決して、真夜中にひとりで読まないようにしてください。
みなさん、ご無沙汰しております。倉本保志です。
それにしても連日暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょう？
さて、今回はちょっと、投稿をためらったのですが、倉本作品はなんでもあり・・ということで、なにとぞ御理解いただきたく存じます。
テーマは深夜の狂気・・・いや狂喜とでも申しましょうか？
だれでも経験のある、あのわけのわからないハイテンション現象であります。
ぜひ徹夜仕事の最中（深夜２時ころ）にご一読下さい。
決して、真夜中にひとりで読まないようにしてください。
たかしは徹夜で受験勉強をしていた。二浪の彼、もう後がない・・・・
しかし、夜中二時を過ぎたころには、どうにも、我慢できない睡魔が襲ってくる。
「う～ん、マジで眠い・・・」
「なにか眠気覚ましは・・・」
たかしは知恵を絞って考えた。
（ここで眠ってはダメだ、なんとか弱い自分に打ち勝つんだ。そして、今年こそ、
今年こそは、大学・・・東大に合格するんだっ・・・・）
・・・・・・・・・・・・・・
たかしは、首を項垂れて、机に突っ伏したまま動かない。
真夜中の静寂が、辺りにじわりじわりと浸透し、たかしと机をそのまま、凍結させてしまうかに思えた次の瞬間・・・・
「そうだ・・・」
たかしは何を思いついたのか、勢いよく声をあげると、ノートに、鉛筆で、
何かを書きだした。
ウマ
ウマが ウマった 馬が埋まった
ウマのウマに 馬の旨煮
ネコ
ネコ、もうネコろんだ 猫、もう寝ころんだ
モグラ
モグラが、モグラない 土竜が潜らない
シカ
このシカ、シカって この鹿、叱って
シカが、シカとする 鹿が、シカトする
シカ、シカめっ面 鹿、しかめっ面
シカ、シカいない 鹿しか、いない
シカのシカク 鹿の死角
シカをシカるな 鹿を叱るな
トリ
トリをトリにがす 鳥を取り逃がす
トリ、トリそこなう 鳥、取り損なう
ナマケモノ
なまけもののナマケモノ 怠け者のナマケモノ
ゾウ
ゾウだゾウ 象だぞう
クマ
クマ、クマってる 熊、困ってる
カバ
カバにカバーする 河馬にカバーする
カバをカバう 河馬を庇う
ハゲタカ
ハゲタカ、ついにハゲタか？ 禿鷹ついに禿げたか
イルカ
イルカ、いるか・・・？ イルカ要るか・・？
クジラ
クジラに、メクジラたてる 鯨に、目くじら立てる
トナカイ
トナカイのおトナカイ トナカイの大人買い
ウシ
ウシ、みウシなう 牛、見失う
トラ
トラ、トラックのる 寅、トラック乗る
ヘビ
ヘビーなヘビ ヘビーな蛇
キツネ
キツネ目のキツネ 狐目の狐
ブタ
ブタをブッタ 豚を打った
クジャク
クジャク、はねクジャクじゃ 孔雀、羽ぐじゃぐじゃ
ダイジャ
ダイジャ、いダイジャ 大蛇、偉大じゃ～
パンダ
パンダ、ノーパンダ パンダ、ノーパンだ
シャチ
シャチの応急シャチ 鯱の応急処置
ネズミ
ネズミ、ネズミ見張る 鼠、寝ずに見張る
ゴリラ
ゴリラはこりゴリラ ゴリラは懲り懲りだ
ラクダ
ラクダは気ラクダ ラクダは気楽だ
オカピ
オカピってオカピー オカピって可笑し～
スズメ
スズメなんか、おスズメだよ 雀なんかお勧めだよ
コウモリ
コウモリ、コウモリする コウモリ、子守する
イタチ
イタチに、ハイタッチ 鼬に、ハイタッチ
テン
テンの目が、テン テンの目が、点
ラッコ
ラッコが、ラッコ ラッコが、抱っこ
カワウソ
カワウソってカワウソ～ 川獺って可哀そう
ヒヨコ
ヒヨコ、ヒョコヒョコ 雛、ひょこひょこ
カナリヤ
カナリヤ、カナリイい カナリヤ、かなり良い
クマ
