真実
まさかの出来事が...!
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2章『真実』
あれ?痛い...痛い...痛い痛い痛い痛い...!
痛む箇所を見ると自分の腕と脚が両方無くなっているのが見えた。
そのことが分かるとさらに痛覚が襲ってくる。
「...っ!てぁぁぁぁ!うぐぅう!おえぉぁ!」
激痛で涙と鼻水で顔をグシャグシャにして、さらに吐く。
食べたものが無いせいか薄黄色の液体が口から出る。
どうして、こんな事に...!
永友は夢を見ていた。
男に勝った夢を。
しかし実際は身体は動かず、口は動かず、上田は首をゆっくり絞め殺されていた。
最後に俺は腕と脚を無理矢理もぎ取られ、放置されていた。
傷口からうじが湧き、身体中を這い回る。
とてつもない激痛に耐えかねた俺は呟いた。
「もう、死ぬのか...」
その言葉を発した突如、俺の周りに奇怪な動きをする時計が幾つも現れた。
カチカチ...と全方位から聞こえる。
段々音が大きくなり騒音に変わっていく。
頭がおかしくなりそうだ...
くたびれた時“それ”は起きた。
全ての時計が急に止まり反時計回りに動き出す。
今日1日に起きた事が逆再生されている。
腕が元に戻り、脚も元に戻り、死んだ上田が元に戻り、折れた木も元に戻り、上田が叩かれる前に戻り、いつの間にか自分の部屋に戻っていた。
「どういう...こと...だ...?」
その一言を発した瞬間顔はにやけ、笑っていた。
どうして笑ってるんだ...
は...っ!
そうか...俺は選択を間違えたのか...
は?これはゲームではない。
けど、せっかくもう1度選択出来るんだありがたく受け取ろう...
そう考えると俺はすぐ学校に行った。
急ぐあまりか永友は通行人に肩が当たっているのに気付かず、競歩で走る。
学校につき教室に行くと、クラス全員がこちらに向く。
すると前から胸ぐらを掴もうとしてくる奴がいる。
俺は気配を感じ取ると胸ぐらを掴む寸前で、俺は相手の腕を掴み止める。
そして俺はその男に言い放った。
「お前...誰?」
耳元で囁くように告げたその言葉は男にしか届いていない。
俺の言葉で男は目を真ん丸にして、放心状態にいた。
ひとつの問題が終わると、後から声をかけられた。
「おはよう...永友君!」
元気そうなその声には聞き覚えがある。
その人は上田だ。
「おはよう」
俺も挨拶し返すと嬉しそうに笑っている。
そしてこのタイミングでチャイムが鳴った。
席に着き授業を受ける。
そしてあっという間に昼になった。
「一緒に食べていいかな?」
やけにモジモジしている上田がいた。
「どうぞ」
俺は目を瞑り席を指さしながら言った。
なんで俺に固執するのかは分かっている。
他に聞くことは...
そうだ...!
「あのさ、今日の夜ってどこか出る予定でもあるの?」
「ん?無いよ?急にどうしたの?」
「いや...何でもない...」
俺が聞いても何もない様子だ。
逆に怪しまれたかな?
まぁいい...
そのまま昼は終わった。
放課後
そろそろ来るか...
「なぁお前...話がある...」
男はそう言うと屋上に俺を連れ出す。
「誰かから聞いたのか?」
「うん?」
男が静かに話し始めると俺は少し間抜けな声を出して応答した。
「俺たち...“前世復興団体“...」
「ああ...」
聞いたこともない団体名を聞き、俺はとりあえず応答した。
「お前は前世を信じるか?」
「ああ...」
意味のわからないことを言う男になんだそれ?と聞かずに応答だけしておく。
「俺たちは...前世を信じ、今を生きている...」
「ああ...」
「今生きているのは前世があったからこそだ...今のこの世界は...来世なんだ...」
「ああ...」
だんだんと男は手を上に上げていく動作をする。
俺は適当に受け流す。
「来世は楽しいか?否...俺たちは前世を信じ、前世を復活させる団体だ...」
「ああ...」
だんだん男の声が高ぶってきている。
「その為に...俺は...この世界を...壊す...」
「....っ!」
男が言葉を放った直後、突風が吹く。
まるで巨大な拳で殴られた感覚が全身に走り、グラウンドまで飛ばされる。
たまたま競技部の走り高跳びの道具が出ていて助かった。
けど、上から男も落ちてくる。男は地面に脚がつくと同時に地面を殴った。
そこを中心に地震が起きる。
ゴォォォォ....!っと大地が揺れる。
上手く立てない。
しばらく経つと街中でサイレンが鳴り響く。
火災が起き、海に近い家は高波が襲い出す。
揺れが弱くなり喋り出す。
「何してる...!」
「おや?おかしいな?普通初めての人は驚くんだけど...」
俺が多少叫び気味で話すと、男ははて?と言わんばかりに呟き出す。
「何のためにこの街を壊す!」
「んー?さっきも言った通り、前世を復活させるためだけど...?」
「ならなんで俺を狙う!」
「それは...お前が一番の障害物だからだ...っよ!」
男は目に止まらぬ速さで俺のみぞおちに肘を入れてきた。
「おぇ...!はぁはぁ...なら...お前を倒せば街は救えるのか...!?」
「さぁ?一時的に?かな...あぇ?」
男は話の途中で嗚咽を吐いた。
原因は俺が本気で男のみぞおちを殴ったからだ。
「今度は油断しない...!」
俺の言葉がグラウンド中に響き渡った。
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