第932話
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2017年8月13日午前7時10分。一課に着いて、フロアに入ると、すでに日勤の刑事たちが来ていて、仕事をしていた。主に朝の会議の準備である。月井は自分のデスクに座り、パソコンを立ち上げて、ネットに繋ぎ、警察関連のサイトを見始めた。朝食を取った後で、エネルギーはある。
時間が午前7時半に近付くにつれ、徐々に課内は騒がしくなり始めた。ある意味、一課の雰囲気は変わらない。一日いれば、ストレスで胃腸などをやられかねないような感じである。
月井も内勤は歌舞伎町交番勤務しかやったことがなくて、慣れてない。入庁以来、ほとんどずっと外勤だったからである。それに警察学校時代に教えてもらった座学などもだいぶ忘れていた。取り戻すのは難しいのだろうが、いずれそうしないといけない。自分にやれるだろうか?今一つ自信がなかった。それに、デスクワークは何かとノイローゼを誘発しがちだ。もちろん、任せられれば、やるしかないのだが……。
午前7時31分。会議室に一課の刑事たちが集まり、朝の会議が始まった。月井もタブレットを持って参加する。いろんな警察官がいて、警視庁捜査一課は成り立っているから、忍容の姿勢も大事だ。組織の力学というものも、当然ある。警察が存立してきたベースは、今と昔でも、さほど変わらない。単にいろんなものが便利に機械化されて、情報などが高度にデータベース化されただけで、そこにいる人間は変化してないのである。会議だって、昔風だ。紙の資料を印刷して、配布し、使いながら……。(以下次号)