クマがクマってる 熊が困ってる
アシカ
アシカのアシガいい アシカの足がいい
オットセイ
オットセイをオットセイ オットセイを落とせい
トド
トドに トドける トドに届ける
ジャガー
ジャガーが好きジャガー ジャガーが、好きじゃが・・？
ヒョウ
ヒョウがヒョウヒョウと・・・ 豹が漂漂と
シシ
シシがいシシっ・・て 獅子がイシシッって
ヒヒ
ヒヒがいヒヒ・・ってね 狒狒が、イヒヒってね
ウシ
ウシもウシシシシ 牛もウシシシシ
ニワトリ
ニワトリをニワトリ出して 鶏を二羽取り出して
シジュウカラ
シジュウカラの家、シジュウカラ 四十雀の家、始終、空
ヤマガラ
ヤマガラ、ヤマから ヤマガラ、山から・・・
メジロ
メジロ、メジロ押し 目白、メジロ押し
ウサギ
ウサギが、ウサギこむ 兎が、塞ぎこむ
キジ
キジはいキジなし 雉は 意気地なし
ダチョウ
ダチョウ、ダチョウだ 駝鳥だそうだ
キリン
キリンとは、これっキリンだ キリンとはこれっきりだ
ヒツジ
ヒツジのヒツジ 羊の執事
ヤギ
ヤギのことが、頭ににヤギる ヤギのことが頭に過ぎる
カモ
カモを、カモる 鴨をカモる
ニホンザル
ニホンザル、ニホンさる ニホンザル、日本去る
サケ
サケ、サケぶ 鮭、叫ぶ
ハクチョウ
ハクチョウ、ついにハクチョウ 白鳥ついに 白状
アヒル
アッ・・・ヒルに、アヒルが あっ、昼にアヒルが・・・
ワニ
おーおーおーワニになって踊ろう・・・ラララララ Ｖ６・・・
キツツキ
キツツキはキツツキました 啄木鳥は傷つきました
カッコウ
カッコウ、ぶカッコウ 郭公、不格好
タヌキ
タヌキのカタヌキ 狸の型貫
サメ
サメがサメザメと言いました 鮫がさめざめと言いました
サバ
サバはサバサバと答えました 鯖がさばさばと答えました
ワシ
ワシがワシをワシづかみ 鷲が、わしを 鷲づかみ
シマウマ
シマウマえのシマウマの絵 仕舞う前の、縞馬の絵
タカ
タカ、見たか・・ 鷹、見たか・・・
トビ
トビがトビまわって 鳶が飛びまわって
ツグミ
ツグミ、くちをツグミな 鶫、口を噤みな
ハト
ハトがハットから 鳩がハットから、
カラス
カラスが、のどカラス 烏が喉涸らす
ペリカン
ペリカンにペリー、カンカン ペリカンにペリー憤怒
ハブ
ハブのハブ 羽生のハブ
マムシ
マア、ムシしちゃって まあ、無視しちゃって
アリクイ
アリクイ、アリクイまくる 蟻、喰いまくる
イモリ
イモリには、いいモリだ イモリには、良い森だ
ロバ
ロバ、フロバ 驢馬、風呂場
ダイオウイカ
ダイオウイカにダイオウイカる 大王イカに大王怒る
イカ
イカはイカが～ 烏賊は如何～
イカめしい、イカ 厳めしい烏賊
カメ
カメ、しカメっ面 亀、しかめっ面
コイ
コイ、こっちコイ 鯉、こっち来い
アユ
アユのアユみ 鮎の歩み
フナ
フナは、フナれだ 鮒は、不慣れだ
アライグマ
アラ、イイクマね～ あら、好い熊ね～
ミミズク
ミミズク、ミミズくう ミミズク、ミミズ 喰う
フクロウ
ふくろうの中身はフクロウです 袋の中身は梟です
カレイ
かれいなカレイ 華麗な鰈
カニ
カニはどこカニ～ 蟹は何処かに～
ホタテ
ホッタテごやで、ホタテ食う 掘っ立て小屋でホタテ食う
ギンポ
ギンポ、チンポみたい ・・・・・・・
ウツボ
ウツボのおもウツボ ウツボの思う壺
ハマチ
ハマチ、ハウマッチ・・？ ハマチ、ＨＯＷ ＭＵＣＨ？
フグ
フグのフグリ 河豚の金玉
タラ
「タラちゃん、ちょっと 」 長谷川先生・・・すみません
「なんですかママ・・？」
「この、あほんダラ～」
ハモ
ハモ、ハモる 鱧、ハモる
アサリ
アサリ、あっさり味 浅蜊 あっさり味
