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1 掲示板書き込みました!

 コンプレックスを感じている俺には大切なネッ友がいる。

 ゲームで繋がった友達しかいない。

 黒髪黒目のいたって普通の日本人である彼は、低身長をコンプレックスとした高校2年生の篠原(しのはら)奏絵(かなえ)。身長、152cmの男子である。こんな見た目でこんな名前で高校2年生の男子である。篠原は、今、コンピュータに向かって何かを書いている。そして、相手に切れていた。

 篠原は学校に行くと、必ず身長に対するいじられが生じる。

 そのため、彼は不登校になっていた。


 その彼がある時、パソコンでゲームの攻略情報を求めてネットで検索した時に検索広告に出ている上側の文章を思わず二度見してしまう。

“オタク集め掲示板|(基いコンプレックス掲示板)”

と言う掲示板を見つけてしまったからである。

 彼は、一目散にクリックした。

 

  『名前(ニックネーム)を入力』


 篠原だから“しののん”でいいや、と入力すると……


 『“ ウェルカム“しののん” ”』


 という画面が表示された。すぐさま、掲示板が動いた。


 『るる|(掲示板主)

 しののん、登録ありがとう!

 私は、るるです!

 よろですよ〜

 19:29』


 “るる”という人物がこの掲示板の主らしい。


 『ゆんゆん

 しののん、よろ〜

 私、ゆんゆん

 仲良くしてね〜

 19:31』

 『ミツバ♣

 しののん、ウェルカム〜

 よろよろのよろ

 19:31』

 『リンネ

 よろ

 19:32』


 結構人いなそうだなとホッとする奏絵。そして、初めて書いたのが


 『しののん

 よろしくお願いします!

 19:33』


である。何故か硬い。そう奏絵自身も思っている。

 掲示板って書きづらい、そう思っていると


 『るる|(掲示板主)

 そんな改まってないでよ

 推しについて語り合おうってものだから!

 19:35』


と返信が来てびっくりした。すぐに書こうとするも文章が思いつかなかった。

 それでも掲示板は動く。


 『ミツバ♣

 やっぱり緊張?

 19:38』

 『ゆんゆん

 緊張しないで〜

 すのままでいいよ〜

 19:39』

 『リンネ

 慣れてって

 19:39』


 そう来たため書き込んだ。


 『しののん

 わかった。

 だんだん慣れるよ

 19:40』


 そして、掲示板は推しについての話になっていく。


 『ミツバ♣

 推しは誰?

 19:41』

 『るる|(掲示板主)

 気になります〜

 19:41』

 『ゆんゆん

 私はアクア(アイしつ)推し〜

 19:42』

 『リンネ

 先に言われてるww

 19:43』

 『しののん

 僕はももちゃん(らんえん)です!

 19:45』

 『るる|(掲示板主)

 というと、ロリ好きです?

 19:45』

 『ミツバ♣

 おお〜

 19:46』

 『ゆんゆん

 マジすか!?

 その作品見てみたいな〜

 19:46』

 『リンネ

 その作品か〜

 私も好きだわ〜

 ちな私は、天使くんの天使くん推しだよ

 19:47』

 『ミツバ♣

 俺の推しは、伊藤ミツバ(いもかわ)〜

 19:48』

 『るる|(掲示板主)

 いいですね〜

 らんえんなんて凄いいい作品じゃないですかー!

 私の推しはルリ(輝天)です!

 19:50』


 好きな作品のことについて語りたいと思ったら、母から

「お風呂入りなさいよ!たまには外にもでなさいよ」

と言われたので、仕方なく


 『しののん

 申し訳ないです、今日はここまでで

 19:54』


と打った。すると


 『るる|(掲示板主)

 はいはーい

 じゃあの〜

 19:54』

 『ゆんゆん

 また話そうよ〜

 19:55』

 『ミツバ♣

 またね~

 19:55』

 『リンネ

 では〜

 19:55』


と全員から返信が返ってきた。

 こうして、この

“コンプレックス掲示板”

にはまっていった。



 彼には妹がいる。

 その妹、篠原莉瑠(りる)は、兄の開いたままのパソコンを見て

「私の掲示板に参加してくれてありがとう、お兄ちゃん。」

と小さく言った。

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