60 船の墓場だ!
誤字脱字がありましたらご連絡ください。^_^
60
もう此処に来て何年経つのかはとうの昔に忘れてしまっていた。
肉体はミイラと化し干物のようにシワクチャになって見るも無残な姿になり朽ち果ててる・・・
死んだ魂は成仏する事なくただ彷徨うだけの存在になった。
そう・・・
此処はなにもかもが閉ざされた空間・・・
時間だけが無意味に過ぎてゆく
今日も魂は無意味に時間だけが過ぎ去る
この閉ざされた密閉空間にはこんな風にランクが自然発生していた・・・
悪霊
邪気
邪念
浮遊霊
低次元の意識体
強い霊から順に・・・
1番弱い霊は低次元の意識体がいた・・
「つくづく低次元の意識体にならなくて良かったよ」
と浮遊霊の少女が呟き周りを見やる・・・
低次元の意識体は・・・
「あ・・がーぁ・・ばら・・たなは・・」
あちこちで・・・
意味不明な言葉を垂れ流していた・・
自意識の無い霊
低次元の意識体はみなこう言う風になる・・・
その景色は海の多少の海水と船が数十隻の船が朽ち果てて散乱している・・・
浮遊霊の少女は悪霊に命令され毎日毎日あきもせず見廻りをする
何事も無ければ邪念に報告するのだ・・・
報告を受けた邪念はいつも不機嫌だ・・・
そんな毎日に先程はあきもせずと言ったが建前である・・・
実際には見廻りをあきあきしている・・・
「なぜ自分は成仏出来ないのだろう・・」
この自問はも1000回は超えてもう数えれない程の自問自答だ・・・
そんなある日・・・
新たな船がこの鳥かごに迷い込んだのを見つけた・・・
すぐさま数万の浮遊霊が騒いで邪気や邪念に報告する・・・
自分が報告しなくても・・・
5万もいる浮遊霊の誰かが報告するだろう・・・
すぐさまそれは邪念から邪気に報告が渡り・・・
その頂点の悪霊に報告が届く・・・
悪霊はいつも飢えている・・・
新鮮な魂を喰らい自らの力として強大に魔素が増やしているだけの存在だった。
それはある意味仕方のない無い事で・・・
この誰も助からない異次元空間に閉じ込められで喜ぶ者は皆無だ
なぜ?自分だけが?この不条理の空間で?死ななければならないのか?
死んでいった新鮮な魂のほとんどは悪霊に喰われ残りは邪気や邪念に浮遊霊などになっていく・・・
運が良ければだが・・・
大半は低次元の意識体になっていく・・・
霊のカースト制度状態の霊の者達は諦め粛々と従い奴隷と化す
これから仲間になる人間を怯えさせて弄び死んだ後に良質な魂は悪霊が喰らいう・・・
新たなる来訪者を待ち侘びて監視見廻りを永遠に続けるのだ・・・
1年に数回起きるイベントか発生する・・・
霊達は歓喜に震えて生きた人間を嬲り殺しにしようと新品の巨大な帆船に群がる・・・
船長ゴンザレス・バサークは船員からの報告で緊張する・・・
「この日をどれほど待ち侘びた事か!」
船員から「怪しい雷雲が上空に・・」
と報告を受ける
船長は過去の映像がフラッシュバックする50年前の事だ・・・
フーランス国のニューフェイスで貴族バサーク家は栄華の頂点に立とうとしていたが・・・
バサーク家の長男ゴンザレス10歳
その妹マルティナ 8歳
は船の甲板にいた・・・
貴族の所有する豪華な船に貴族の両親の見つける眠りについた時に親の目を盗んで夜の甲板に出ていた・・・
甲板に幼い2人は月の明かりがさす海の小波をドキドキしながら見ていた・・・
「お兄様・・・お父様とお母様の言付けを破りここに来ていいの?」
真面目なマルティナはゴンザレスに言う
「大丈夫だ!夜の海を見るだけだってそれぐらい父や母は許してくれるさ!」
ゴンザレスはただちょっと冒険がしたかっただけで直ぐ部屋に戻るつもりでいた・・・
そしてしばらく夜の海の神秘さに見惚れていた・・・
ただそれが・・・
ゴンザレスはそれが父と母と妹マルティナの最後の別れになるとは知らずに・・・
急に夜月で雲ひとつ無かった夜空に真っ黒い雲が突然現れる・・・
雷鳴が徐々増えて空の一点にイナズマの爆発がする・・・
雲の中から銀色の円盤の一部が暗黒の雲が顔だす!
「あれは!・・・」
まだ10歳のゴンザレスはその光景を50年後の今も忘れない・・・
ゴンザレスには理解不能だったろう・・
だかそこにはくっきりと・・・
『はやぷさ1号』
と書かれていた・・・
ゴンザレスはとっさに救助艇を偶然にも下す事が出来て難を逃れる・・・
「マルティナ!早く!乗れ!・・」
わすか8歳に小さな救助艇に飛び乗れるは酷な話しだった。
船から手を伸ばすマルティナの姿が遠くなり船がプツン!と消滅する・・・
海面は嵐の様に荒れ狂う・・・
1人救助艇に乗る・・・
10歳の少年はいつまでも
「マルティナーーーーー!」
と声が枯れるまで叫ぶゴンザレスだった・・・
毎日毎日・・助けられなかったと後悔する船長ゴンザレスだった。
妹を乗せる寸前に救助艇が落下してゴンザレスはただ1人生存者として記録が残る・・・
パミューダトライアングルの魔の海域で両親と妹をなくし・・・
貴族の地位もなくしたゴンザレスは・・
せめて妹の遺体だけでも見つけたい!
