救いたい
今回はとてもヒロインとの距離が気になるように書いてみました!
どうぞ読んでいってください!
2章『救いたい』
ベッドの上で雑誌を読む少女は上田玲はその日の夜考え事をしていた。
今日はなんだかギスギスした空気だった...
それはなぜか知っている。
だって全部、私が元凶なんだから...
少女はあの時のことを後悔していた。
どうして割って入ってしまったのか...
その結論はすぐに出た。
「守りたかったから...」
何気なくでたその言葉は上田の頬を赤らめた。
突如、震度1の地震が起きた。
辛うじて感じた揺れはとても嫌な予感しかしなかった。
私は顔を上げると上着を着て、外に出る。
どこに行くのか...そんなの決まっている。
永友の所に...!
正直どこにいるのか分からない。
けど
何故か
私が行く先に永友はいる...!
何故か確信に至っていた。
息を切らしたどり着いた所は、廃墟で人気のない所だった。
辺りを見渡すと特に何も無いが人の声が聞こえた。
私は声が聞こえる方へゆっくり歩いて行く。
そして人影が見えると、すぐに木の影に隠れた。
目を凝らしてみるとそこには永友がいた。
「なんで...こんな所に...」
木の影で呟いたその声は周りが静寂であるからこそ、聞こえたのであろう。
永友の前に突っ立っていた男はこちらに来る。
その男は見覚えはあるけどなぜか思い出せない。
ただただひとつの感情が生まれていた...
“誰?”
.....
木の影にどうして上田がいるんだ...?!
バレたらまずい...!
逃げろ...
口を動かそうとしても、動かない。
なんだよ...!
俺はなんて弱いんだ...
突如、男は上田に気づいたのか上田の方へ向かっていく。
俺は口でパクパクさせ、何度も
『逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ...!』
そう言った。
しかし声は発せず、男は上田の隠れている木の前に立ち、両手で掴んだ。
男は木を両手で右手と左手をあわせるように動かす。
するとミシミシ...と木が折れる音がする。
ゆっくり壊れていく。
このままだと上田が死ぬ...!
そしてようやく言葉を発せた。
スゥ...と息を吸い込み、大声で叫ぶ。
「に...っげろー!」
言葉を発すると共に木は折れ、上田が走り出す。
更に俺もきつく縛られた拘束を破り動く、視界もぶれているまま無理やり走る。
力が入らない身体も全部この1発に賭ける...!
俺は男に走りながら右拳を腹に1発打ち付けた。
それと同時に俺は叫んでいた。
「だぁぁぁぁらぁぁぁぁあ!」
バキバキバキバキっと何かが折れる音と自分の声だけが響く廃墟。
真っ暗で何も見えない、けど、確かに感覚は戻っていて、俺は怒っていた。
なんでこんな感情があるのだろうか...
そんなの簡単だ。
俺は俺自身に怒っているのかもしれない。
俺はこれまでに無いほど達成感を味わった気がした。
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