムのシュム、まあ冒険中に出会った雑食系スライムでスキル『複製』(一度食べたものを複製することができる)、魔法属性無属性を持っている特殊なスライムだ。
「はぁ…はぁ…やっと終わりましたか…。僕、ヘトヘトォ…(´;ω;`)」
こいつは魔法の反動やびっくりすることなど些細なことですぐ昇天しかけてしまうスキル『昇天戻り』、それでもって全属性(火・水・風・光・闇・無)魔法持ちのゴースト?のリトだ。
「また魔法の反動で昇天しかけたのか…(笑)」
「な、何笑ってるんですか! こっちだって昇天しかけるのは生きた心地しないんですから! :( 」
「え!?(笑) あんたもう死んでるじゃんか! 今更生きた心地って (*´∀`*)」
「はぁ…いつもの雷霧さんだ…(´Д`)」
クラスメイトみんなよく頑張った。それにしても8年、長かったな…。
◇
僕達はある日教室で朝のホームルームが始まるので全員で着席していたんだ。そしたら、床に何か不思議な
模様が浮かび上がってきて机や椅子などを含め『異世界』に召喚されたんだ…。
最初は驚いたよ…まさかファンタジーが…ってね。
で、みんなは勇者として魔王を倒すことになったんだ。そして、能力チェック?っていう何やらこの世界で取得できる種類が多い不思議な力『スキル』とよくある『魔法属性』を調べるんだとか…。
それで委員長やムードメーカーはいわゆるチート級のスキルや魔法属性を持っていたんだ…。
やっぱりある者にはあるんだって実感したよ。そして僕の番がやってきて結果が…
スキル『文豪たちの記憶』(文豪が書いた本を読むことができる)、魔法属性無属性…って、最初は『え! これって雑魚スキルから成り上がる系かな?(*´ω`*)』って思ってたけど、本当に本を取り出したり消したりするだけで読むのみ…。もうこれ何何って思ったよ、これからどうすりゃ良いんだよ!( ゜д゜ )ってね…。まあ実際本当に不安だった。
だけど、囀さんが慰めてくれたんだ…。本当に僕の天使だ。( ;∀;)
「大丈夫だよ! 篠原くん! 私はスキル『吾輩は猫である』っていう、猫又とか山猫?っていう能力を使えるんだって! それに文豪と吾輩は猫であるって、なんか夏目漱石みたいだね!(*´∀`*)」
「そ、そうなんだ…(いや僕より使えるやつやん!(¯―¯٥))」
でも、後から本当に『精神面』でみんなに役立てることができた。ここは、異世界、娯楽も貧しい。
そこに日本語で書かれた文字の本、もうこれは心の支えだろうが!(´;ω;`)
それに、会話はできるけど読めないっていう言葉の壁があったから異世界ではいろいろと本当に苦労した。
衛生面、トイレはかろうじて水洗式でトイレットペーパーみたいなのがあったがお風呂に関しては完全に温かい水の水浴び状態、汚れもあまり取れない…(+o+)。
そして、一刻でも早くこの異世界から脱出することにした。まあ長かったけどね…(;´∀`)
でも従魔、いや相棒となった二人のおかげで異世界で様々な分野においての革命を一緒に起こして今や、魔王がいなくなりモンスターだけとなったこの世界では、脅威はある程度取り除かれ、文明も『僕達』のおかげで発展して地球でいう20世紀まで進歩した。
◇
こうみんなに話しているうちにどうやら帰れるみたいだ…。体が今度は光明色の粒子に変化して相棒もクラスメイトも彼女もみんな地球に戻ろうと消えかかっていた。
「やったーーー! やっとこの『厳しい』世界から地球へ帰れるんだ!(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)」
「これを…これを…ずっと…待ち望んでいた…!(≧▽≦)」
「生きててよかった…ほんとに!(´;ω;`)」
あ、今なぜ相棒も一緒に消えているかって? 召喚魔法の制約で召喚された者にしか適応しないはずだって思っただろ? でも違うんだよね、少し裏があるんだ。召喚された者ってことは、相棒と一体になれば一緒だろ? 極論だけど、まあこうやって一緒に消えているんだからいいじゃないか(^O^)
それに、僕はやることがある。もう決めてあるのだ。それは…異世界で魔法の便利さや快感が癖になってしまったので地球に帰って、相棒と一緒に『魔道具』を作ろうとしているのだ!(⌒▽⌒)
この異世界を20世紀にしたんだ。ならば、地球を22世紀に僕達の手で変えてやる…∠( ゜д゜)/
あの漫画のような世界にしてやるぜ! リトとシュムにも前々から言っていて、リトは魔法にとっても詳しいからもう僕は今からドキドキだ((o(´∀`)o))
「雷霧! 地球でもよろしくお願いしますね!(*^▽^*)」
「囀…(。・・。)」
そして僕達39名は異世界から地球に帰還したのであった。
◇
ガタッ!
「い、痛ってぇー! もうなんだよ机にぶつかったのk…。ここって…」
僕は目を開けると僕達一年一組の教室であった。
「や、やった! 教室だ!( ;∀;)ウレシナキ」
「私達、本当に帰ってきたんだね!(>ω<)」
やった…。やっと…やっと…。
そして僕は泣きそうになった、懐かしいチョークの香り、それに校庭…雪がかかったほどの壊れたタイヤが放置されて…ってあれ? タイヤが無くなっているぞ?
