第2話
フランクは、冒険者として力をつけてきた。
指示を受けなくても、何をやればいいかわかるようになり、主体的に動けるようになってきた。
すると、パーティも、フランクに仕事をどんどん任せるようになっていく。
パーティの人間が何もしていないのに、依頼がフランクたち下っ端冒険者だけで終わることも多くなってきた。
しかし、報酬はパーティの人間が大半を持っていく。
フランクは、パーティで独立することを、夢見るようになった。
しかし、独立については思う所があった。
この国ノウルは王国で、貴族社会である。
冒険者パーティは、リーダーが貴族出身かその親族でないと、上位ランクにはなれない。
農民出身のフランクでは、パーティを作ったとしても、下位ランクにしかなれないのだ。
明文化されてはいないが、暗黙の了解だった。
フランクは、ツマらない依頼で少ない報酬を稼ぐだけの下位パーティになるつもりはなかった。
フランクが、よく呼ばれるパーティがあった。
Sランクパーティだったが、メンバーにアルバートという貴族がいた。
リーダーはスタンリーという貴族だったが、一緒にパーティを始め、田舎貴族の三男坊ということだったが、気前のいい男でフランクもよく奢ってもらっていた。
貴族ぶらない性格で付き合いやすかったし、剣の実力もあった。
「この男をそそのかして、リーダーとして独立させれば、オレたちもSランクパーティになれるぞ」
そう考えたフランクは、下っ端冒険者仲間のオリバーとで、アルバートを説得してパーティを作ろうとした。
最初は渋るアルバートだったが、フランクたちがおだて上げたので、だんだんとその気になり、ついに彼はパーティとして独立することを了承した。
フランクは悲願を達成したのだ。
しかし、アルバートは根っからの怠け者だった。
さらに金に無頓着。
フランクたちがこまめに仕事をして集めた金を、すべて他人に奢ってしまうのだ。
仕事のやり方も大雑把で、失敗も多い。
下っ端として一緒にいたときは長所だと思えたものは、実は怠惰と浪費癖でしかなかったのだった。
彼はフランクたちの足を引っ張ることはあっても、プラスになることはほとんどなかった。
これではSランクパーティなど夢のまた夢。
金は、ほとんどない状態になってしまった。
フランクとオリバーは、アルバートのパーティから逃げ出すことにした。
下っ端冒険者へ逆戻りである。
パーティに呼ばれても、胡散臭い目で見られる。
「こいつら、技を盗みに来てるだけじゃないのか」
主要な仕事を任されることはなくなった。
なまじパーティを運営していただけに、プライドも高くなって、同じ下っ端冒険者に指示されると、
「なんだアイツ! 偉そうにしやがって!」
と陰口を叩くようになる。
せっかく築いた信頼もなくなって、最低ランクの仕事ばかりで心がすり減る毎日。
フランクは、結局、オリバーと平民パーティを組むことにした。
上位ランクに上がる可能性はないが、それでも、その方がまだマシだったからだ。