何者
2章『何者』
翌朝、街が壊滅状態になったことがニュースで流されていた。
俺の通う学校のグラウンドは凸凹になっていたそうだ。
これらの出来事があり学校への登校は一時的に別の場所にされた。
プレハブ校舎が広い空き地に建っている。
その空き地は細かい砂が広がっていて所々雑草が生えている。
風が吹くとゆらりゆらり...と振れる雑草が時間を物語る。
自分の席から窓の外を眺める。
空を覆う薄暗い雲が今の街の現状を物語っている。
放課後
俺は既に半壊している街を高台から眺めている。
壊れたビルとビルの間から俺に一筋の光が射し込む。
俺はその景色をただただぼんやりと眺めていた。
しばらくして俺は目を閉じていた。
初めてだった。
時間が戻ること、街を巻き込む問題、どう考えても普通の人ではない“チカラ”を持つ人。
そして....
ひとつの団体、“前世復興団体”が関わっていた...
初めて聞いた団体名だがどこか俺は聞いたことのあるように思えた...
目を開けると日は落ちていた。
周りは薄暗くなっていく。
俺はふと昨日の出来事を思い出す。
「あの時...屋上で...突風が吹いた...もしかして...あの時の突風って...他の仲間がいたんじゃ...」
俺は昨日のことを振り返り、団体のメンバーの1人の能力が風を起こすものだと仮定しておくことにした。
それと今日は問題何も起きなかった...
こんなのは初めてだ...
俺は仮の家を見ると
「不便だな...」
そう呟きその方向に歩いて帰る。
俺がちょうど帰って寝転ぶと、家のチャイムが鳴った。
ドアを開けると上田がいた。
「ご飯食べない?」
上田は弁当箱の様な物を自分の胸の辺りまで持ち上げて、俺に言った。
「丁度いいや、腹減ってたんだ。お上がり下さい。」
俺は少し変な喋り方で俺がさっきまでいた所を指さして言う。
黙々とご飯を食べる俺に上田が話しかけてきた。
「ほんともう、嫌だね、自然災害...」
テレビでは余波も無く突如地震が来た為、避難出来ていない人は大勢いた。
その中では亡くなった人やまだ行方不明の方もいる。
俺は止めることが出来ていたにも関わらず、俺は止めれなかった。
それは俺も恐れがあったからだ。
時間が巻き戻る前、俺は手足をもぎ取られていた。
鮮血が俺の頬にべっとりと付き、体温が奪われていく。
死ぬかもしれなかった。
正直俺は死んでも良かった。
俺は疲れたからだ。
毎日毎日問題が起きて、それを解決するのも、飽き飽きだ。
けど
この世界は“主人公”の俺を殺させてくれない。
確かに俺は死なないけど、死ぬよりも辛いことをされたとしても、時間は巻き戻らない。
俺は16年生きて初めてこの事を知った。
今書いているのは1000文字程度をいくつも投稿していますが、もしかしたら次から5000文字位になるかもしれません。
今後ともよろしくお願いします。