戦闘
遅いくせに短くてすみません!
次挽回したいと思います。
2章『戦闘』
高笑いをする上田を瞳に刻み、俺は戦闘体制になる。
ただただ笑う上田を無視して俺は踏み込み、一気に近づき右拳を上から下へと振り下げ殴る。
上田は地面に顔から衝突する。
衝突した部分を中心に地面が円形にヒビが入った。
それと同時に土煙が周りに広がる。
突如、右腕に黒い紐のようなものが纏わり付く。
更に左足、右足、首にまとわりついてくる。
だんだん強く締め付けられていく。
意識が遠のいていき脳裏を誰かの声が過ぎる。
「....は...人.......だ....」
その声が聞こえた突如俺は脳が急速に回転し、世界の時間が遅くなる。
俺は黒い紐の正体が髪の毛ということを理解した。
しかし髪の毛を切る方法も無く、抜こうとしても更に縛り付けられる。
俺は森中にある尖った石をウィルドの風を操る魔法でかき集め、縛っている髪に擦るようにぶつけると数本切れたのが分かった。
何度も繰り返すと縛りつけていた全ての髪を完全に切った。
それと同時に俺の体は後ろに飛ばされ、時間の速さが戻る。
しかし切ってもすぐに伸び、再び俺を拘束しようとする。
何度か切っていくごとに段々髪が強固になっているのがわかった。
そして突如上田は叫びだした。
周りの音は掻き消され断末魔の様な叫び声だけが森中に響き、それと同時に上田の髪が周りに突き刺さる。
木が傷つき、倒れ、土砂が起こる。
今の俺にはその事に全く驚かなかった。
街を壊すほどの攻撃でもないからだ。
しかしこのまま何度もされればこの街も壊しかねない。
俺は上田の伸びている髪を全て避け、顔面を殴った。
殴った音はパンッと大きな音を立て森中に響いていた。
しかしそれと同時に俺の口から赤い液体が出てきた。
胸のあたりを見ると槍のように尖っている上田の髪の毛が俺を貫いていた。
俺が抜こうとする事に髪の毛は傷口を広めようと回転する。
その度に口から血反吐を吐く。
だんだん意識が遠のいていく。
薄れていく意識下の中“なにか”が俺を名前を必死に叫んでいた。