147 天界編 一瞬
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許せねぇ・・・
俺様は眠いのを我慢してここまで来たってのに・・・
寝ながら移動してる奴を見て激怒した。恐らく生まれてこれ程までに自分を見失う程に怒りが頂点に達したのは生まれて初めての事だろう。
思うより身体が勝手に動いていた。
全身全霊の渾身の拳を奴頭蓋骨に叩き込んだ。
いくぶん怒りがおさまりスーッとしたと思えばドクン!
右腕の肘から拳が軟体動物みたいにグニャリと垂れ下がり・・・
アレ?俺様の腕こんなんだったっけ?
と心の中で反すうする・・・
その数秒後に烈火の激痛が襲いかかる。
魔児学園 1年最強の俺様が寝てる奴に右腕を、破壊されたなんて不様な事が世に知れ渡ればプライドもへったくれも俺様は終わりだ。
「ぐわわわわわわーーーー俺様の拳がががーーーー!!!」
痛みを堪えられず声が漏れながらそう考える。
寝てるから油断しのだ。
もう遠慮しない。
と言いながら最初の攻撃から1ミリも遠慮なく攻撃してるのだが
プライドが許さない。
「地獄の狂気!ヘルマッドウス!」
左手に呪文を込め最強最悪魔法をまさに!
布団に包まれたアキラの顔面に
叩き込んもうとする瞬間!
目がパチと開き
「なんだか騒がしなぁ!」
アキラが目覚めスクっと上半身起き上がる。
呪文を込めた左手が空振りをして・・・
アキラの額がアスタロスのアゴに激突する。
「アングッ‼︎ 」
アスタロスは白目を剥きバタリとひっくり返る。
口から泡を吹いて気を失った様に見える。
アキラは
「え?此処どこ?」
アスタロスと額を強打したのだが・・・
無痛というか全く気になって無い様子だった。
「アキ兄これはね・・・ほら・・・ええと。」
ノリコが返答にオドオドする。
「あーくん、、、汗 あー そのー 」
京香も何か慌ててる様だ。
ソフィアも同様で他のキャロルやケイオスやスイーツやジャンヌも一様にキョドっている・・・
「えーと えーと・・・おー お散歩よ!お散歩!」
ソフィアが無理くり吐き出した単語にに皆
「そう!それ!お散歩よ!お散歩!」」」」」
そう?それ?
え?どう言う事?
何かなんだかわからないアキラだったが・・・
「皆が散歩と言うならわかるけどなんで俺寝たまま散歩してだんだ?」
ノリコ達が頬掻いてはははと笑っているだけだった。
取り敢えず下ろして貰い立ち上がる。
?!
「うわ!?人が倒れてるよ!大丈夫です?どうしよう泡吹いて倒れてる。」
わからない事だらけだがこっちの方が至急なんとかしないといけない気がして皆んなに救助する様に言うが皆何もしない。
「アキ兄あのね・・・この人突然襲いかって来たの」
「え?そうなの?」
寝てて事情をアキラは初めての知る。
「どうしましょう?」
と京香
ソフィアが
「まあ気を失っているだけの様ですしほっときましょう。」
「そう・・・なのです。賛成なのです。」
「寝ているあるじ殿に攻撃を加えたとんでもない男このまま殺しても良いのでは?」
「ケイオスお姉ちゃん流石にそれはやり過ぎだよ。」
「そうです。やり過ぎです。皆であと1発ずつお見舞いしてチャラにしましょう。」
もうなんだかしっちゃかメッチャカになってきた。
「まあまあ 俺はなんともなかったからもう許してあげよう?ね!」
アキラはみんなを宥める。
「あの・・・」
ふと見ると俺達以外にももう1人
離れたところから声をかけて来た人がいる。
「ほんとに申し訳ない。その男は私の友人でな。少し機嫌が悪くてこうなった。迷惑をかけて本当にすまない。」
「あ そうなんですね。」
アキラはサキュバスを見る
色っぽいお姉さん風ですまなそうにこちらを見ている。
「もう その男を連れて行っていいだろうか?」
ノリコ達も逃避中であまり騒ぎを大きくしたくない。
サキュバス側も無名の寝ている男に魔児学園最強の男が負けたなどとあってはならない。
名を明かさず立ち去りたい。
互いにの思惑も一致して
「どうぞどうぞ・・・私達も急いでいますのでこれで失礼します。」
と別れて行ったのだった。
見えなくなったアキラを方を見やりサキュバスは・・・
腰が抜けた様に崩れて倒れた。
「ハァッ・・・ハア・・ハア・・ハア・・」
魔児学園 ナンバー2
12HRサキュバス委員長。リリン・デーモン(女夢魔)の孫娘で女淫魔でデーモン最強との噂で男の精を採取しどこまで強化し続ける事ができる持ち主。
男を魅力する能力があるサキュバスだが本当の最強を冠する男に初めて出会う・・・
「ヴゥう・・・・アソコが疼いて立ち上がらないなんて・・・ハァッ♡生まれ初めて」
そう・・・
サキュバスより劣る男は魅力出来るが・・・
本物の最強には無力むしろ自ら魅力にかかってしまうのだった。
「アレは・・・お婆様が仰っていた本物の最強の男・・・・伝説のリリー・デーモンになったお婆様の孫だから解る。」
「ねぇお婆様今日も本物の最強の男の人のお話して!」
よくお婆様にせがんで良く聞いていた。
「私が伝説魔族リリー・デーモンになったのはその本物の最強の男に精を一度だけいただいたからさ・・・」
「どんなん男の人だったの?」
「そりぁ・・・みぶるいする程良い男だっさ。サキュバスも私の孫だ 一眼見れば本物かどうか解るさ・・・」
サキュバスは何度も何度も聞いてるその話を聞く度
ゾクゾク・・・
下腹から妖しい悦びが喉に向かって出て来そうな感覚が好きだった。
そして・・・
そう・・・
この日
「ハアー・・・お婆様わたくしもやっと見つけましたわ」
妖しい悦びが喉から出てきて
しばらく起き上がれなかった。
サキュバスはこの日魔児学園から姿を消した。
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