それに時間は夕方の17時ぴったりだ、それに極めつけは…
「2026年 2月3日…!?(・・)」
なんと、異世界で過ごした時間の8年間がそのまま反映されていたのだ…。え、こんなことってありかよ
∠( ゜д゜)/!!
まあ魔法がある世界にいたんだから良いじゃんか…って、まあそうだけど…さすがにこれは別の意味であって…。
ーーガラガラ
引き戸が開く。
「こら! ここで遊んでないで部活やるなり家に帰るなりしろ〜(・∀・)…って…え…?(・・)」
巡回してきたのはあの寝癖まみれだけどいい感じの髪型になぜかなっている我が担任兼物理担当の山下先生だった。
当時初めてこの高校に来た二十代後半だった先生は8年もこの学校にいたのだった。なぜだかは知らないが、まあ大体5年で異動になるはずだが優秀だったのだろうか…。
「や、山下先生…!?」「っぷ(笑)! 寝癖が今でもひどいとは!」
「お久しぶりです!」
山下は当時突然と消えたクラスメイトを目の前にして、目を何度もこすっていた。
まるでこれは幻影なのではないか、と…。
「み、み、みんな…! みんななのか!?(`;ω;´)」
そして先生は顔を真赤にして職員室へ向かおうとした。
「と、とりあえず、せ、先生だ! う、うちの教え子たちが帰ってきたぞーーー!!!」
大声をあげていた。感極まっているようだった。
「ふふ(^^)、山下先生、すごく興奮しているね!」
囀が僕に話しかける。
「当然だよ。なんていったって8年もいなかったんだから…」
みんなから愛された先生、山下。職員室から先生たちを連れてきて大騒ぎ!
「ま、まさかあの生徒さんたち!?」「と、とりあえず警察に!」「いや病院のほうが先だよ!」
「いや保護者が先だ! 保護者に連絡を!」
保護者…か。そんな単語8年ぶりに聞いたよ…。
そして程なくして警察や救急車が校内に何十台も止まった。そしてどこから嗅ぎつけたのか、テレビ局の車まである…。まあ、僕達が消えたことはニュースになっててもおかしくないか…(;´∀`)
外に出れば防護服?を来た人達が待っていた。まあどこにいたのかわからないからな、未知のウイルスに感染していたらってなったら困るもんね。
『ニュース速報です! 8年前に集団で消えてしまった生徒たちが、今、当時のままで帰ってきました!!』
救急車の中にある小さなテレビが報じていた。
ここで一つ、召喚魔法の制約はもう一つあって、目的の達成による強制送還の他に年齢不動っていう、いわば当時の年齢のまま異世界にいる間は年を取らないっていう魔法があったんだ。びっくりだよね…。
魔法に詳しいリトでもその魔法は召喚魔法だけがもっている特性なんだとか…。
「もう我慢できない!(>ω<)」
シュムが僕の無属性魔法『亜空間生成』でできた亜空間からでできてしまった。
「な、なんだこの生き物は!」「ジェ、ジェル!?」「しゃ、喋っているぞ!」
「あぁ、あぁ! まだ出てきちゃ駄目だって!」
「もう狭すぎます、雷霧さん。僕の亜空間のほうがもうちょっと広いよ?」
「ちょ! 今はそれ言ってる場合じゃ!」
「こ、今度は、ゆ、幽霊!?」「もうわけがわからない!」
救急車内は他と比べて大混乱。
そして、病院につき、僕達の体の検査をとことんやり、その後は警察の事情聴取、そして極めつけは病院前に待っていた記者たち。
それに、相棒たちも写ってしまった…。
『ニュース速報です! 生徒たちが出てきました…ってあれはなんなのでしょうか! 幽霊?にぷよぷよした不思議な生き物が彼について行っています!』
警察車両で送られることになった僕はテレビで相棒たちが写った映像を見る。
「あぁ…これもうやっちゃったかな…( ;∀;)」
「あ! 雷霧を泣かした! リトのせいだ!」
「いや、これはシュムのせいでは?」
「まあ、いいか…。なんか他のバカが魔法使ってるし…_| ̄|○」
テレビにはあのクラスメイトたちの通称バカたちがテレビだからって公で風魔法と水属性魔法の合体技使ってるし…これじゃ僕達『異能力者』として怖がられるかもな…、それかどっかの研究所で隔離とか…。
まぁ、それはないはずだ。だって、例えばギフテッドっているだろ? IQがとんでもないやつ…。そういうのも隔離とか何もされないってことは、この魔法とかだって、ギフテッドの類だよ! うん、そうだよ!
(多分違うと思うが(^o^;))
「大丈夫だよ! 僕達がいるじゃんか!(^^)」
「って、明かりが…! 明かりが…眩しすぎます!!」
シュムは僕を慰め、リトは街灯の明るさに昇天…。もう半分カオス状態だ。
そして一ヶ月の健康チェックの検査員が家に毎日やってくることになった。一ヶ月って長いな…、まあ8年に比べたら短いけど、監視されるのなんか落ち着かないな…。
そして家に到着した…。




