168 天界編 絶望のスイーツ
誤字脱字が有りましたらご連絡下さいよろしくお願いします。^_^
スイーツは感覚で何が違うまるで別の場所に自分は今いるのだ・・・
と直感で悟る・・・
足元がグラグラして視界も歪み不安に苛まれる。
それは絶望感・・・
初めて味わう最悪な気持ちに更に追い打ちをかける。
アキラと時空の狭間ではぐれた時の映像がフラッシュバックで甦る・・・
アキラを境に
アキラの頭上に立ち昇る竜巻に巻き上げらるノリコと京香とソフィアとキャロルとケイオスとジャンヌ達・・・
それとひきかえ
アキラの足元に巨大渦がスイーツを飲み込みクルクルと中心に飲み込まれて行く。
アキラは上下を交互に見てスイーツに何か叫んでるが聞こえない。
スイーツもあらんかぎりの声でアニキと届かない手を伸ばして泣き叫ぶ・・・
そこで意識がプツリと途切れる。
目を覚ますとそこは神界では無い別の世界のようだ。
神界で見慣れた物がひとつも何い
過去に飛ばされたスイーツ。
アキラを守り切れなかったスイーツはやるせない気持ちに苛まれる。
涙がじんわり溢れてくる・・・
袖で拭う・・・
ぐっと我慢するスイーツ。
スイーツには解らないのは無理もなかった。
そもそも異世界人のスイーツには過去に時間をさかのぼってタイムワープする概念が無い。
仮にアキラ現代人がスイーツに説明しても時を超えて存在できると理解させるのは難儀したであろう。
スイーツは涙を我慢するも決壊して溢れる涙を止められず毎日泣いていた。
「大丈夫よ・・・あなたのご両親(ご両神)は必ず探してあげるから・・・希望を持って」
スイーツを保護した美徳の神カシオペア王妃は言う。
『もしかしたらあの絶望的に破壊された廃墟にご両親がいたら・・・もうそれは・・・』
暗い思考がよぎるが・・・
毎夜涙が止まらないスイーツを励ます。
カシオペア王妃はまた嫁いだばかりでそして第一次神魔大戦に突入まだ王妃とは名ばかりでうら若き乙女。
年の離れた妹のようなこの女の子にどうすれば立ち直れるか思い悩んでいた。
今日も戦場に赴いて戦いボロボロになって帰って来ては慰める。
そんな日々がある意味・・・
美徳の神カシオペア王妃と名声を高めたのはスイーツの存在があったからだった。
美徳に関してはどんな神にも比肩する事は無いカシオペアは密かに神界の乱世に一筋の光を見出していた・・・
ダイヤの原石の塊りの様なスイーツと言う美少女に・・・
美しさで息を飲んだのは後にも先にもこの一度切りだった。
この子をなんとしても立派な誰もが羨む美しい女性に育てあげたいと心底思う様になっていた。
戦場で並大抵な事はこの想いだけで数々の悪魔との名勝負に置いて無敗の神話に押し上げいったのだった。
神々の士気も美徳の神カシオペア王妃と称賛されながら絶好調に達していた。
そんなカシオペア王妃の心の内は逆に暗い物になっていた。
『今日もダメだったわ・・・立ち直るまでまだもう少しかかりそうね・・・』
拠点の一室から出るカシオペア王妃だった。
小さなカチャリとドアが閉まる。
その音でスイーツの事を大事に想っていてくれいる事が解る。
毎夜自分は戦場で命を賭けた戦いボロボロになって帰って来てもお首にも出さず優しく慰めてくれるカシオペア王妃。
今日も泣き寝つくまでも母の様に優しく頭を撫でて寝かしつけてくれる。
最初の頃はわからなったが最近そうして寝かしつけてくれていると解る様になって来た。
今まで自分の事しか考えてなかったが少しずつだかカシオペア王妃の事もわかる様になって来た。
カシオペア王妃が部屋を出て少し経つと・・・
スイーツは毎夜ある物をマジックポーチから取り出す。
デュランダールの剣(攻撃力100×レベル数)
冒険者の初期装備の銅の剣でなんでもスパスパ切るアキラに憧れて真似て銅の剣で斬るも当然パキパキ折れる。
アキラに指南を受けるも・・・
「コレで斬れなかった物はないからなぁ・・・俺には他の高級な剣は無用の長物?」
スイーツは子供ながらに・・・
『銅の剣はアニキしか使いこなせないんだ・・・やっぱスゲーぜ!アニキ!!』
憧れるも銅の剣は断念せざるを得なかった・・・
「んじゃ!コレをスイーツにプレゼントだよ。」
とアニキのマジックバックから一本の剣を取り出す。
その存在感たる物は言葉にならない・・・
最強の剣の部類だとスイーツにもわかった。
高価な剣は金銀で縁取られているが攻撃力は見掛け倒しが多い。
柄にルビーの宝石が埋め込まれシンプルなから優美が圧倒する