オオカミ
オオカミのおおオカミ 狼の、大女将
イノシシ
イノシシ肉に、イノシシ酸ある？ イノシン酸ある・・？
チーター
チーターあっちイッター チーターあっち行った～
ウズラ
おまえウズラ？ そうズラ～ おまえ鶉？ そうずら～
コンドル
コンドルでこんドル～ コンドル混んどる～
リャマ
あリャマあ、 リャマだど ・・・・・・・
サヨリ
サヨリはサヨリない 細魚は頼りない
オコゼ
オコゼをはやくオコゼ オコゼを早く起こせ
アンコウ
アンコウ、アンコくウ アンコウ、餡子喰う
ウニ
ウニとは、ちょっと、ちがウニ 海栗とはちょっと違うに
エビ
エビ、エビ反る 海老、海老反る
ケガニ
毛がにい・・・ケガニ 毛が無い・・・毛蟹
タコ
タコがタコさんとれたよ 蛸が沢山とれたよ
カジキ
カジキのなカジキ カジキの中敷き
ブリ
ブリが、ウンコ、ブリリリリ 鰤が、糞 ブリリリリ
アナゴ
アナゴ、あなご肌 穴子、姉御肌
アマゴ
アマゴ、アマゴだん アマゴ、アマ五段
サザエ
ササ、エんりょなく、 ささ、遠慮なく
カマス、
カマス、ぶちカマス カマスぶちかます
シンジュガイ
シンジュガイのシンジュウかい？ 真珠貝の心中かい・・？
ミルガイ
ミルガイ、みるかい・・？ ミル貝、見るかい・・？
タニシ
タニシなら、あしタニシてね 田螺なら、明日にしてね
ナマズ
ナマズてナ マズいのかい？ 鯰てな、不味いのかい？
ウナギ
ウナギよ、もウナギなさんな 鰻よ、もう泣きなさんな
ドジョウ
ドジョウさんドウジョ～ 鰌さん、どうぞ～
シャコ
シャコはしゃこに入れてね 蝦蛄は、車庫にいれてね
スズキ
スズキが、スズキつる 鈴木が、鱸釣る
イトウ
イトウさん、イトウつる 伊藤さん、イトウ釣る
キンギョ
キンギョのキンキョウ報告 金魚の近況報告
メダカ
メダカ、めだつか・・・？ メダカ、目立つか・・・？
エイ
エイをこう、エイっとね エイをこうエイっとね
シイラ
シイラなんて、シイ～ラナイッ シイラなんて知～らない
クルマエビ
クルマエビのくるまえび 車海老の来る前に
ハンドウイルカ
おい、バンドいるか・・？ おい、バンド要るか・・？
ゴンドウクジラ
いつくる・・・？ こんどクジラ 何時来る・・？今度九時ら
マゴチ
マーコッチこい まあ、こっち来い
キス
キスにキスしてね キスに接吻してね
ボラ
ボラがボランテイア 鰡がボランテア
ニジマス
ニジマス、ニジいます 虹鱒、二時居ます
クロダイ
クロダイのおふくろタイ 黒鯛の御袋たい
マダイ
マダイはマダいいよ 真鯛はまだ好いよ
ベラ
ベラは、ベランダで～す ・・・・・・・・・
マアジ
マアジが犯人？ マアジかい？ 真鰺が犯人？ マジかい・・？
ダツ
ダツ、目立つ、ダツ、離脱 ダツ、虚脱 ・・・・・・・・・・
ヒラメ
ヒラメが、ひらめいた ヒラメが、閃いた
サンマ
サンマ、さんまいにおろす 秋刀魚、三枚におろす
クエ
クエ、くえ～ん クエ、食え～ん
タイ
タイ、たいらげた 鯛、平らげた
ナマコ
ナマコのナマゴロシ 海鼠の生殺し
・・・・・・・・・・・・・・・・
「ふう、出来た。」
すでに夜が明けていた。
たかしは、眠らなかった。徹夜を貫徹したのた。
自分に打ち勝ったという自負と、何とも言えない早朝の清々しさに酔いしれたまま、
じいっと、窓の外の朝焼けの景色を、ただ、虚ろな面持ちで眺めていた。
たかしがこの年、受験に合格したかどうかは、定かではない・・・・
おわり
鳥取県の平井知事（現職）には、きっとこの作品の素晴らしさがわかっていただけると思います。
おそらく、知事の目にとまる確率は果てしなく低いでしょうが・・・
