1話 技術の特異点が発達している傍らで
技術の進化が曲線状に伸びていた
そんな国を技術大国と呼んだ
そしてそんな刹那、技術に特化せずに腐敗し切った国はガラパゴス国家となっていった
リシス
「えーと 参加の名前はリシスっと…」
日本人なのに、外国人のようにカタカナ表記の名前を記したのは加川 力也であった
力也という男らしい名前を嫌っていた彼は普段から女性の服装をしていた
リシス
「ギャル女装最高」
リシスはオートガイネフィリアだった
リシスはガラパゴス国家から参加したであろう自分の名前がニュースで報告されていたのを知った
リシスは全く情報を見聞きしていない
リシス
「世間ではそれを時代に取り残されたとか色々蔑むけど
これ、洗脳なのよね 社会からの洗脳に俺は嫌気さしたって訳」
そんなリシスは別に情報のやり取りを嫌っているわけでは無かった
単にトレンドとやらが廃り流行りの中に依存された光景なので
それを共有する事そのものに共依存の感覚を覚えて嫌気がさしたのだ
リシス
「共依存というリスクの中で生きている
そしてそれは社会洗脳に陥るという訳だ」
リシスは世界を見ていた
そして技術祭への参加を表明したのはずっと前からであった
リシスはそれを予見していたのだ
リシス
「ニュースで見たけど、なんか色々なメディアから批判されてんだなぁ
女装姿の外見を否定する風潮洗脳者
ガラパゴスが何やっても無駄と言う世界情勢洗脳者
皆が言ってるからそれが情報だと思う情報操作洗脳者
色々と本当に色々といるよ
でも俺はそれを見ない
それは情報では無いからだ」
リシスは分かっていた
この技術祭へと参加するには
そういった悪しき概念を捨て去らなければならないという事を
リシス
「情報の断食をしてから彼是幾つの時が流れたのだろうか…
まあ別にその情報には疎くても問題は無い
必要なのは、この技術祭での勝利者となる事だ」
リシスはパスポートを持って
ガラパゴス国家から技術祭に向けて飛行機へと乗る
リシス
「技術祭の参加者で無い限り
このガラパゴス国家から抜け出せないなんて…
これじゃますます世紀末国家となる訳だ」
ガラパゴス国家は技術大国から完全に炙れていた
そしてガラパゴス国家の住人は飛行機に乗る権利も無く
そして国は世紀末となった 治安が荒れ放題なのだ
リシス
「まさかここにきて暴力団やらが根を張るとはね
やはり技得主義は大切にしなければならないのだな」
リシスは自分の国では決して食べられないであろう食べ物を食べた
全ての上手さが濃縮された合成料理を食っていた
リシス
「驚くほどに美味しいな
でも、これを堪能できる奴らの国は許せないな
これは勝利者となって独占解放をする必要がある」
リシスはその技術の独占を解放するために参加したのだった