主人公の在り方
この度はこの本を手に取ってくださり、誠にありがとうございます。
主人公はどんな感じか。
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プロローグ
荒地に1人誰かがいる。その姿は防弾服とヘルメットを身につけて、壁にショットガンが立てかけられている。「はぁ...はぁ...」周りに誰もいない。もう無い左手を抑えて息を荒くしている。痛覚が鈍感になってきて身体の左側が熱い。視界が暗くなる。「死にたく...ない...な」その言葉を最後に火が消えた。
1章『主人公』
俺の名前は長友明、普通の高校生、と思っていた。しかし俺は知ってしまった。俺はこの世界の主人公らしい。なぜこの結論に至ったかというと、自分にだけ問題が起こりすぎるし、最後は必ず自分の勝ちで問題は解決してしますからだ。正直言って主人公めっちゃ疲れる。待て、良く聞いてほしい。例えば誰かが主人公になって無双してたいな!とか冗談も大概にしろってんだ。主人公どれだけ大変か分かってんのかよ!来る日も来る日も道端の人に絡まれるこの気持ち!理解出来んのか!こんちくしょー!これが中学時代の俺。
そして、これが今の俺。主人公だから何やっても大丈夫だろ?思考が変わってしまった。まぁこのまま同じ問題だけで終わればいいな。そんなフラグみたいなことを言っていなければ、俺の高校時代は変わらなかっただろう。
高校2年生になった。無事に進級出来たことが何よりもよかった。始業式が終わり教室に戻ろうとした時の事。教室が爆発しすでに教室帰っていた生徒は、教室前で炭になって転がっている。俺は教室を見ると教室内は焦げていて、教室の中央に誰かがいた。何年鍛えたであろう強靭な肉体、下に革のズボンを身に付けていた。その身体中からは炎が纏っていて余計に近づくと、自分が燃えそうだ。俺がその男を見ていたら男が自分に近づいてきた。歩く足音はコツコツでは無くジュウジュウ...と床が燃えていく。焦げ臭い匂いが鼻につく。男が自分の歩幅位の距離になったとき時間が止まったように数秒過ぎて、その刹那辺りに火花が散る、自分の視界の端で太い脚が頭部に近づいてくる。俺はその時、考える力を最大限に引き出し、結論は右に体を倒すこと。俺は体を右に倒すと掠りもせずに避け、俺は体を支配し左拳で男の腹を殴った。ドン!と鈍い音を立て男の腹が通常ではありえないほどに、凹んだ。
男は口から泡を吐きながら気絶した。
その後には警察が来て俺は事情聴取された。あったことを全て話すと、俺は無罪で終わった。
1章 2『モブ』
放課後帰ろうとすると先輩に呼ばれた。その先輩は俺が片付けた男よりは体は大きくないが、力は人並に優れている事で有名だった。しばらくして先輩が喋り出す。「お前が本当にあの大男を倒したのか?」ガンを飛ばしながら発言する先輩は俺にとって、ただ邪魔なモブだ。あえて言わせてもらうなら、敵キャラに近いだろう。数秒後俺は頭を縦に振った。その直後何かが起きた。世界が傾き俺はその状況を読めずにいた。
手足を拘束されている。前を見ると先輩が話している。いや、まてよ。そもそも俺にとっての先輩っていないよな?脳裏に過ぎったありもしない記憶。そうだ。この人はきっと俺の脳を“魔法”で書き換えたんだ。
魔法とは科学的に証明できない力、科学では再現できないことも主に魔法と名付けられる。この世界には魔法という概念がある世界なのだ。
しかし、魔法って本当に嫌なもんだな。魔法は使える人と使えない人がいる。そもそも使える人は一般で使ったら懲役20年のはずなのに、よく使えるなと思う。
魔法にやられたことが分かると魔法の力が薄れてきた。これで先輩(仮)の正体が分かる。俺が目にした姿はあの大男だった。連行された筈だろ。俺はそう思っていた。まさか、殺したのか?俺が起きたのに気づいた大男は俺に付いている拘束具を外しこう言ってきた。「お前、俺と、バトルしろ」俺は快諾した。それはこんなに大きな肉塊なんかすぐに倒せると思ったからだ。そして位置につき数秒間が経つ。空気が擦れ、圧縮され、俺の全身に勢いが伝わってきた。その刹那、俺は捕まり何度も膝で腹を撃たれる。何度も何度も何度も何度も何度も何度も、撃たれ続けて俺は疲れていた。最後に地面に叩きつけられて終わった。俺は小さな意識下の中脳裏にこう過ぎった。“俺は主人公だ”と、後に俺は唐突に笑い出す。「ははは!次は俺の番だぞー」少しだらしなさそうに言葉を発する。俺は体を揺らしながら男に近づき、1発ゴッ!と鈍い音が出る。そして追い打ち。男に衝撃が伝わり、モゴモゴ言っている。そんなことを気にせず俺は言葉を発する。「52...この数が分かるか?分からない?まさか自分で人を蹴って起きながら?は?笑わすなよ」少し乱暴な言葉遣いで俺は言い放ち、さらに続けて言葉を発する。「はい、1発目」ゴリュッ左手があらぬ方向に折れ曲がる。男は叫んでる。しかし俺は続ける。指を1本1本折っていく。全てを折り、後52回折れたところを蹴り続ける。最後に首の骨を右足を男の首に付け体重を掛けてゆっくり折って、終わりだった。そして俺はその場を後にした。
家に帰ると紅に染まった服を脱ぎ捨てる。お風呂のドアを軽く押して開け、閉める。栓を捻り、シャワーに浴びる。自分の手や顔に付いた血が自分の体を上から下へ伝っていくのが分かる。その感覚を感じながら俺は呟く。「俺は主人公だ」少年のその一言で夜は更けた。
1章 3『ヒロイン』
私は上田玲。周りからはとても綺麗な人と言われる。正直そんなことを言われても嬉しく無い、訳では無い、とても嬉しい。私は今日も変わらずに学校に登校する。カバンの持ち手の部分を両手で前で持ち、スタスタと歩く。今日は始業式なのだから少し早めに行かないといけない。少々早めに歩く事にした。
始業式が始まる。先生方の話は長くてつまらない内容ばかり。早く教室に帰らせてくれないかな?そう考えていたらいつの間にか話は終わって、校歌を歌い、諸連絡が済み始業式がおわった。私は教室に一目散に帰ろうとしたが、私の友達が休みぶりだと話しかけてきた。私はまぁいっか。と呟き友達と会話をする。
会話をしながら教室に帰ってくると誰か知らない人が教室にいた。私服だからきっとヤンキーだと、そう思っていた。私がスルーして教室に入ろうとした瞬間、熱い風と黒煙が私の前から背中へと流れてきた。私はその勢いで吹き飛ばされた。壁にもたれた私に友達は駆け寄って来る。「大丈夫?」その一言で私は安堵の表情を浮かべた。ふと前を見ると男の子が私に背を向けて、突っ立っている。けれどその男の子は私に気づいていないみたいだった。私は壁から離れて教室から遠ざかる。静かにさっきの男の子を見ていると、さっきの爆発犯があの男の子に近づいていく。私は不安になり手を伸ばした。しかし手は届かず時間が過ぎていく。瞬きをし、目を開いた時に爆発犯が男の子に蹴りを入れようとしている。世界はゆっくり動く。そんな事が起きてる。どうしてか分からないけれど助けたい、助けになりたい、私は密かにそう思いながら、男の子を見ていた。男の子は体を右に倒し、左拳で爆発犯の男の腹を1発。その一撃はとても弱々しく見えていた。しかしとても強烈な一撃だった。爆発犯の腹はありえないほど凹み、顔を見た時にはもう気絶していた。
私は男の子に話しかけようとすると、先生が男の子を呼び出されていた。私はどこかあの男の子に惹かれているみたいだった。
放課後。私は男の子を校門で待っていた。理由は助けてくれたことのお礼が言いたいこと。それと、「名前が聞きたい...」予期せずに声がでてしまい、私は焦る。周りに誰かいないか辺りを見回す。周りは誰もおらずほっと息を吐く。そして引き続き待ち続けた。けれどあの男の子は校門からでて来なかった。私はきっと帰ったのだと思い、家に帰った。
お風呂の湯船に浸かりながら私は呟く。「明日頑張ろ...」その一言で夜は更けていく。
どうでしたでしょうか?
面白かったのであれば幸いです。