夢
また暴力の数々が主人公を襲う!
2章『夢』
俺は周りを見るが動物もいない。
突如、身体に振動が伝わる。
目眩と吐き気に見舞われた。思わず俺は膝をつく。
「何した...?」
俺は問いかけると男子生徒は答えた。
「衝撃をお前に与えた」
俺は言葉を理解出来なかった。
頭が衝撃に耐え切れなかったのか処理能力が、一時的に欠けているのが自分で分かっていた。
視界が揺れ、輪郭がぼやけ、世界が暗転し、傾く。
自分がどこにいるのか分からなくなる。
感覚がない。
しかし、それは一瞬の出来事であり、世界はゆっくりと進んでいるようで、痛覚も無い。
後、激しい痛覚が俺を襲う。
全身に振動が筋肉から内蔵、内蔵から骨へと伝わる。
骨が軋む感覚が自分で分かる。
立ち上がろうとしても、立ち上がれない。
思うように動けない。
それはまるで人に踏まれたときのアリのように...
たった一撃でここまでダメージが入るのかよ...
どうすればいい?
どうすれば勝てる?
どうすれば生きれる?
どうすればどうすればどうすれば...
はっ...!
そうだこいつの力をそのまま返せばいいんだ...!
無理しろ...!無理して立て...!そうすれば、もう1度攻撃が来るはずだ...!
その攻撃を俺が受け流すように体を揺らし、手からその攻撃をそのまま返せばいいんだ...!
俺は意識が朦朧とした中、立ち上がり攻撃をわざと受けた。
しかし、その攻撃は振動ではなく、普通の打撃だった。
ドゴッ!
鈍い音がなり俺は堪らずしゃがみ込んだ。
すると男は喋り出す。
「残念でした...」
「....ッ!」
俺の悔しそうな顔を見て満足したのかその男はにやけ、また喋り出す。
「俺がお前の手にすぐ掛かるやつだと思ってただろう?そんなわけ無いだろ。お前は俺を甘く見すぎだ」
俺は今までにない敗北感を味わった。
俺は今まで負けるわけがない。そう思っていた。
なのにこんなところで...
嫌だ...まだ.....俺は...!
断片的に発したその言葉は最後まで言えずに意識はフッと消えた。
まただ...
また拘束されている...
これで何回目だ...いや...正確には2回だが...
俺はこんな感じの夢を何度も見たことがある...
問題が起きる時の夢。世間でいうところの“正夢”ってものだと思うが...
ダメだ...
想像よりキツく絞められてて身動きが一切取れない。
どうすればいいんだ...
途方に暮れる少年はまた意識を失った。
どうだったでしょうか?
面白かったのであれば幸いです。