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自覚主人公  作者: 稲平 霜
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再開

2章『再開』


目を覚ますと真っ白な天井がを俺を出迎えていた。

ルイとの会話は夢見心地だったにも関わらず、覚えていた。

意識は起きたすぐなのにはっきりしている。


協力できるか少々不安でもあるがやってみるしかない。


考え事をしていると、チャイムが鳴った。

体がピクッと反応し俺は立ち上がり、ドアまで歩く。

開けるとそこには朝焼けに染まった女子クラスメイトがいた。


その女子は涙目になっていて俺をじっと見つめる。

「どうした?」

「う、上田が...!」

俺が疑問に思って聞くと、女子が涙を流しながら少々叫び気味に言った。


俺はここから近い警察署を調べて、早々に駆け出す。

本来の力を開放すればもっと早く走れるが、温存しておきたい、が

俺は隣町まで山道を全速力で走る。

枝が頬をひっかくと、切り口ができた。

風の切る音しか聞こえておらず、頬を潤している。


街が見えてきて俺は少し減速する。

山から抜けると俺は普通の速度に戻し、走り続ける。


息切れして着いた警察署はすでに捜索を始めていた。

誘拐と見ているようだ。

俺が現状報告で一度戻ろうとすると、どこからともなく声がした。


「君の大切な人も殺してあげるよぉ」

風の音が混じっている声だけだが、パーカーの少年”ウィルド”ということが分かった。

声のした方向に俺は走る。


どこにいるどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこ!!

俺は初めてここまで不安になったかもしれない。

この感情は、この感情には俺は負けてしまいそうだ。


押しつぶれそうなときに見つけた上田は木に拘束されていた。

意識を失っているようだ。

周りを見ると、見覚えがあった。

ここは俺が一度死にかけた場所。

ルイとの戦いで一度使った場所だが、

今俺がいる世界ではそんなことはなかったことになる。


俺は上田の縄を解こうとするが固い縄で結ばれていて、素手では解けないようだ。

俺は上田が意識を失っている時ならと木の方ならと、壊そうとすると上田の意識が戻った。

これでは上田を助けられない。


「ん...んん...?な、なにこれ!?」

「上田起きたか!」

上田の反応を聞くと俺は慌てて反応する。


「待ってろよ。切れるの探すから」

俺が刃物を探しに行こうとすると上田が止めた。

「待って行かないで!一つ聞かせて!」

上田が叫び気味に俺に問う。


「なんだ?」

「これ長友がやったの?」

俺が聞くと在り来たりな質問をされた。

俺はすぐさま「違う」と言おうとすると、上田がとろけた目をして言ってきた。


「長友ならいいよ...」

静寂の時が流れ俺は言葉を発した。

「は?」


俺の言葉を無視して上田は続ける。

「長友ならいいよ...私に...私を...汚して...」

その一言を聞くと俺はこの上田はおかしいと、そう感じた。

「お前は誰だ」

俺は上田にそう言うと上田は答えた。


「私は上田玲。貴方に愛されるべき女...そして貴方を誰よりも愛している女...だから、あなたに、長友になら汚してくれてもかまわない...だから、ね?やろ?」

上田が俺を上目遣いで見つめてきながら言う。


いつもの上田からは発せられない言葉を言うこいつは...?

でもなんだろう?

惹かれる?

違う、俺はこんな感情なんかない。


突如、脳から声がした。

「あいつは”色欲”の桃菜モモナだ...」

ルイの声が”色欲”といった。

つまりこれは幻か?

上田が乗っ取られているのか?

どっちだ?


考え中に邪魔をしてきたのは”ウィルド”だ。

「もう来てたんだぁ」

俺を睨みながらウィルドが言う。


続いてウィルドが話す。

「ちょっとモモナぁ...俺がこいつ殺すのぉ!邪魔しないでぇ」

ウィルドの言葉を聞いた拘束されている上田、モモナがしゃべりだす。

「じゃあ先にやらせてよ!いいでしょ?」

「ダメ!」

モモナの発言にウィルドが即答えた。


その直後大地に衝撃が走る。

上田の体に縛り付けられている縄を安易に解く、モモナは上田の体を使っている。


このままだと上田の体が傷つく、避けたい!


俺を中心にして叩きつけるような衝撃が走る。

俺は衝撃と同時に上に向けた顔を前にする。

よく見ると目がルイに代わっている。


俺は意識が朦朧とした中ルイが俺に言った。

「お前の熱意は伝わった...初めは乗っ取ろうと思ったが...気が変わった...!」

俺は意識を失った。


空はもう暗かった。

-----------------

俺はお前の意思を無駄にしないぞ、永友!

「さぁて!久しぶりの手合わせだな!ウィルド!モモナは初めてだったな!

さぁ、やろうぜ!」


「急に馴れ馴れしくするなぁ!馴れ馴れしくしていいのは...ルイだけだぁ!」

ウィルドは叫びながら人体に影響を及ぼす突風を起こした。

俺はすかさず顔を隠して防御の体制をとる。


俺はモモナの方に向き、衝撃波を飛ばした。

モモナは避けていた。

モモナは攻撃しなくてもよさそうだたった。


ウィルドの猛攻は速度を上げるばかりだ。

俺はウィルドに向けて本気の衝撃波を飛ばした。

すると今までウィルドが飛ばしてきていた突風をすべてかき消した。


それと同時にウィルドはひるんだ。

その一瞬で俺はウィルドに詰め寄り、振動を乗せた右拳で五十%の力で殴った。

するとウィルドは膝をついた。

俺は追い打ちで後頭部らへんを殴ると、ウィルドは完全に意識を失った。


「はぁ...はぁ...はぁ....強くなったな...残念ながらお前も俺と同じで負けだ...受け入れろよ...」

俺はウィルドにとどめを刺すと、キラキラした実態のないものが俺の体にはいてってくるのがわかる。

俺はモモナの方を見ると、モモナはすでにどこかに逃げられていた。

そして俺は意識がなくなり、倒れた。

-----------

暗闇が俺を覆っている。

そこに光の球が降りてきた。

「なんだ?」

俺は何気なく言葉を発した。


「お前が呼んだんだろうぅ」

「いや。俺は何も...ルイが何かやったのかもな」

「ルイがいるのぉ!?」

俺が出したキーワード"ルイ"を出したことによりウィルドが叫んだ。


そこにもう一つ光の球が来た。

ルイだ。

「ウィルド、お前は永友の中に取り込まれた。だからお前も永友に協力するんだぞ?」

「ルイが言うんだ。永、友、僕も協力するしっかり使ってくれよぉ!」

一段落の交流が終わり、俺は目を覚ました。


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