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157 天界編 神通力送信システム

誤字脱字がありましたらご連絡よろしくお願いします。^_^、

 

 無音の世界・・・


 次元の狭間に綴じ込まれた・・・


 この世の終わりに近い・・・


 酷い世界・・・


 たとえ神でも


 その孤独に耐えられず


 狂ってしまう者も多い。




 狂気の終わりの無い世界。


 死ねば意識が途絶えるが・・・


 何も無い次元。


 苛烈にリアルに惨たらしい終わりの無い世界では安息など無かった。



 そんな・・・


 次元牢獄の中



 ポセイドーンはジッとして黙祷をするが如く・・・


 静かに瞼の裏に。


 病弱で薄幸だった。


 愛しい


 妹のヘスティアに対して


 もっと自分はやれる事があったのではないか・・・


 と自らを責め続けていた自分の前に・・・



 まさに神のいたずらか?


 下界にいるはずの転生したヘスティアが人間の仲間達と共に天界に来ていたとは・・・


 なんと言う巡り合わせ・・・


 再開した時は・・・


 ただ驚くばかりであった。


 転生したヘスティアは・・・


 とても健康的で希望に満ち溢れキラキラと輝く女性へと変貌していた。


 面影は瓜二つなので・・・


 ポセイドーンは見間違える事は無かった。


「確か・・・ジャンヌ・ダルク・・・そう名乗っていたな。」


 転生した為。


 兄であるポセイドーンを見ても思い出すも無く・・・


 覚悟はしていたものの・・・


 一抹の寂しさをどうしても感じてしまうのは自分の我儘なのだろうか?



「はてさて・・・後10年はこの何も無い空間で刑を全うしよう。」


 時折


 面会依頼の伝文が届くが会う気力が湧かない。


 何もやる気が起きないのだ。


「今更ティアマト小級神に会ってなんになる。減刑を願うなどなんになろう・・・恥の上塗りになるだけ。ならば潔く刑を全うしよう・・・」


 と心に誓う。




 ・・・・



 次元牢獄の中で漂うポセイドーン。





 ふと・・・



 そこへ



 何も無いポセイドーンの目の前の空間に縦に亀裂が出来る。


 亀裂が出来る筈が無い次元牢獄でだ。


 !



 亀裂の奥で人影が写っる・・・


 ウコロを纏った女性の爪が!



 ガバっ!


 と押し開く・・・





 亀裂の空間から顔を出す。


 額に稲光りが常に小さく走る・・・


 おそらくドラゴン族だろ。


 美少女が顔だす。


「お!いたいた!ここで正解じゃ!?本当じゃよ!」


「本当ですか?ケイオスちゃん。これで30回目ですけど!?」


「信用ないのう・・・ほれ!見てみるのじゃ!」


 亀裂の空間から半身を出して入ってくるケイオス。


 本当ですか?


 とまだ半信半疑の眼帯をした京香が入って来る。


 メアリー・エドワーズ大佐事


 明神京香が出て来た。


「あら!?本当のようね。」


「であろう?!ワシの力も大した物じゃろ?」


「ええ!凄いわケイオスちゃん!でも狙った時空にピタリと行くにはまだまだのようですね。」


「うむむむ・・・人間と違ってドラゴン族は時間の間隔がかなり大雑把じゃからな・・・なかなか難しいぞい!ワッハハッハ。」


 その後に無言でノリコが移植されたフェアリイーがスルリと入って来た。


「先の時空転移は意識がなかったのですが次元の狭間を初めて見ました。へーこうなってるんですね。」


 もの珍しそうに入って来るソフィア。


 最後に次元の空間より外の様子警戒しながら入って来たキャロル。


「しんがりは問題ありません。怪しい追っては見当たりません。なのです。」



 ポセイドーンの前に


 ドカドカと一気に4人の美少女が入って来た。


「お前達はこの間の・・・どうやってここに入って来た!?」


 ポセイドーンは冷静に警戒しながら問い正す。


 この次元牢獄では例えどんな神だろうが簡単出入りする事など出来ない。


「それは・・・」


 ケイオスが自慢げに説明しようとするところを京香が止める。


「待って!ケイオスちゃん。今は説明してる時が無いの・・・」


 ???


