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新宿  作者: 竹仲法順
904/1001

第904話

     904

 2017年8月10日午前8時45分。オフィス街に着き、通勤客を見送る。疲れはあった。ある意味、疲労は絶えないのだ。刑事もきつい仕事である。無理なことをたくさんしていた。それに、夏の新宿は地獄だ。朝から、強烈な日差しが照り付けている。少しは収まらないものか?そう思ってしまう。

 昔から苦労してきた。歌舞伎町交番勤務時代も、常に街の悪と対立してきたのである。新宿は無法地帯だ。勤務に慣れてはいても、やはり体調には影響が出る。メンタル面でもいろいろあった。本来なら、南雲のクリニックに行きたい。今は仕事が休めないから、行けずにいるのだが……。

 午前9時22分。繁華街を歩く。足取りは重たかった。だが、絶えず歩き続ける。暇はない。ずっと頑張っていた。それに他の刑事たちとは一切組まない。単独行動がすっかり板に付いていた。 別にいいのである。危険なことなどがあれば、自ずから気を付けるだけなのだし……。

 実際、刑事は働き通しだ。それにこの街にいて、いろんな思いをしている。終わらない戦いが続いていた。だが、怯まない。必ずやり通す。そう感じながら、日々やっていた。警察官の職務はきついことが多いのだが……。

 午前10時12分。通りの自販機でアイスの缶コーヒーを一缶買って飲む。カフェインを補給し、やっと一息つけた。木陰でしばらく休む。街は騒がしい。今も月井の心の中にはいろいろある。もちろん、いつかはこんなことも笑って話せるようになるのだろうが……。(以下次号)


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