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第3話 それぞれの次の道

「さて、お次はパーティーのあとの話」



「ローズ、起きてそろそろ準備してね〜」


「はい、かあさま」


ローズは眠い目を擦ってそう答えた、パーティーのあと本家に泊まる事になり今日の昼、ルドと共に帰る


「ローズ、少しいいか?」


「はい、お祖父様?」


顔を洗って身支度を済まして本を読んでいたところに、お祖父様に呼ばれた


「昨日のパーティーでルドに送った像があったろ?」


「はい、送りましたね」


「あれを気に入った貴族がいてな、次作ることがあれば売って欲しいらしい」


「いいですよ!でも魔法陣はすこし時間がかかりますけど」


「なら、完成したらうちに手紙を送るといい!従者を送る、売上はそのままお前にやろう!」


「いいんですか?」


「何がだ?」


「だってその貴族に送るのにもお金がかかるのでは?」


「ああそれなら問題ない!どのみち近々行くところだからな!」


「そうですか、わかりました!できたら送りますね」


いくらぐらいになるのかな?まあ、あのぐらいのなら銀貨2枚ぐらいかな?


そんなことを考えながら家族のもとに向かった


「あ、おはよう!ローズ」


「おはようございます!兄様!」


「よっ!ローズ!」


「おはようございます!父様」


部屋に入ったらペテロとルドが座って話しているところだった


「そうだローズ、昼食まで時間あるし、走りに行くか?」


「ここでですか!?」


「ああ、たまにはいつもと違う場所で走ったほうがいい、冒険者は常に違う場所で駆け回るからな!」


「私、冒険者になるわけじゃないのですが...」


「冒険者...」


「んじゃ行くか!」


って聞いてないし...


「あの、父様僕も行ってもいいですか?」


「おう!いいぞ!」


そんなわけで3人で庭を走った


「はあ、はあ、ローズたちっていつもこうしてるの?」


「はい、まあいつもは街ですけど」


あらあら、兄様もうお疲れで〜?


「ルド、疲れたら抜けてもいいぞ」


「いいえ!まだまだネバーギブアップです!」


それから数分して、結局ルドも最後まで走りきった


「おつかれ!二人共」


「はい!」


「はっはい...」


「そういや、あれってどういう意味なんだ?」


「あれって?」


あれ?何かあったっけ?


「ネバーなんとかってやつ」


「ああ...ネバーギブ..アップですか?...あれはまだ諦めないって意味です...」


「へえ、そんな言葉があるんだな〜」


「ご飯の準備できたよ〜!」


「じゃあ行くか!」


それからお祖父様たちとみんなで昼食を取った、こっちの食事もあまり変わらない、パンにスープとサラダに焼いたお肉が基本である


「ローズ、私の料理とどっちが美味しい?」


食べ進めていると母様がそう聞いてきた


「かわらn....あっ」


ミテラはじっとローズを見つめる


「どちらm」


「どっちが美味しい??」


「あーーもちろん母様のですよ!」


圧が....


「ありがとうローズ」


それでいいのか母様...


それから食事を済ませ出発の時間となった


馬車に乗ろうとしたところで父様と話していたお祖父様が話しかけてきた


「ローズ!元気でな!それから例の件頼んだぞ」


「はいお祖父様!お任せくださいな!じゃあお元気で!」


そう言って私は馬車に乗った


「それじゃあね!ミテラ!」


「うん、姉様もお元気で!」


「エキドナ!これからも頑張ってください」


「はい!師匠!」


そして馬車は私達の家に向かって走り出した


それから大体1週間がたった、その間兄様に魔術を教わったり氷像のデザインを考えながら魔法陣の台を作ったり手紙を送ったりして過ごした、そうそう!実は台座の材料を取りに近くの森に行ったときにある人にあったの!みんな知ってる伝説にね!最初はちょっと怖かったけど魔物を倒してくれたしいい人だったよ


そして今日本家から従者の人が来る日、なので像を入れた箱を抱えて1階で待っている、ちなみに像は結局、バラにしただって兄様に送ったのを気に入ったって言うなら同じようなものの方がいいよね?


「あら!ローズが1階にいるなんて珍しい!」


「ちょっとね!」


「ん?なんだその箱?」


「箱です」


「なにの箱なの?」


「えっと〜」


コンコン


ナイスタイミング!


「はい!あら本家の方?」


1階で待っていると従者の人が来た


「ローズ!あなたに用があるって」


「はーい!」


そう言って私は従者の人の元に行き外に出た


「じゃあはい!これ!あまり強い衝撃を与えると折れるかもですので注意してください、万が一折れたら折れた断面に水をつけて魔法陣に魔力を込めれば治ると思います」


「はい、わかりました、それからお手紙です、それでは失礼します」


「はい、さようなら~!」


さてこれでお仕事終わりっと!


