セカイ
今回は学校要素が多い気がします!
1章『世界』
キーンコーンカーンコーン...
チャイムが校内全体に鳴り響く。そして授業が始まる。俺の席は教卓から見て、窓際のグラウンドが見える右端の席で1番後ろだ。この席は外が見れて気晴らしが出来るから俺にとって最高の席だ。
そして問題は毎日ある。それは俺にとって、日常となってしまった。それがいい事なのか、悪いことなのか、俺には分からない。
そんな俺にとっての日常は他の人からすれば、日常ではない。
俺はいつからこんな事を考える様になったのだろう。
わからない。
視界が暗くなる...光が無くなる...俺は今どこにいるんだ...?
バシッ!
本の表紙で叩かれた音がした。
「ぅん、んんん...」目の前を見るとハゲが目立つスーツ姿の先生が俺を見ている。
先生は俺が目を覚ましたことがわかると口を開いた。
「永友!なんで毎度寝るんだ!」
「ぁぇ、ぇと...眠たいからです...」
「おいコラ!また寝ようとするな!お前のその一つの行動が....!」
先生が怒るが俺はゆったりと応答する。
先生の声が俺の意識下の端に追いやられて、先生の言葉はモゴモゴ言ってる様にしか聞こえない。
「おい!聞いてるのか!」
その一言で俺の意識は途端に戻る。
はっ!っと掠れた小さな声が意図せず出た。
誰にも聞こえていないはずなのに俺は赤面した。
これがコミュ障の嫌なところだ。
先生の説教を最後に授業は終わり、俺は教室を出ようとした。
しかし、背後から甲高い声がした。俺は俺に声を掛けた人に向き、頭を傾げた。
その人は丈が膝までのスカートに学校の制服の上着を着ている。髪は少し茶色がかっている髪が腰あたりまで伸びていて、どんな髪型まで出来そうだ。
その女子は俺に妙にソワソワした様子で喋りだした。
「ぁの、ぇと、ゎ、わたし...ぇ、あなたのことが、知りたい...」
その子は自分の言ったことに気づいたのか、とても赤面していた。
その言葉を聞いた俺は時間差で顔が赤くなるのが分かる。
俺はその女の人に背を向けて、こう言い放った。
「なんで、俺に話しかけたんだ?」
「ぁの、教室の事件で助けてくれたから...」
俺は喋るその人の話を中断し、突き飛ばすように言葉を投げかけた。
「俺はお前の事なんか助けた覚えは...無い!」
その一言でクラス全体は凍り付いた。
うわぁ...ひどくない?
何だあいつ?
まじないわ...
サイテー...
罵声を浴びせられる。俺はその中、自分の席に戻ろうとすると、足を掛けられた。
案の定、俺は地面を舐めていた。続いての手が下される前に、俺は起き上がる。
それと同時にチャイムが鳴った。
優しめの先生が教室のドアを開け、みんなに言う。
「席に座ってください」
放課後
俺は孤立した。
俺はみんなが帰ったあとに帰る。
下駄箱から靴を取り出し、地面に置く。
金色に光る世界が俺を照らし、影を落とす。
ふと視線を上げると、休み時間に俺に話し掛けてきた女子がいた。
「なんの用だよ...」俺は荒っぽく喋りかけた。
「ゎたし...ぇんと...すぅぅ.....ごめんなさい!」その人は頬を朱色に染め、濡らして、俺に謝罪してきた。
「なんで...謝んだよ....俺が悪かった....それでハッピーエンドだろうが....」
「ぅうん、違う...ゎたしがちゃんと言わないからいけなかったの...こんな....ぐずぐずしてるから...!」
その女子は決意を決めたような目付きで俺を見つめて、近くに歩いてきた。
「わたしは!私の名前は!上田玲!よろしくー!」
耳が痛い。声大きすぎだろ。
「わかったから帰らせてくれ」冷静に対処した俺をみてその女子はまた叫ぶ。
「わたしはあなたのことが好き!だから!一緒にいさせて!」
「なんでそこまで俺に固執する!俺は助けてないってんだろ!」
「そんなことじゃないの!私は!...お願いだから...一緒にいさせて...少しだけでいいから...」
俺は頭をポリポリとかき、その場で静止する。
その女子は俺に抱きつき、じっとしている。
俺たちはその場に座り込み、じっとしている。
一生とも思われる時間を通り過ぎる。
「ありがとう...」
静かに女子は言った。
俺はなぜか優しい気持ちになり、こう言った。
「どういたしまして...」
いつの間にか俺はその女子の頭を撫でていた。
そして、その女子は俺にもたれて寝ていた。
なんて、虚しく、悲しく、儚い“世界“なんだ...
いかがでしたでしょうか!
これからこのふたりはどうなるんでしょうか!
気になるでしょう!
このふたりに幸あれ!