まさに名工が喉から手が出る程の価値のあるレジェンド級の武器をアキラは子供に飴玉をあげる感覚でスイーツに与えた。
アキラからスイーツに手渡された剣は何故か嬉々としていた様に見えた。
スイーツとデュランダールの剣の相性は抜群に良かった。
スイーツはアキラからプレゼントされた事しかもそれが相性バッチリの使いやすい剣を得た時の事を生涯忘れる事は無かった。
その大切な剣を取り出し柄から剣をスラリと抜く・・・
音がいつものスラリと心地よい音かせずスラと途切れる。
そうだ・・・
デュランダールの剣が中程から折れて無いのだった・・・
毎夜この大切な大切なアキラからプレゼントとアキラの笑顔を想い出すとまた涙が溢れる止まらなくなる・・・
「アニキが貰った大切なことデュランダールが・・・グズッ・・・うわーん・・・デュランダールーう・・・」
泣き疲れるまで剣を抱きしめて泣き続けるスイーツだった。
そんなある日
泣き疲れる寝ついていた時・・・
頭の中に文字列が並ぶ
サーチアイは優秀であった。
デュランダールを修復・・・
『なに?なんなのこの感覚は?』
生まれて初めての感覚に戸惑い薄ら目を開けると・・・
寝ているスイーツの目の前に。
宙に浮かぶデュランダールが静止して中程から折れた部位が虹色に発光している・・・
何が起こっているのか理解出来ないままただその不思議な出来事を眺めることしか出来なかった。
『ジジッ・・・・・・・・』
虹色の点が剣を編む様に行き来して折れて無かった剣が元に戻っていく・・・
デュランダールの剣・・・
バージョンアップ完了
!!?
頭に文字列が見慣れない言葉にハテナ?になるスイーツ
バージョ ン アツプ?
サーチアイは多機能で優秀であった。
剣がゆっくりとスイーツの胸に戻った。
更に驚きが続く・・・
デュランダールの剣に空中に浮かぶ文字列が有った。
そこには・・・
デュランダールの剣「2ver.」
(攻撃力1000×レベル数)
あれ!?
攻撃力100だったよね?
驚きの連続にスイーツは目を白黒させる・・・
「さっきから・・・誰?」
脳内に刻まれる文字列を読みながら問い掛ける。
・・・・
ワタシわ・・・サーチアイのコピーバージョン
「サーチ アイ?え!?のなに?」
サーチアイは思考する・・・
現状を説明してもスイーツには理解不能と判断し言葉を変える・・・
私はサーチアイ
御子神アキラの固有魔法から生まれた魔法。それが私サーチアイです。
!?
その時再びフラッシュバックで断片の映像が流れる。
時空の暴風の中叫ぶ。
アキラはただ一人はぐれて下の渦に呑まれるスイーツがヤバいと悟り・・・
「サーチアイ!スイーツにサーチアイを発動出来るか!」
『サーチアイは固有魔法から生まれた魔法です。アキラ様専用魔法です。アキラ様から離れる事は出来ません。ですが下位性能のコピーバージョンなら可能です。』
「やれ!スイーツ!!!コイツを受け取れ!!」
互いに手を伸ばす指先に虹色の光か飛び・・・
スイーツの指先に虹色の光が吸い込まれる。
「そうだ・・・思い出した・・・あの時アニキの指先からオイラのの指先に虹色の光か届いたんだ!」
アキラ様のサーチアイから生み出されたスイーツ様専用魔法とは私の事です。
「サーチアイ!アニキはどうなったの?ここは何処?」
・・・
沈黙の後・・・
サーチアイはスイーツの脳内に文字列を刻む
『これから・・・貴方の愛するアニキに再会するための永い旅にでます。覚悟はよいですか?』
!!!
一筋の光
それは希望
今まで泣いて毎日を暮らしていたスイーツ
アニキに対する気持ちは本物だった。
静かに頷く。
アニキに会えるためならどんな困難な事でする!
成し遂げる。
「サーチアイ・・・覚悟は決まっているよ。どうすればいい?」
サーチアイは多機能で優秀であった。
はい・・・
ならば・・・
先ずは
第一次神魔大戦を終結させましょう。
「うん!わかったよ!」
目標が決まった。
スイーツはパッと起き上がり・・・
デュランダールを腰に差しさっきの弱々しいスイーツは何処へやら・・・
しっかりとした足取りでカシオペア王妃の部屋へ向かうのだった。
この後スイーツはジャンヌ同様・・・
意志を失って勇者の力を喪失してしまうが・・・
ここからスイーツの大冒険譚が始まる・・・
その物語はスイーツ専用固有魔法のサーチアイが後に語るとしよう・・・
次回を楽しみに
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