143 天界編 アキラ拉致られる
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「なに!倅が!」
高級神 序列第六位
大魔導師ファウストは動揺を抑えきれなかった。
何故なら負けるはずがないからだ。
「古代の悪魔よ!我に力を授けたまえ!エンシェント・フォグ!」
そう唱えて確かに自分が物理攻撃が全て無効になる魔法を倅にかけて確認もした。
それなのに・・・
「何が!起こったのだッ!で!倅の容態は?」
ファウストの世話付きの魔官が答える。
「現在集中治療室にて治療中で意識不明の重体となっております。」
「‼︎誠か!」
「魔医の所へ行く。案内せい!」
「はい・・転移扉の準備が出来ております。こちらへ・・」
「うむ」
転移扉なる扉を通るとそこは診療室の様な場所に出る。
驚きもせずま医が対応する。
来るのを待っていたのだろう。
「これはこれは大魔導師ファウスト様よくぞおいで下さいました。」
魔医が頭を下げる。
「して倅の容態はどうじゃ?」
「はい手術により一命を取り留めましたがまだ意識は取り戻してはおりません。」
「通常の重症なら魔法でじきに完治するじゃろう?何故じゃ?」
「はい頬に受けた所だけが魔法を受けつけないようで私も長年魔医者をやっておりますが初めての事で首をかしげておるしまつで・・・」
・・・
「!回復魔法が効かぬじゃとにわかに信じがたいのう。」
「全くその通りです。わたくしもこの目で手当をしましたが未だに信じられません・・・」
「倅の容態を見たいが良いか?」
・・・・
「本来なら面会謝絶ですが大魔導師ファウスト様ならもしやなにか謎が解るかもしれません。どうぞこちらへ・・・」
大魔導師ファウストは魔医者に案内されメフィストフォレスが眠るベッドを見る・・・
右目が魔法陣を展開して透視して見ている。
「・・・・・」
しばらくしてから・・・
心配する父親の顔からスーッと険しい顔に変化した!
「!こッ!これは!・・・・・魔医者殿。倅をよろしく頼む・・」
「はい最善を尽くします。」
意識の無いメフィストフォレスの病室をまた一瞬凝視してから神医者に頭を下げ出て行こうとするが・・・
「それで何がお分かりになりましたでしょうか?」
魔医者として探究心で謎の解明に押されて呼び止める。
振り返らずにピタリと止まり。
「魔医者殿この事は他言無用に願います。」
「!?わかりました。他言は致しません。」
「これは魔法レジストの跡・・・」
「え!!・・・それを、操る事の出来る方はただお一人しか・・・」
「待たれい!それ以上その名を口にせぬ方が其方の身の為よ。」
口を押さえ怯え周りを見渡し・・・
「ッ!・・・出過ぎた真似をしました。わたしはこれにてメフィストフォレス様の治療に専念致しましす。」
「うむ・・・倅を頼みますぞ・・」
静止した体勢が動き出し部屋から出てゆく。
外で待機していた世話役の魔官が迎える。
「フォレスト神様もうよろしいので?」
「・・・・」
スタスタと歩く。
魔官が慌てて後を追いかける。
「強級悪魔様方にご報告は如何致しましょう・・・」
「無用じゃ・・・もし報告を強されても子供のじゃれあいに親がしゃしゃり出ると笑われるとワシが言うておったと伝えろ」
「しかし・・・強級神様方から何か異変が有ればどんな小さい事も報告せよとのお達しでは?」
魔官が食い下がる。
「ならぬ!報告に当たらず・・・その内ワシが直接報告するからそちは下がっておれ!」
「ハハッ!・・・承知致しました。」
フッフッフ・・・
倅よ・・・
命懸けで掴んで幸運に感謝せねばなるまい・・・
みすみす強級悪魔の上層部どもにこの手柄を取られてたまるか!
明日神児学園に行って確かねば・・・
暗い夜道で小声がする。
「いい?そっとよ・・・そおっとね。」
ノリコが先頭する。
「・・・了解。」」」」
「あの・・・皆さんここまでしなくても・・・」
アテナがたまりかねて言う。
「アテナっち!甘いよ!」
ノリコが長年の経験則で答える。
これまでアキラに近づく女共を京香と協力して追い払って来たからだ。
アテナ以外ノリコと共通認識の様だ。
皆頷く。
京香が・・・
「シィー!ノリコちゃん声・・・抑えてアーくん起きちゃう・・・」
!
「そっ・・・そうね。京香さん。ごめんなさい。」
と声のトーンを下げて小声でカラダも幾分小さいして返事する。
「さて・・・これからどうするのじゃ?」
ケイオスがこれからの事を聞く。
ノリコと京香は返答に詰まる。
取り敢えず逃げて来たものの先の事までは考える余裕が無かった。
「それについては当初の目的の上の区画を目指して高級神区画へと登りましょう。」
とアキラの参謀役に定着して来たソフィアが皆に提案してみる。
「選択肢はそれしか・・・無いなのです。」
キャロルが同意する。
「そうですね。右に同じです。」
ジャンヌも賛同する。
「しかし転入早々学園を飛び出して良かったのでしょうか?」
アテナが呟く。
「それについては心配無いわ。身分証があるもの。学園はどっちでもよかったしね。」
今更アキラと別生活なんて考えられないメンバーであった。
皆うんうんと頷く。
「プププッ!見てよ兄貴の寝顔可愛い♡」
スイーツが簀巻きにされて運ばれてもまだ熟睡してるアキラの寝顔を見て笑う。
「ほんと私たちの苦労も知らないでアキ兄ったら・・・」
「すー・・・ぴー・・・」
寝息を立てるアキラ。
みんなアキラの寝顔にほのぼのして癒される。
「・・・じゃあ行きましょう。」
ソフィアが立つ。
再び簀巻きにされたアキラをそっと担いで出発する。
深夜の街を美少女に担がれアキラは進む・・・
どこまでも・・・どこまでも・・・
アキラ達はどこに行くのやら・・・
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