 ポセイドーンも


 何故この者達がなんの様でここまで来たのか疑問であった。


 事と次第では衛兵を呼び


 捕らえる事もやろうと思えば出来たのであった。


 伝文のみなら送る事が出来たからだ。


 ・・・


「今は本当に時間が無いポセイドーン神様。今ジャンヌちゃんが困った事になってるの・・・」


 伝文を送ろうとしたがピタリと止める。


「それはどう言う事だ!」


 他の誰でも無いヘスティアの転生体のジャンヌの一大事とあってはポセイドーンはむしろ何があってと聞かなければならなかった。


 たとえ相手を脅してでもだ。


「早く言え!」


「英雄機関と言えばわかるでしょう?」


「ソフィアちゃん」


「はい・・・」


 ソフィアのマジックポーチから・・・



 長方形の台座の様な箱が出て来た。



「こ!これは!」


 少し角が欠けて中身が見えているが動力の動きは無く沈黙した状態であった。


「貴方が作った英雄機関・・・ポセイドーン神様なら今ジャンヌちゃんがどう言う状態なのかわかりませよね・・・」


 この機関装置を見て一瞬で理解した。


 ヘスティアの転生体であるジャンヌが非常に危険な状態である事が・・・


「この機関が停止してどれ位になる」


 ポセイドーンはさっき警戒などまるでなかった様に・・・


 英雄機関の装置の状態をあちこち触れながら質問してくる。


 ポセイドーンの動作を見て京香やソフィアやケイオスやキャロルが顔を見合わせ・・・


 ホッと緊張が解ける。


 ひとつ間違えば次元牢獄内の大戦闘が行われるからだ。


 元強級神のポセイドーンだ星ひとつやふたつ簡単に破壊出来るだけの力があるのを京香が未来のポセイドーンと会って知っているからだった。


 思わず京香はフェアリイーの手を繋ぎ目線で良かったと合図を送る。


 ・・・・


 反応が薄いがよく見ると網膜がせわしく動いている。


「早く答えろ!」


 ポセイドーンの剣幕に驚く一同。




「ご!ごめんなさい!今日今の時点で後五分で丁度3日になるわ・・・」


「・・・・不味い!英雄機関の心臓部である4G神通力送信システムが逝かれている!」



「逝かれていればジャンヌはどうなるのじゃ!」



「ヘスティアの転生体であるジャンヌはとても危険な状態で長く続けば衰弱が進み生命を落とす!持って3〜4日だ!ダメだ!今からでは間に合わない!」


 なんと言う事か!


 ヘスティアの元気そうな顔を見て安堵しまた!


 同じ失敗を俺は繰り返すのか!



「クソッ‼︎」


 もう手遅れだ!


 間に合わない!



 ならば!


 いっそこの英雄機関の装置事破壊すればヘスティアをこれ以上苦しまずに逝かせてやれる事が出来る!



 ポセイドーンは呑気に次元牢獄にいる自分を心から怨む!


 俺はなんて馬鹿野郎なんだ!


 ヘスティアの近くに居ればなんとしてやれたものを!


「ヘスティア!俺不甲斐なさを笑ってくれ!」




 ヘスティアをこれ以上苦しまずに渾身一撃で逝かせてやろう・・・



 拳を振り上げるポセイドーン。


 !


 京香は瞬時にアーマードスーツ《対弩級神・悪魔対戦用装備ゴットビョンド》作動する。


 パシッン!


 振り上げた拳を捕まえる!


「ナッ!二ッ!」


 信じられない強力な力と速さに驚く!


 更に


 ポセイドーンのもう片方の腕を背中に曲げて腕を決めいる戦闘妖精フェアリイーこと。



 ノリコの脳が移植され数奇な運命にたぐり寄せられて再会したノリコの化身に拘束された事により驚く!


 どうやらポセイドーンですらフェアリイーを人として認識出来ない様だ。


 この天界も悪魔界も機械の認識がないから存在すらわからないと同時に見えないのだった。



「な!んだこれは!」



 それに答えず京香は・・・


「まだ話の続きがあるの!早まらないで・・・貴方が諦めた装置はコレではないかしら・・・」



「ん!?」


 !!!!


「これは!!」


 目の前に、見せられたポセイドーンは両腕を振り解き!


 京香に見せられた物を両手で取り上げ見る!



「これは!まさに!神通力送信システム!だが・・・な!新型の装置か!コレは!いったい誰か!」



「・・・その装置の名前は5G・・・それから安心してその製作者はポセイドーン神様貴方よ」


「何をいっているのだ?」


「3,000年後のだけど・・・」


「!・・・」



 ・・・・


 現物を見て・・・


「確かに5G理論はだいたい出来ているが・・・それは理論としてだ完成には長い研究が必要だ。」


 5Gの端に刻印がある・・・


 唯一無二のポセイドーン神だけの解る刻印が・・・


「ふははは・・・そうか・・・3,000年後の俺がやったか!」


 極秘の刻印を見て確信するポセイドーン神。


「取り乱して済まない。もう安心してくれ・・・」


 ポセイドーン神は英雄機関の装置に進むと手をかざし・・・


 生き物の様な装置に5Gがゆっくり吸い込まれて行く・・・


 頭脳明晰なポセイドーンは瞬時に理解した・・・


 この状況を・・・


「ふむ・・・コレで程なくすればヘスティア・・・いや・・・ジャンヌとやらは目が覚めるであろう。」


 !!



 わーい!


 ハイタッチ!しながら・・・


 女子特有の歓喜で喜びを分かち合う・・・


「良かった!」


 気丈に振る舞っていた京香の目尻に涙が溢れる。


 皆も同様だ・・・




「目的は達成したから私達退散するわ・・・」


「お主達は・・・この前の者たちと似て非なる者だったとは・・・」




「ポセイドーン神様・・・私達と一緒にこの次元牢獄から出る事も可能ですが・・・」




「・・・イヤやめておこう・・・後10年この英雄機関をここで管理した方が良かろう・・・」



「・・・・妹さんを本当に愛してらっしゃるのですね。」



「そなた達のお陰だ。ひとつわかった事がある。


 私はやれるだけの事は全てやったつもりだ。



 後はヘスティアがジャンヌとやらがこの先の人生を精一杯生きる決断をしていく事だろう。


 もう兄としての手助けはコレからは不要だろう・・・」



「・・・それでは・・・また3,000年後に再開しましょう。」


 京香は敬礼!


 ピッ!


 として


 亀裂から


 再び去っていった。


 仲間と共に・・・




 しばらく去ったのを見送っていたポセイドーン。


 新たに5Gの装置を取り込んで生き返った装置を観察する。


「それにしても・・・我ながら凄い物を作ったな・・・


 ワシは・・・神通力送信速度が1ggbpsから20ggbps!20倍だと!・・・


 4Gが1/100秒遅延が・・・


 5Gは1/1000秒遅延だと!・・・



 コレだと時空の向こうでも安定して神通力が届くに違いないだろう・・・」

















高評価の欄がありましたら高評価よろしくお願いします。^_^


今後の作品作りのモチベーションアップになりますのでよろしくお願いします。^_^

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