その願いを生涯を掛けていた。
そして船乗りになり・・・
ずっとこの日が来るのをまちまち待ち望んでいたのであった。
あの時と同じ妹側の視点でプツン!と意識が途切れる・・
誰も出られない暗黒の空間の住人となる・・・
どれくらい時間が経ったのだろう
みんな気を失いやっと目が覚める・・・
「はっ!」
船長ゴンザレスはスタッ!と立ち上がり甲板から他を見渡す・・・
「こりゃ・・いっていどうしたと言うんだ」
頭を震い目を覚ます船長ゴンザレス
「みんな武器を持て!ここは船の墓場だ!」
用心深く周りを伺う・・・
「船長・・こりゃいったい?」
船員の疑問も、無視して・・・
「今は安全なところに隠れるんだ・・・」
船長ゴンザレスが他のみんなを心配してする・・・
周りの景色は・・・
薄いブルーにピンクが話混じる空模様と海水が少しであちこちで倒れている豪華客船がある・・・
「!!!」
周りのボロボロの朽ち果てた船の数々見渡す限り幽霊船が沢山ある・・・
「お・お・・・おおおおお・・コレは・・?!」
船の先端「バサーク」と書いてあった。
「船長!あぶねーでガス!」
船員が呼び止めるが無視して戻って来ない・・・
ボロボロになった船の甲板に登る・・
そうして・・・
遠く離れた場所からでも分かる動揺する船長・・・
ワナワナ震える・・
船員が船長のもとへたどり着いた・・・
そこには小さな子供のミイラを船長が抱き抱え・・・
「マルティナ・・すまない!・・クフッ!すまなかった!マルティナ!許しておくれ・・・」
船長の威厳は消え去り・・・
号泣する船長ゴンザレス
そう・・・船長ゴンザレスは妹を探し続けて50年間やっと妹に再開する事が出来たのだった。
ミイラと言う悲劇での再開・・・
自分が両親の注意を聞かず妹を連れ出し船事行方不明になり・・・
救助艇で1人餓死して死ぬ寸前で助かったゴンザレス少年その人だっのだ。
それからの孤児になったゴンザレスの苦労はまさに想像を絶する過酷な幼児期を送る・・
しかしそれらの苦難を乗り越え経て今の船長にまで上り詰めたのだった。
船乗りのかたわらずっと行方不明の両親の船を探していた・・・
それがやっと見つかったのだった。
着いた場所が噂されていた船の墓場
噂通りで生きている筈もない妹をやっとミイラになり干からびでいた姿の服は昔のままの服見間違う筈は無かった・・・
浮遊霊の少女は・・・
大泣きする年老いた老人を不思議そうに見ていた・・・
あのミイラは・・・
たしか・・
私の生きていた時のカラダ
何故?
浮遊霊の少女には
遠い過去を思い出す事はもう出来なかった・・・
「でも・・なんだろ?気になる・・」
暗黒空間で絶たれていた兄妹のギズナが戻って来る・・・
光の塊だった少女が少しずつ輪郭がハッキリしていく・・・
号泣していた船長ゴンザレスが視線を感じて振り返る・・
とそこには・・・
あの在りし日の妹の姿がボンヤリと光に包まれてこっちを見ている・・・
「マルティナ!・・お前か?」
霊は人の想いが時としてパワーが注がれる・・・
船長ゴンザレスの想いがギズナを辿りマルティナへと繋がる・・
浮遊霊の少女はその時完全に遠くはるか50年前の事を兄妹のギズナで記憶が完全に蘇るのだった。
浮遊霊から生き霊に昇格したのだった。
「お兄様・・」
少女の姿をした生き霊がゴンザレスを認識する・・・
ゴンザレスの肉体の胸に魂があり・・
その魂は10歳のままの少年ゴンザレスだった。
「マルティナ・・」
肺の底から声を絞りだすゴンザレス・・
横に一部始終を見ていた船員も自然に涙する
「おおおおお・・船長・・やっとめぐり会えたんでやすね・・」
いつ間にかに他の船員も集まり・・
「良かったでやす・・本当に!」
ある者は肩を叩き喜びと悲しみの涙を流し・・
ある者は甲板にうずくまり感極まって泣いている・・
部下の船員も陰ながら船長の妹探しを応援していたのだった。
「ケッケッケッケッ!新鮮な魂がワンサカいるじゃないか!今日は大漁だ!邪気!邪念!の霊どもよ!奴らの肉体から魂を引き摺りだせ!俺様が全部喰ってやる・・・フフハハハハハ!」
上空からゴンザレス達を見つけ嬉々としている悪霊がそこにいた
船長ゴンザレスが率いる船と乗客が大ピンチ!
!
あれ!
アキラ達は何をしているのか?
次回のお楽しみに!
味は・・: