165 天界編 謎の32HR委員長
誤字脱字が有ればご連絡お願いします。^_^
音が一切しない無音の世界・・・
霧がかった視界の先に
凄く長身の手足が、スラリとしているが痩せている訳でもない・・・
柔軟な引き締まった筋肉に身を包む好青年に見える・・・
見えると何故解るのか・・・
それは自分のよく知っている人物だからである。
でもよく知る兄によく腕にぶら下がりお喋りをしている自分がいる・・・
どうしてだか自分の身体が小さくて兄が大きる見えるのは・・・
『ああ・・・コレは夢で昔の記憶なのだ・・・』
と自覚するのだが掴む腕がリアルに感じて嬉しくなる。
あの時頃の幼い自分の心が懐かしく青年の一言一言に心が鈴が鳴る様に嬉しさで心が震える日々を想い出す。
でもコレは・・・
『夢の中・・・』
そうハッキリ認識する・・・
なんだ夢なんだ・・・
そしてその夢の中で・・・
心がキリキリと軋み出す・・・
心地よい感情と好きで好きで全身でそれを表現している自分・・・
と
焦燥感の渦に巻き込まれてなんとかしようにも小さな身体の自分は無力で何も出来ず・・・
その2つの心がないまぜになって
ギリギリ・・・
と音を立てる。
甘く切ない幼い身体の心に
自分は懸命に・・・
一心に祈る・・・
恐れていた事が起きる!
一瞬で笑顔の青年に組んでた手が・・・
腕が・・・
離れ自分が吹き飛ばされる。
叫びながら・・・
泣きながら・・・
手を伸ばし掴める筈もない青年の腕を掴もうと空を切り続ける手・・・
全身を戦慄かせ震え
最後の一瞬が迫る中!
自分は全身全霊で絶叫ーーする!
もし近くいた者には・・・
もはや何を言っているのか理解出来ない程の命の限りを出し尽くした喉の血が噴き出るほどの大声・・・
神様・・・
神様・・・
○○・・・を!
助けて下さい!
オイラは死んでもかまわない!
いやオイラの命を差し出しますから!
どうか!
○○だけは・・・
どうか助けて下さい!お願いします。お願いします。お願いします。
涙と鼻水でぐしょぐしょになりながら叫ぶ!
「はっ!ハァハァハァ・・・・」
ガバッと起き上がり
息も絶え絶えで
今にも死にそうな感覚に全身を震わせて呼吸をする・・・
マジックポーチから
ひんやりした水のピッチャーを取り出しコップに水を慌てて入れ一気に飲み干す
まだ呼吸が乱れなかなか落ち着かない・・・
長い間の呼吸の末ようやく落ち着く。
32HR パンドラーナ委員長
寝室で悪夢いや・・・
最愛の人を失う夢で目を覚ます。
「ようやく・・・時間に追いついて来た・・・」
朝日が昇る前の薄暗い朝が今の時間だ・・・
ベットの枕元に天使新聞が並べて置いてある。
【速報 転校生!1年生撃破2年に飛び級する!】
新聞の見出しにこう書かれていた・・・
「急がなければ・・・皆と合流しなければ・・・」
焦りがここ最近の夢に出ているのだと落ち込む。
「クソッ!私は何をやっているのだ!やっと見つけた。英雄機関を奪われるとは!」
しかし・・・
謎の正体不明同士が戦っていたとは・・・
方や魔獣を操る謎の集団
もう片方は魔獣と敵対し英雄機関を奪い去った集団
極々一部しか知らない・・・
勇者機関と並び立つ
英雄機関の存在。
だから・・・
自分の正体を知られてはならない・・・
極秘で異世界の地上に仲間を潜り込ませ・・・
ようやく英雄機関を見つけ密かに英雄機関の研究所に持ち込み終了する手筈だったが・・・
何者かの襲撃により作戦は失敗した。
!
「状況報告せよ・・・」
宮殿の様な大きなガラス窓から侵入者が入ってきて膝をつく。
「はっ!パンドラーナ様 転校生の配下の1人に異変が起き転校生共々ティアマト小級神の屋敷に辿り着きました。」
「それで・・・」
「はっ!意識不明だった配下の1人の容態も安定し休養を終えたのち2学年学区へと進級した事がわかりました。」
「!!・・・そう・・・わかったわ・・・」
内心報告を聞いてホッとする32HRパンドラーナ委員長。
「引き続き監視を怠るな!プテラノドン一族プテラーガ王の子プテラーナ姫よ・・・」
「パンドラーナ様に救って頂いたこの命貴方様の為に使いましょう・・・」
「気をつけて行きなさい。決して身分を知られてはなりませんよ・・・」
慈しみを持った瞳で声を掛けるパンドラーナ委員長。
「では行って参ります。パンドラーナ様」
微笑み
シュンと姿を消す・・・
真っ白な髪にプテラノドン一族の姫と名乗るパンドラーナ委員長の配下
謎がなぞを呼ぶ・・
うって場所が変わり
2学年の校舎。
21HRディモス委員長。
軍神アフロディーテの長男
軍神将軍アレース将軍に従属し縦横無尽に戦場を跋扈し・・・
当時わずか12歳の女神
それが・・・
かの第一次神魔大戦を勝利に導いた12神の1神・・・
赤い超新星の軍神アフロディーテ長男である。
21HRディモスは腐っていた・・・
実力は既に母を超えているにも関わらず名声が足りない・・・
武勲を立てられない己は不幸な身の上だった。
もしも・・・
第一次神魔大戦が有れば
母以上の名声を欲しいままに出来るものを・・・
と。
悔しがる・・・
戦後の平和な時代に生まれた己の不運と嘆くばかりであった。
「くそ!どいつもコイツも俺に恐れず母軍神アフロディーテを恐れていやがる!」
ディモスは常に母軍神アフロディーテにコンフレックスを感じていた。
平和な神界で名声を上げるなどたかが知れている。
この天界ては大して名声を上げる事ないのだった。
そんな時・・・
名声を上げる限界を感じている時想像を絶する者が現れた・・・
《転校生》だ
生まれて初め聞く言葉だった。
赤い超新星アフロディーテの長男の名が聞いて呆れる。
奴は・・・
この平和天界で
第一神魔大戦並みの超ビック名言を引っ提げて現れたのだ!
ポットでのなんの努力もしない・・・
単に幸運に恵まれた実力の無い神でも無い者が・・・
「そんな輩を絶対に認める事などあってはならい!そう絶対に!!」
この溜まった鬱憤を吐き出す事が出来るのは今のところただ1神・・・
アンドロメダーだ。
全力で戦っても勝敗は今でも五分五分のライバル。
この苛々を早く吐き出さなければと足早に2年の豪華絢爛の校舎へ向かう。
「アンドロメダー!どこだ!」
1分1秒でも早くこのモヤモヤをスッキリさせるためにアンドロメダーを探す。
シーーーン
誰もいない・・・
そんなはずはない毎日欠かさずこの時間に必ずと言って良いほど居る時間に現れていない。
!
いないと確信すると・・・
モヤモヤした気分にどろっとした黒く重い最悪な気分になる。
「クッ!先を越されたか!クソ!」
己の間抜けを呪いつつ
再びきびすを返し足早に歩いて行く。
教室の横に隣接するドックも空の状態になっていた・・・
「出歩く時は分神艦を携帯してはならいと言う神法を破るとは・・・」
そこへ
アンドロメダーが分神艦と共に入港してきた。
「アンドロメダー!テメェー!よくも抜け駆けしやがったな!」
自分の艦から飛び降り着地したアンドロメダーの足元の地面に巨大なクレーターが空く
ディモスの半神 ハイパークルーザーの船首第一砲塔から打ち出された砲からケムリが立つ
直立で微動だにせずコチラを見下ろすアンドロメダー
「私は了承した憶えは無くてよ・・・それにビシュヌ校長に呼ばれて転校生を案内しただけ・・・」
冷たい視線を送る
「黙っ案内するタマじゃねーだろオメェーはよ・・・」
・・・・
「なっ・・なんだよ!やるってのか!」
ディモスの顔が赤らめる・・・
・・・
「美徳の神カシオペア王妃の最終奥義!」
いきなりアンドロメダーは片足を垂直に蹴り上げる!
突然の行動に身構えるディモスの視線をある一部分を捕らえるとカラダが硬直し!
「な!!!」
高く高く蹴り上げた足と足の付け根には・・・
なんと!!!
ぼかし修正が!
宙に浮く股間をカバーする板状何かが固定されており!
その板状に文字があり・・・
【 神青少年条例により18歳未満のわいせつな所を見ると神罰が下される。】
その直後空から巨大いかづちが飛来しディモスに直撃を撃ち込まれ・・・
たと同時アンドロメダーの踵落としが炸裂する!
プスプスと全身からモヤの様な煙を立ち昇らせ・・・
ビクッンと痙攣を起こす・・・
「そん・・な・・隠し技が・・・あった・・・のか・・」
ディモスが白目を剥いてドサリと倒れ伏す・・・
『こんな技今まで隠してやがったのか・・・コイツ・・』
意識が遠ざかりながらディモスはアンドロメダーに悪態をつく前に途切れて静かになる・・・
最終奥義を決め・・・
コレがこの技必殺回避不能な技を確認するアンドロメダー・・・
「・・・・次元が違う・・・あの方に勝つには攻撃が通らない謎を解明しなくては・・・」
コツコツとヒールを音を鳴らしながら・・・
パサッと髪をかき上げなんでもなかったかの様に立ち去って行く。
次回のお楽しみに!
高評価の欄がございましたら高評価よろしくお願いします。
今後の作品に対するモチベーションアップにつなかりますのでどうかよろしくお願いします。^_^