「おかえりローズ、でなんだったの?」


「お祖父様からの手紙を届けに来たそうでした」


手紙の内容は魔術の進展が行き詰まったら魔剣学園に推薦してくれるというものだった


「学校?でも兄様は行ってませんよね?」


「うん、家庭教師の仕事もあったし向こうで魔術以外はエキドナと一緒に学んだからね」


「で、どうすんだ?」


「んー考えとく」


まあまだ王級にもなってないしね、先に聖火を習得しないと!


「ってなわけで教えて!兄様!」


「えっ何を?」


「とりあえず聖火覚えてから考えようと思って!」


「わかった!でもローズならすぐ使えると思うけど」


そんなわけで兄様による授業が始まった


授業は庭で行われた、ルドは手にエキドナに教える際に使った自作の魔術ノートを2階から取ってきた


「じゃあまず、聖火の効果はわかるかい?」


「えっと、炎の鳥を出す術?」


確かエキドナ様がパーティーで出した鳥が聖火だもんね


「実はそうじゃないんだ、この術は術者によって違う動物が生まれるんだ、まあシアンバード家の人は大体鳥なんだけどね」


「へぇじゃあ兄様も鳥なの?」


「うん、ローズも多分鳥かな」


「じゃあとりあえずやってみようか」


「はい!」


「まずは全身を経由して手に魔力を込めれるかな?」


「やってみる!」


そう言いローズは胸の中心から全身にかけて魔力を流す


次はこれを全部手に集中!


「できてるね、じゃあ炎魔術を使うときの感覚を思い出して魔術を完成させて!」


火は可燃性の物質と酸素が反応して燃える、魔力を可燃物と捉えて酸素を加える、


「ここで完成させれば高熱の火球になるけど、ここからこう念じて!{炎よ私を守れ!}って」


炎よ私を守れ!


そう念じた瞬間ローズの手により生まれた火球は形を変え始めた


「おっ!成功だよローズ!ってあれ?」


「あれ?鳥じゃない?」


ローズから生まれた青い炎は鳥ではなく、青い炎の狼だった


「犬!?」


「いやローズこれは犬というより狼では?それに炎で狼っていえば」


魔術にはそれぞれ神話が存在する簡単に内容を説明するとそれぞれ魔術の起源者と呼ばれる存在がいて、水は騎士、風は妖精、土は亀、雷は龍、治癒は狐、そして炎は狼だ

なら今のは王級じゃなくて神話級ってこと?


そんな考えがルドの脳裏を巡る


「まあ、成功でいいか!」


「ほんと!?」


「ああ、でも、発動の速さとか安定とかまだまだやることは多いね」


「そっか!じゃあこれからもよろしくお願いします!兄様!」


「うん、任せな!」


それから父とのランニングと兄との修行を日課として3年が経った


「よし!発動も速さも完璧だね、というかもう教えることもないね、そういえば学校のことどうするの?」


「あっ学校?んーそうだね〜」


正直学校のこと忘れてたな、んーまあもう家でできることもないし行こうかな!


「行こうと思います!」


「そうか、まあ頑張れよ!」


「はい!」


それから私と兄様は家に入り母様と父様にその旨を伝えた


「そうか!頑張ってこい!」


「そうね、返ってくる頃には彼氏がいたりしてね〜」


ミテラはペテロの方をニヤニヤ見ている


「えっ!?」


「だって3年もあれば何があるかわからないでしょう?」


「そうですね〜いい人がいたら考えときます!」


「っておい!嘘だよな?」


「どうでしょう?」


父様、そんなに落ち込むこと?娘が幸せならいいと言ってくれてもいいですよ〜


「ってなわけでお祖父様に手紙を出してきますね!」


翌日、お祖父様から返信が来た


[そんな気はしていたがローズまで炎王級魔術師になるとは、それに出したのが狼とは!さすが我が孫娘だな!それで魔剣学園への推薦をしておいた、ちょうど七雄生が1枠あるらしい向こうで試験を受けて見るといい、まあローズなら合格するだろう、頑張ってこい!]


とのこと、というか七雄生ってなんだろう?多分大罪七雄が元だろうけどまあ受ければわかるかな!


それから少しして出発の日


「じゃあ、そろそろ行きますね!」


「ああ、強くなって帰ってこい!」


「はい、世界最強にでもなってきます!」


「変な人には気をつけてね」


「わかってますよ!」


「ローズももう出発か、体には気をつけろよ」


「はい!」


「そんなこと言って、あなたももうすぐ出発でしょ!」


「えっ!?兄様どこか行くんですか?」


「ああ、実は冒険者になろうと思ってね」


それまた急な


「ローズも学校に行くってなってやることもないし、昔から憧れてたから」


「じゃあ兄様も頑張ってくださいね!それと近くに来たら顔だしてくださいね!」


「ああ、わかった」


「じゃあ、行ってきます!」


そして私は家を出てお祖父様に借りた馬車に乗った

向かうはミラノ王国の北にある都市ブリタニアの魔剣学園、さてどんなところかな!



「彼らはそれぞれの道を見つけたみたいだね、君のその選択は世界にどんな影響を与えるのか楽しみにしてるよ、ローズマリー...」


つぼみ編 完

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