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自覚主人公  作者: 稲平 霜
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警戒

2章『警戒』

歩き疲れた時に仮の家、プレハブを見つけた。

よく見ると俺のプレハブの前に上田がいた。

上田は俺を見つけたようで、こちらに駆け寄ってきた。


上田の第一声は「大丈夫!?」の一言だった。

「あぁ、全然平気!」

上田が心配そうに聞いてきた言葉を弱くするために、俺は少しばかり強めに答えた。

俺の言葉を納得したように上田は少し頷きながら、小さい声で「...うん...うん...」と言葉を発していた。


俺は疲れた体を休めるためにプレハブに向かう。

上田にも今日は一人にしてもらうように言った。


一つの空間のただ一人の呼吸がすぅ...すぅ...という呼吸音が聞こえる。

暗い空間に包まれながら俺は一人別の意識下にいた。


目を開けても開いているのかわからない。

ただ

「...んん...?」

「...よう...お前...お前はいつもこんな過酷な世界で生きてたんだな...」

俺は上手く言葉を発せず背後から聞き覚えのある声がした。

「お前は...”ルイ”...」

俺は意図せず俺が倒した男の名前を男に向かって発した。


「お前、俺の名前知ったのか...」

ルイが諦めたようなため息を吐いて言った。

「お前こそなんでこんなところにいるのか...教えてくれませんかねぇ...」

俺は少し睨みながら言葉を発した。


「おぉ、そうだな」

頷きながらルイは言った。

続いてルイはしゃべる。

「結論から言おう...お前が主人公だからだ」

「は?」

「お前は主人公...故に人の精神体をストックすることができるんだ。

これは俺の見解でしかないが、お前はこの世界の”ヒト(悪魔)”と同化している。

なぜこんな結論に至ったか...簡単だ...まずお前はとてつもない力があることだ。

これはやろうと思えば全生命を破滅に導くことも可能な”力”だ。

これを知ったお前は”世界”を壊すこともあり得るだろう。

これらを話したうえでお前は...友永明はどうするんだ?」


ルイが結論を述べ、俺が呆けた面をルイに見せながら返事に近い疑問をぶつけると、真顔になり話しだした。

永遠ともいえる静寂と時間を通り越し、咄嗟に言葉が出た。

「どうもしない...」

俺は間を開け、続けてしゃべる。

「俺は主人公だ...俺に降りかかる問題を俺は俺を守るために自分の持てる力を使う...もう一つ言えば俺の大切なもの、大切な人を守るために力を振るう...!

俺はお前を許せない...!

しかし許せないからと言ってお前をずっと恨むわけではない...俺はお前を利用し、お前は俺を利用すればいい...と、言わなきゃ俺は”あいつ”に勝てない...で、協力してくれるのか?」


俺は言いたいことをすべて言うとルイは呆れたように言葉を放った。

「その”あいつ”というのは”ウィルド”のことだろう?あいつは俺の弟分だからな...さぞ起こっているんだろうな...あいつを正気に戻すために...協力しよう...!」

ルイは少し微笑みながらしゃべる。



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