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自覚主人公  作者: 稲平 霜
2/22

セカイ

今回は学校要素が多い気がします!

1章『世界』


キーンコーンカーンコーン...

チャイムが校内全体に鳴り響く。そして授業が始まる。俺の席は教卓から見て、窓際のグラウンドが見える右端の席で1番後ろだ。この席は外が見れて気晴らしが出来るから俺にとって最高の席だ。


そして問題は毎日ある。それは俺にとって、日常となってしまった。それがいい事なのか、悪いことなのか、俺には分からない。


そんな俺にとっての日常は他の人からすれば、日常ではない。

俺はいつからこんな事を考える様になったのだろう。

わからない。


視界が暗くなる...光が無くなる...俺は今どこにいるんだ...?

バシッ!

本の表紙で叩かれた音がした。

「ぅん、んんん...」目の前を見るとハゲが目立つスーツ姿の先生が俺を見ている。


先生は俺が目を覚ましたことがわかると口を開いた。

「永友!なんで毎度寝るんだ!」

「ぁぇ、ぇと...眠たいからです...」

「おいコラ!また寝ようとするな!お前のその一つの行動が....!」

先生が怒るが俺はゆったりと応答する。

先生の声が俺の意識下の端に追いやられて、先生の言葉はモゴモゴ言ってる様にしか聞こえない。


「おい!聞いてるのか!」

その一言で俺の意識は途端に戻る。

はっ!っと掠れた小さな声が意図せず出た。

誰にも聞こえていないはずなのに俺は赤面した。

これがコミュ障の嫌なところだ。


先生の説教を最後に授業は終わり、俺は教室を出ようとした。

しかし、背後から甲高い声がした。俺は俺に声を掛けた人に向き、頭を傾げた。

その人は丈が膝までのスカートに学校の制服の上着を着ている。髪は少し茶色がかっている髪が腰あたりまで伸びていて、どんな髪型まで出来そうだ。


その女子は俺に妙にソワソワした様子で喋りだした。

「ぁの、ぇと、ゎ、わたし...ぇ、あなたのことが、知りたい...」

その子は自分の言ったことに気づいたのか、とても赤面していた。


その言葉を聞いた俺は時間差で顔が赤くなるのが分かる。

俺はその女の人に背を向けて、こう言い放った。

「なんで、俺に話しかけたんだ?」

「ぁの、教室の事件で助けてくれたから...」

俺は喋るその人の話を中断し、突き飛ばすように言葉を投げかけた。

「俺はお前の事なんか助けた覚えは...無い!」

その一言でクラス全体は凍り付いた。


うわぁ...ひどくない?

何だあいつ?

まじないわ...

サイテー...

罵声を浴びせられる。俺はその中、自分の席に戻ろうとすると、足を掛けられた。

案の定、俺は地面を舐めていた。続いての手が下される前に、俺は起き上がる。

それと同時にチャイムが鳴った。

優しめの先生が教室のドアを開け、みんなに言う。

「席に座ってください」


放課後

俺は孤立した。

俺はみんなが帰ったあとに帰る。

下駄箱から靴を取り出し、地面に置く。

金色に光る世界が俺を照らし、影を落とす。


ふと視線を上げると、休み時間に俺に話し掛けてきた女子がいた。

「なんの用だよ...」俺は荒っぽく喋りかけた。

「ゎたし...ぇんと...すぅぅ.....ごめんなさい!」その人は頬を朱色に染め、濡らして、俺に謝罪してきた。


「なんで...謝んだよ....俺が悪かった....それでハッピーエンドだろうが....」

「ぅうん、違う...ゎたしがちゃんと言わないからいけなかったの...こんな....ぐずぐずしてるから...!」

その女子は決意を決めたような目付きで俺を見つめて、近くに歩いてきた。

「わたしは!私の名前は!上田玲!よろしくー!」


耳が痛い。声大きすぎだろ。

「わかったから帰らせてくれ」冷静に対処した俺をみてその女子はまた叫ぶ。

「わたしはあなたのことが好き!だから!一緒にいさせて!」

「なんでそこまで俺に固執する!俺は助けてないってんだろ!」

「そんなことじゃないの!私は!...お願いだから...一緒にいさせて...少しだけでいいから...」

俺は頭をポリポリとかき、その場で静止する。


その女子は俺に抱きつき、じっとしている。

俺たちはその場に座り込み、じっとしている。

一生とも思われる時間を通り過ぎる。

「ありがとう...」

静かに女子は言った。

俺はなぜか優しい気持ちになり、こう言った。

「どういたしまして...」

いつの間にか俺はその女子の頭を撫でていた。

そして、その女子は俺にもたれて寝ていた。


なんて、虚しく、悲しく、儚い“世界“なんだ...

いかがでしたでしょうか!

これからこのふたりはどうなるんでしょうか!

気になるでしょう!

このふたりに幸あれ!

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